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車いすバスケ知的な競技 「TEAM EARTH」 練習に記者が参加(2020年11月24日配信『読売新聞』)

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試合形式の練習をする「TEAM EARTH」のメンバー(福島市のあづま総合体育館で)

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通常の車いす(左)と競技用の車いす

操縦は瞬時の判断 車輪1センチの攻防

 車いすバスケットボールは、手こぎの専用車いすでコートを縦横に走り、激しくぶつかり合う競技だ。実際に経験してみると、必要なのは体力や瞬発力だけでなく、意外なことに頭をフル回転させる「知的なスポーツ」だった。(高田彬)

 先月中旬、福島市のあづま総合体育館で、「TEAM EARTH(チームアース)」の練習をのぞいた。チームは2001年に発足し、全国組織「日本車いすバスケットボール連盟」にも登録されている。現在は20~40歳代の計9人が所属する。

 競技では選手の障害の程度に応じて1・0~4・5ポイントの持ち点がある。コートで同時にプレーする5人の持ち点の合計は14ポイント以内に抑えなくてはならない。健常者でも公式試合に出られるが、最も高い4・5ポイントが加算されてしまう。

 健常者も参加できるならと、記者も練習に交ぜてもらった。バスケは未経験だが、幼稚園から大学までサッカー一筋で運動には自信がある。

 ベルトを装着し、いざ発進。車輪を回すと、想像より軽い。通常の車いすの半分ほどの力で動くという。車輪が外側に開くように18度前後傾いているのは、素早く車体を回転でき、転倒しにくくするためだ。

 しかし、ボールを持つと壁にぶつかった。動きながらボールを受け取らないと、たちまち相手に追いつかれてしまう。車いすは横移動ができないし、方向の微調整も難しい。

 「パスを受ける前の準備が大切。次にどこに行くか、頭を常に働かせて」。主将の佐藤涼さん(30)から声がかかる。

 一緒に練習した渡辺環さん(22)は高校生の時、モトクロスバイクの事故で半身不随になった。持ち点は1・0ポイント。腹筋や背筋が使えないため、体をひねることができない。

 試合形式の練習で、記者は渡辺さんのマークについたが、何度も振り切られてしまった。競り合いで、こちらの進行方向に渡辺さんの車体が入り込むと、いくら押しても進めない。「リム取り合戦」と呼ばれ、相手の車輪より1センチでも前に自分の車輪を出すことで主導権を握れる。「車いすの操縦に慣れないうちは難しいよ」と佐藤さんから励まされた。

 瞬時の判断が必要だが、パズルのような要素もある。障害のあるなしや程度に関係なく、対等に戦える工夫が凝らされている。30分ほど一緒に汗を流し、面白さの一端を垣間見たような気がした。

 佐藤さんは19歳の時、工事現場の事故で右脚に障害を負った。今は義足で生活する。

 6年前、リハビリ生活で知り合った友人に誘われ、車いすバスケに出会った。当時は杖つえをついて歩く姿を見られるのが嫌で、外出は気が重かった。しかし、バスケでは自分より重い障害の人が活躍していた。「俺も頑張らなきゃ」と思うようになったという。

 2年前には米国のチームに半年所属して武者修行した。「体格が大きい相手でも、こまめに車いすを動かせば十分通用する」と手応えをつかんだ。「ルールが細かく、最初はプレー中に考えることが多すぎて大変だったけど、今はそこが面白い」と魅力を語る。

公式戦出場健常者も

 車いすバスケは1960年のパラリンピック第1回大会からの正式種目。日本代表男子の過去最高成績は7位で、女子は1984年と2000年の2度、銅メダルを獲得した。

 健常者が公式戦に参加できるようになったのは2018年から。車いす競技が多様化し、競技人口が減少したことが背景にある。「TEAM EARTH」も3年前は選手が5人に減り、存続の危機に陥った。

 現在は練習見学なども受け付けている。問い合わせはメール(fukushima.team.earth@gmail.com)へ。



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Author:gogotamu2019
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