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(論)[同性パートナー]に関する論説(2020年11月15日)

[同性パートナー] 国も議論始める時期だ(2020年11月15日配信『南日本新聞』-「社説」)

 同性カップルらを「パートナーシップ」として公認する制度を持つ自治体が、本年度末までに少なくとも茨城、大阪、群馬の3府県と全国67市区町に達することが、支援団体の調べなどで分かった。カバーされるのは総人口の3割を超す。

 多様な生き方を認め合う社会の必要性を訴える当事者たちの努力もあって、性的少数者に対する認識は高まってきた。制度導入は、来年度からのスタートを予定している指宿市など今後も全国で増える見通しだ。

 菅義偉首相は同性婚、同性パートナーシップ制度導入に「家族の在り方の根幹に関連する問題で、慎重な検討が必要」としている。だが、自治体の動きが強まっている以上、政府も本格的な議論を始めるべきである。

 制度は同性のカップルらを婚姻に相当する関係と認め、自治体独自の証明書を発行する仕組みだ。2015年に東京都渋谷区と世田谷区が国内で初導入して以降、全国に拡大した。

 茨城、大阪の2府県に加え、福岡市、熊本市といった政令市や宮崎県木城町などの小規模自治体を含む制度導入済みの57市区町で、既に千組以上が認定を受けた。家族の多様化を示す数字と言えよう。

 認定を受けると公営住宅への入居が可能になるほか、生命保険金の受け取りや携帯電話の家族割引など民間のサービスも受けられる。当事者の暮らしやすさを向上させるという観点からは、画期的な改革だ。

 しかし、制度には法的効力がなく、パートナーの死亡時に相続を受けられず、公的年金などで異性婚と同じ恩恵がない、といった重大な不利益が多く残る。このため、同性婚の早期法制化を求める声が上がっている。

 今年の国勢調査でも、同性カップルは婚姻世帯としてカウントされない。複数の支援団体からは総務省に対して「自治体からは家族と認知されながら、家族としての尊厳を否定されている」と訴える要望が出ている。

 性的少数者に対する自治体の配慮の動きは、鹿児島県内でも徐々に広がりつつある。これまでに鹿児島、薩摩川内、指宿、日置の4市が公的書類の性別欄削除などに取り組み、霧島市といちき串木野市でも調査を始めた。

 こうした流れを受けて県は原則、来年度から統計上必要なものなどを除いて公文書の性別記載を見直す。県教委も公立高校の入学願書から性別欄を廃止することを決めた。パートナーシップについても検討を進めてほしい。

 米国や台湾では自治体から制度が始まり、法的な同性婚につながった。日本でも性的少数者に対する社会の理解が加速しているのは間違いない。そうした人たちが不利益を被ることのない制度づくりの論議を深めたい。





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