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障害児の診療、初診が数カ月待ち(2020年11月20日配信『福井新聞』)

受診ニーズ高い一方、専門医不足

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受診希望者が増え、初診が数カ月待ちの状況が続いている福井県こども療育センター=福井県福井市四ツ井2丁目

 障害のある子どもの診療を担う福井県こども療育センター(福井市)で、外来初診が数カ月待ちの状態が続いている。専門性の高い医師やスタッフが不足している中で、子どもの発達障害などに不安を感じる保護者の受診ニーズは高く、診療体制がなかなか追い付かないためだ。

 「センターに初診予約を相談したら約3~4カ月待ちと知らされた」という投稿が福井新聞の調査報道「ふくい特報班(ふく特)」に届いた。投稿者の女性は「障害児の症状は特殊なものも多く、同センターは頼りになる存在。それだけに、どうなっているのでしょうか」と打ち明けた。

 同センターは取材に「現在、外来初診が2~3カ月待ちになっている」と説明。ここ数年は120~130人待ちの状況が常態化し、半年待ちになった時期もあった。

 2013年度に400人台だった初診外来患者数は、16年度は684人、19年度も660人に上った。新患の増加に伴い、延べ人数も増加傾向が続き、17年度は年間9千人を突破。19年度は9481人と過去最多を更新した。コロナ禍による受診控えや乳幼児健診延期の影響などで、今秋の待機者は例年より少ないという。

 対象は自閉スペクトラム症、注意欠如多動症、学習障害などの発達障害をはじめ、運動発達や言語発達の遅れなど幅広い。小児科医として診療に当たっている津田明美所長は「小児科の初診希望の多くは発達障害の疑いのあるケース。子どもの発達を不安に思う保護者が増え、健診で気付くケースと合わせて増加傾向が続いている」と話し、少子化の中でも受診ニーズが高まっている実情を分析する。

 その上で「すぐ診られるのが最善ではあるが、正確に診断するには診察や検査に時間がかかる。発達障害は診断が支援のスタートではなく、保護者の不安は発達障害についての正しい知識を持つことで軽減できる」と理解を求める。

 センターには小児科、整形外科、児童精神科、耳鼻咽喉科などの七つの診療科があり、医師は常勤7人、非常勤4人の計11人体制だ。津田所長は「発達障害の診療には小児科だけでなく児童精神科の医師が必要だが、全国的に不足している」と指摘。「心理検査、カウンセリング、言語評価などを担ったり、他機関との調整に当たったりする専門のスタッフが不可欠で、その拡充が望まれる」と説明する。

■不安軽減へ保護者向け講座


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井県こども療育センター・外来新規患者数

 福井県こども療育センターは状況改善策の一つとして、受診中や初診予定の保護者向けに開いている「子育て講座」に注力。診療以外でも「保護者に正しい知識を持ってもらい、不安を軽減するための機会」(津田所長)を定期的に設けることで、保護者の不安軽減を図っている。

 講座では小児科医や保育士が「子どもの発達」「ほめるコツ」などのテーマで解説する。同じ悩みを持つ保護者がいることが分かれば安心感につながる▽症状への理解が深まれば外来診療の時間短縮になる-との狙いもあるという。

 予約から約3カ月後に受診できたという30代の母親は受講後、「初診待ちの期間、家庭でできることを具体的に教えてもらえて気が楽になった」。40代の父親は「ほかの保護者と思いを共有できる場はありがたい」と話した。

 津田所長は「発達障害はその子の“特性”で、その特性を持って成長していく。医療は通過点でしかなく保健、保育、学校などさまざまな分野から支援することが大切」と社会全体でのサポート体制の重要性を訴える。さらに「各市町の母子保健・児童発達支援センターや福井県小児科医医会などとも連携を強め、支援の輪を広げていきたい」と話している。




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