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(論)詐欺に関する論説(2020年11月24・12月10日・2021年2月2日)

特殊詐欺 被害急増に警戒強めねば(2021年2月2日配信『山陽新聞』-「社説」)

 「あなたのキャッシュカードが犯罪で不正に使われています。交換のためカードを預かる必要があり、すぐに職員を派遣します」

 警察官や銀行協会職員などを名乗る人物からこんな電話が自宅にかかってきた。間もなくやって来た人物から「交換には暗証番号が必要」と言われたので番号を教え、カードを預けた。その際、「秘密を守る義務があり、誰にも言ってはいけない」と口止めを強く求められた―。

 これは、高齢者を中心に被害が多発している特殊詐欺の手口の一例だ。卑劣な犯罪は後を絶たず、岡山県内で昨年認知された被害額は、前年より3億円余り多い約5億2千万円に上った。3年ぶりに増加し、高額被害も相次いでいる。一人一人が防犯意識を高めるとともに、家族など周囲も含めて一段と警戒を強めなければならない。

 県内の被害額を手口別にみると、有料サイトの利用料金名目などの「架空請求詐欺」が約2億8500万円で最多だった。現金を繰り返し要求される事例が多く、1千万円超の高額被害が14件あった。

 近年、目立つのがカードを狙った手口だ。警察官などを装ってカードや通帳を直接だまし取る「預貯金詐欺」と、隙を見て偽物とすり替える「キャッシュカード詐欺盗」を合わせた被害額は約1億1100万円に上った。

 この他、親族らを装う「おれおれ詐欺」(約8200万円)、未公開株購入などを持ち掛ける「金融商品取引詐欺」(約4千万円)などがあった。こうした手口による昨年の被害者のうち、9割以上が高齢者だった。被害根絶に向け、お年寄りへの働き掛けを改めて強化したい。

 一方、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、ワクチン接種を巡る不審な電話が今年に入って相次いでいる。

 県内では先月下旬、保健所職員を名乗って「ワクチン接種費用を立て替える」と言い、口座番号を聞き出そうとする不審電話が複数確認された。被害はなかったものの、ワクチン接種に便乗した詐欺につながる恐れがある。東京都などでは、接種に必要のない予約金の支払いを求める電話が相次いだ。不審に思ったらすぐに警察などに相談することが重要だ。

 被害防止策の一つとして県警が呼び掛けているのが留守番電話の活用である。犯人が最初に被害者に接触するのは固定電話を介するケースがほとんどだ。留守電は犯人と直接話さなくて済む上、音声が録音されるのを犯人が嫌うとされる。在宅時でも留守電に設定しておくなどの利用が効果的だろう。

 被害防止には周囲の声掛けも大きな力となる。高額のプリペイドカード購入や振り込みなどを不審に思ったコンビニ店員や金融機関職員らが被害を食い止めるケースは少なくない。社会全体で防犯意識を高めていきたい。





なりすまし詐欺/カード渡さないのが鉄則だ(2020年12月10日配信『福島民友新聞』-「社説」)
 
 なりすまし詐欺の被害が多発傾向にある。最近の犯行手口の傾向を知っておくことで、だまされないようにしたい。

 県警がまとめた今年1月~11月のなりすまし詐欺の被害は121件で、被害額は2億円を超えた。すでに昨年1年間の件数、被害額を上回っている。年間の被害額が2億円に達したのは3年ぶりだ。普段、自宅にいることの多い高齢者の被害が8割強に上る。

 県警によると、キャッシュカードを偽物とすり替えて盗む「キャッシュカード詐欺盗」の被害が目立っている。

 まず、警察官をかたり「口座が狙われている。金融庁職員が向かう」などと電話をかけてくる。被害者宅を訪れ「預金を守るため、カードを封筒に入れ封印する」などと言い、隙を見て偽物が入った封筒を渡す手口だ。昨年同時期と比べ被害は倍増している。

 詐欺グループは1本の電話を足掛かりにカードを狙ってくる。疑わしい電話に出た場合、一呼吸置いて落ち着いて対応し、相手の言いなりにならないことが肝心だ。

 詐欺グループの手口は年々、巧妙化しているのが実態だ。被害者の目の前で預かったカードに切れ込みを入れ、悪用されることはないと安心させて、「後日、新しいカードが届く」などと言ってだまし取る手口が横行し始めた。県内でも被害が出ている。

 実際は磁気部分やICチップを避けて切れば、カードは使うことができる。警察官や金融庁の職員らが自宅に来てカードを預かろうとしたり、暗証番号を聞いたりすることはない。カードを渡さない、暗証番号を教えないことを改めて再確認しておく必要がある。

 犯人からの電話に出ないことで被害は防ぐことができる。県警は高齢者世帯を中心に、防犯のため自動録音します―といった警告アナウンスが流れる電話録音機の無償貸し出しを進めている。5年前にも実施し、取り付けた世帯での被害はないという。

 在宅時でも固定電話機を留守番電話に設定し、相手のメッセージを確認してから折り返す習慣付けも有効だろう。

 県内の金融機関では高額被害を防ぐため、高齢者の口座を対象に過去の利用状況などからATMの1日当たりの利用限度額を引き下げる対応を取る銀行もある。

 なりすまし詐欺は、だまされたことに気づくのが遅れるほど被害に遭う可能性が高くなる。万が一、カードを犯人に渡してしまったら、すぐに警察、家族ら身近な人に相談、連絡してほしい。





だましの手口(2020年11月24日配信『東奥日報』-「天地人」)

 師走の声が聞こえる時期になると、よく金融機関や店舗で強盗対応訓練が行われる。その狙いは、お金が動く歳末の警戒強化にある。ただ最近、県内で事業所を標的にした強盗の報を聞くことは減った。

 今や街中に防犯カメラが張り巡らされ、警備態勢も向上している。犯人を待っているのは大金を手にした生活などではなく、留置場である可能性が高い。そんな事情からか強盗犯が目立たなくなっているのは喜ばしいが、季節を問わず跋扈(ばっこ)する特殊詐欺犯は実にいまいましい。

 架空請求、おれおれ、還付金とだましの手口は相変わらずで、本県での過去5年間の年平均被害額は1億1千万円超。今月15日にも70代男性が警察官を名乗る男にキャッシュカードをだまし取られ、約475万円を引き出された。ため息が出る。

 首都圏では、被害者の資産状況を事前に聞き出して家に押し入るアポ電強盗、ガスや消防設備の点検業者を装った強盗など悪知恵の限りを尽くした事件が頻発する。こうした犯罪も主なターゲットは高齢者らである。

 内閣府が3年前に行った治安に関する世論調査によると、不安を感じる犯罪のトップは「インターネットを利用した犯罪」、次いで「振り込め詐欺や悪質商法などの詐欺」。まさに国民の不安は的中している。首相が言う前例打破ではないが、悪賢いやつらの上を行く、斬新な対策はないか。




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