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学術会議現役会員「世界から笑われる」 政府、非政府組織化を提案(2020年11月26日配信『毎日新聞』)

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梶田隆章・日本学術会議会長(左)と会談する井上信治科学技術担当相=東京都千代田区で2020年11月26日午後5時20分ごろ、阿部周一撮影

 井上信治・科学技術担当相は26日、東京都内で日本学術会議の梶田隆章会長らと会談し、学術会議の組織形態について「国の機関からの切り離しについても検討していくべきだ」との意向を伝えた。菅義偉首相が6人の会員候補の任命を拒否した問題の発覚後、政府が学術会議に対し、国から独立した非政府組織化を提案するのは初めて。井上氏は学術会議に対し、年内に組織改革の検討結果を報告するよう求めている。

 井上氏は梶田会長ら幹部3人と約1時間、意見交換する中で伝えた。会談後、報道陣の取材に「何か決まったということではない。幅広い選択肢を考えていただきたい」とした上で、「国会でも議論があり、国民の皆様からもいろんな声があるのを踏まえた」と説明。「(梶田氏らに)私の意見も受け止めてもらったと思う」と語った。

 ただ、この会談の直前に学術会議が開いた記者会見で小林傳司(ただし)・学術会議第1部幹事は、欧米のアカデミー(学術団体)が非政府組織であることなどを理由に自民党内で非政府組織化を求める声が強まっていることに触れ、「日本と欧州では学術の歴史が違うので、うまくいくかよく考えていただきたい」と慎重な議論を求めた。関係者によると、小林氏は会談に同席し、井上氏に対し同様の主張をしたという。

 学術会議は1949年の設置以降、70年余りにわたって国の機関として運営されてきた。年間約10億円の国費が投じられているが、多くは事務局職員の給与や管理費が占めている。学術会議のあり方を巡っては、任命拒否問題を発端に自民党がプロジェクトチーム(PT)を設置し組織形態の変更を議論しているほか、河野太郎行政改革担当相が予算や職員数について見直す考えを示している。

 ある現役会員は、任命拒否問題を発端に政府が非政府組織化を打ち出したことについて、「あまりにも学問を軽視している。学問は時代を超えて受け継がれるもの。政権が気に入らないからという視点で学術会議の問題を考えれば、学術の発展は途絶えるし、世界から笑われる」と憤りをあらわにする。その上で「欧米のように財政面や職員の充実など制度保障がなされなければ、学術会議の存立は危うくなる。科学アカデミーの性格をきちんと考えてほしい」と訴えた。

 欧米の科学アカデミーは、民間組織として運営されている団体が多い。この点について小林氏は26日の会見で「(歴史的に)欧州は研究者の団体を政府が認可した。日本は明治時代に西洋の学問を導入し、学術団体は国家との結びつきで作られた」と指摘。その上で今後の学術会議のあり方の議論では、欧米のアカデミーと同様に国家による財政の支援や、政府からの独立性などを確保することが重要との考えを示した。【池田知広、阿部周一、柳楽未来】




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