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(論)面会交流に関する論説(2020年11月16・24日)

離婚と面会交流/子の権利、より重視を(2020年11月24日配信『山陰中央新報』-「論説」)

 離婚で離れ離れになった親と子、祖父母と孫が、法の不備により自由に会えなくなり精神的苦痛を受けたとして、東京や静岡、京都などの男女17人が国に損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。面会交流は幸福追求権を定める憲法13条で保障された基本的人権とし、それを不当に制限されるのは重大な人権侵害で違憲と主張している。

 離婚後も父母が共に子の親権を持つ共同親権制度が主流の欧米とは異なり、日本は、どちらか一方が親権者となる単独親権制度をとっている。年間約20万組以上の離婚の9割を占める協議離婚では、夫婦が話し合いによって親権者を定め、面会交流や養育費の分担について取り決めをする。

 夫婦間で話がまとまらないときは家庭裁判所が調停・審判で判断することになる。しかし、そうやって面会交流の頻度や方法などで合意しても、親権を持ち、子と同居する親が一方的にほごにしてしまうことも多いとされ、近年、単独親権制度は法の下の平等を定める憲法に反するなどとして国家賠償請求訴訟が相次いで提起されている。

 そうした中、面会交流は親同士の問題と捉えられがちだが、子にとっても、かけがえのない権利だ。法務省は有識者や関係省庁の担当者らの「家族法研究会」で共同親権導入や面会交流の促進について議論を重ねている。子の権利をより重視した仕組みにつなげていくことが求められよう。

 訴状などによると、原告の40代父親の場合、2018年3月に妻が子を連れて実家に戻り、その年10月の調停による合意を経て今年3月まで月1回、7時間の面会をした。だが4月以降は新型コロナウイルスの感染拡大を理由に拒否され、会えていない。家裁に面会交流の履行勧告を出すよう申し立て認められたが、無視され続けている。

 やはりコロナ禍を理由に元妻から2人の子との面会を拒否されている40代父親は「面会交流に強制力はなく事実上、同居親の自由裁量になっている」と批判している。

 子の立場で原告に加わった20歳と16歳の兄弟は11年に両親が不仲になり、母親の実家に。兄はその後、不登校となり、父親の元に戻ったが、母親側から2年余りも弟との面会を拒絶された。一方、弟は母親が交際相手と同棲(どうせい)するなど育児放棄に遭い、父親とは約5年間会えなかった。兄弟は現在、父親と暮らすが、今年9月に2人とも心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断された。

 では、どうすれば、子の人生にも大きな影響を及ぼす面会交流をスムーズに行えるか。家族法研究会では、共同親権導入の是非が焦点になっている。法務省が調べたところ、欧米やアジアなどの24カ国のうち、日本と同じ単独親権のみはインドとトルコだけだった。

 ただ離婚した父母が共同で親権を行使する場合には、進学など子に関する意思決定がしにくくなったり、ドメスティックバイオレンス(DV)など夫婦間の対立が離婚後に持ち越されたりする恐れも指摘されており、慎重意見は根強い。単独か共同かを選択できるようにする案も出ている。

 また面会交流の義務付けを求める親も多い。家庭内に国がどこまで介入するかという問題はあるが、子が望むなら、その機会を万難を排して確保する道筋を見いだす必要があろう。





離婚と面会交流 子の権利、より重視を(2020年11月16日配信『茨城新聞』-「論説」)

離婚で離れ離れになった親と子、祖父母と孫が、法の不備により自由に会えなくなり精神的苦痛を受けたとして、東京や静岡、京都などの男女17人が国に損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。面会交流は幸福追求権を定める憲法13条で保障された基本的人権とし、それを不当に制限されるのは重大な人権侵害で違憲と主張している。

 離婚後も父母が共に子の親権を持つ共同親権制度が主流の欧米とは異なり、日本は、どちらか一方が親権者となる単独親権制度をとっている。年間約20万組以上の離婚の9割を占める協議離婚では、夫婦が話し合いによって親権者を定め、面会交流や養育費の分担について取り決めをする。

 夫婦間で話がまとまらないときは家庭裁判所が調停・審判で判断することになる。しかし、そうやって面会交流の頻度や方法などで合意しても、親権を持ち、子と同居する親が一方的に、ほごにしてしまうことも多いとされ、近年、単独親権制度は法の下の平等を定める憲法に反するなどとして国家賠償請求訴訟が相次いで提起されている。そうした中、面会交流は親同士の問題ととらえられがちだが、子にとっても、かけがえのない権利だ。法務省は有識者や関係省庁の担当者らの「家族法研究会」で共同親権導入や面会交流の促進について議論を重ねている。子の権利をより重視した仕組みにつなげていくことが求められよう。

 訴状などによると、原告の40代父親の場合、2018年3月に妻が子を連れて実家に戻り、その年10月の調停による合意を経て今年3月まで月1回、7時間の面会をした。だが4月以降は新型コロナウイルスの感染拡大を理由に拒否され、会えていない。家裁に面会交流の履行勧告を出すよう申し立て認められたが、無視され続けている。

 やはりコロナ禍を理由に元妻から2人の子との面会を拒否されている40代父親は「面会交流に強制力はなく事実上、同居親の自由裁量になっている」と批判している。

 子の立場で原告に加わった20歳と16歳の兄弟は11年に両親が不仲になり、母親の実家に。兄はその後、不登校となり、父親の元に戻ったが、母親側から2年余りも弟との面会を拒絶された。一方、弟は母親が交際相手と同棲(どうせい)するなど育児放棄に遭い、父親とは約5年間会えなかった。兄弟は現在、父親と暮らすが、今年9月に2人とも心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断された。

 では、どうすれば、子の人生にも大きな影響を及ぼす面会交流をスムーズに行えるか。家族法研究会では、共同親権導入の是非が焦点になっている。法務省が調べたところ、欧米やアジアなどの24カ国のうち、日本と同じ単独親権のみはインドとトルコだけだった。

 ただ離婚した父母が共同で親権を行使する場合には、進学など子に関する意思決定がしにくくなったり、ドメスティックバイオレンス(DV)など夫婦間の対立が離婚後に持ち越されたりする恐れも指摘されており、慎重意見は根強い。単独か共同かを選択できるようにする案も出ている。

 また面会交流の義務付けを求める親も多い。家庭内に国がどこまで介入するかという問題はあるが、少なくとも子が望むなら、その機会を万難を排して確保する道筋を見いだす必要があろう。




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