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「密」回避に悩む障害者施設 手助けなしで予防困難/「スキンシップで安心」 道内関係団体、相互支援体制協議へ(2020年11月22日配信『北海道新聞』)

 北広島市の障害者支援施設で新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が発生し、関係者が警戒感を強めている。障害の種別によってはマスク着用などの感染防止策を徹底しにくい特有の事情があるほか、日常生活で介助が必要な障害者は施設職員らと密接に関わらざるを得ず、感染対策が難しいためだ。職員の感染で人手が一気に不足する事態も起きかねず、各施設は改めて職員派遣など連携強化を急いでいる。

 「健常者でもマスク着用を不快に感じる人は少なくない。障害が重ければ異物を着けさせられていると感じてしまう人もいる」。北海道知的障がい福祉協会の遠藤光博会長は知的障害者施設の実情をこう明かす。中にはマスクの必要性を理解できなかったり、嫌がって引きちぎってしまったりする例もあり、手助けなしで基本的な感染予防対策を講じるのは容易ではないという。

 食事や入浴といった日常生活の支援が必要な利用者も少なくない。障害者のグループホームなどを運営する社会福祉法人ホープ(胆振管内白老町)の佐藤春光常務理事は「スキンシップで安心する利用者もおり、『密』を避けることなんてできない。感染防止だからと禁止してしまえばパニックを起こしかねない」と指摘する。

 道内の障害者支援施設では5月にオホーツク管内遠軽町、11月には北広島市でクラスターが発生した。10月に感染が急拡大すると、施設の一部は入所者の帰宅や家族の面会を制限するなど対策を強化したが、北海道医療大の近藤尚也助教(障害者福祉)は「障害者施設は季節性インフルエンザの対策にも常時気を使ってきたが、家庭と同じ密な空間で大人数が過ごすため、集団感染を抑えるのには限界がある」と話す。

 無症状の患者が多いため、気付かないうちに感染が急速に広がるリスクもあり、北広島市の障害者支援施設は同じ法人が市内の別の場所で運営する障害者デイサービス施設と合わせ、21日までに利用者と職員の計99人が感染する大規模クラスターに発展した。

 道や北広島市は施設利用者の障害の種別を明らかにしていないが、「入院で環境が変われば、心理的に不安になることも想定され、症状が悪化しない限り施設内か自宅での療養を基本としている」と説明する。職員の感染で人手が不足する中、応援の職員が入るまで、感染したが無症状の職員が施設にとどまって支援に当たらざるを得ない時期もあったという。

 高齢者や身体障害者も身体介助が不可欠な人が少なくなく、札幌市身体障害者福祉協会の浅香博文会長は「障害に対応しつつ療養できる医療機関は多くない。感染した障害者を受け入れる体制を広域で構築する必要がある」と訴える。

 道知的障がい福祉協会はクラスターが発生した同種施設の報告書を踏まえ、施設間で相互に支援する体制を整えてきたが、遠藤会長は「週明けにもオンラインで会議を開き、改めて各施設の現状を確認し、必要な支援について協議する」としている。(阿部里子、田鍋里奈、加藤祐輔)




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