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虐待被害児らの一時保護所で人権侵害 都の第三者委指摘(2019年7月18日配信『朝日新聞』)

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第三者委員会がまとめた40ページに及ぶ意見書。「どこも逃げ場がない」「言葉が鋭い、もう少し穏やかに言っていただきたい」など子どもたちの声が記載されている

 虐待などの理由で児童相談所(児相)に保護された子どもたちが最初に身を寄せる「一時保護所」について、東京都の第三者委員が、子どもを管理するルールを「過剰な規制で人権侵害にあたる」と指摘していたことが、朝日新聞が入手した資料でわかった。一方で、定員超過や職員不足が運営に悪影響を及ぼしていることにも言及している。

 3月末に都に提出された意見書を、情報公開請求で入手した。一時保護所は児相が運営し、被虐待児や非行などの子を24時間受け入れ、保護する施設。所内での子どもたちの処遇をめぐっては、各地で問題が指摘されているが、第三者の立ち入りが極めて難しいため、具体的な問題点が明らかになることはこれまでほとんどなかった。

 意見書は、一時保護所によって実情は少しずつ異なるものの、私語禁止や会話を制約するなどのルールを課すほか、子ども同士が目を合わせることまで禁じる指導をしているところがあると指摘。職員は個人情報を話すことを制限しているだけだなどと説明しているが、「どのルールも管理思考で、子どもの人権擁護の視点に欠ける」と指摘した。

 また、ルールを守れない子どもに対して、壁に向かって食事をする▽廊下についたてを立ててその中で辞書を書き写す▽体育館の中やグラウンドを何周も走る――などが強いられている状況も報告。「ルール違反に対する指導の名の下に罰を与えているとしか言えない」「本来は内省を深める目的の個別処遇が、罰になっていないかも再検討を要する」などとした。

 子どもの権利に詳しい川村百合弁護士は「自治体によってはよい処遇をしようとしている所もあるが、東京だけの問題ではない。全国共通の課題と考えるべきだ」と指摘する。(編集委員・大久保真紀)
     ◇
 〈一時保護所〉 虐待や非行などの理由で保護が必要と児童相談所長か都道府県知事が判断した子どもたちが最初に生活する場所。各都道府県に最低1カ所あり、全国には2018年10月時点で計137カ所ある。東京都内の7カ所の17年度の総定員は213人。新規入所者は2107人で、全国の一時保護所入所者数の1割弱を占めた。児相は一時保護の間に子どもの心身の状態や家庭環境などを調べ、家庭に帰せないと判断した場合は児童養護施設に入所させたり、里親に委託したりする。一時保護の期間は原則2カ月までで、全国の平均在所日数は約30日。その間は、原則として学校に通えない。



保護された子、会話も笑顔も許されず 「まるで刑務所」(2019年7月18日配信『朝日新聞』)

 家にいるのがつらくてここに来たはずなのに――。東京都の児童相談所の一時保護所について第三者委員がまとめた意見書には、厳しい管理ルールにつらい思いをした子どもたちの嘆きが多く記された。

「一時保護所に行くぐらいなら死ぬ」

 一時保護所の処遇の問題を指摘する声は、入所した子どもたちからこれまでも上がっていた。

 親からの虐待で家出し、今年、都の一時保護所で数日過ごした少女(17)は「入所の時、下着まで脱ぐように言われ、裸にして調べられた。恥ずかしかった」と振り返る。小さな部屋から出ることを許されず、トイレに行くのにも職員に断らなければならなかったという。「一時保護所には二度と行きたくない」と話す。

 この一時保護所を運営する児相によると、入所の際に、体にあざや傷がないか確かめるため、職員と1対1で下着も含めて着替えさせているという。児相は「最低限の確認と考えている。『恥ずかしい』という子がいれば記録に残し、共有している」とする。

 これについて、西日本にある児相の職員は「どんな言葉がけがあったかわからないが」と前置きした上で、「子どもが不快と感じたのなら、それを重視するべきだ」と指摘する。この児相では、幼児なら傷の有無を確認するために職員が手伝って下着も含めて着替えてもらうが、ある程度の年齢になれば傷やあざを確認する必要がある場合にはその必要性を説明し、子どもに了解をとるという。

 意見書で指摘されたような一時保護所での処遇は、都に限らない。




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