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旧優生保護法訴訟 30日に判決(2020年11月27日配信『NHKニュース』)

旧優生保護法のもとで不妊手術を強制されたとして、関西に住む女性と夫婦が国に賠償を求めた裁判の判決が、30日に大阪地方裁判所で言い渡されます。
全国で起こされている一連の裁判で、国の賠償責任を初めて認定するのか注目されます。

訴えを起こしているのは、▼関西に住む病気の後遺症で知的障害になった77歳の女性と、▼大阪府に住む聴覚障害がある70代と80代の夫婦です。

旧優生保護法による不妊手術を強制され、憲法で保障された個人の尊厳や子どもを産み育てる権利を奪われたうえ、国は長年、救済措置を怠ったと主張して、おととしから去年にかけて大阪地方裁判所に訴えを起こし、国に5500万円の損害賠償を求めています。

最大の争点は、裁判で賠償を請求できる20年の起算点をいつと判断するかです。

国側は、「起算点は不妊手術が行われた昭和40年代とすべきで、提訴までに20年が過ぎている」と主張しています。

これに対し原告側は、「国の作った法律が原因で差別や偏見に苦しみ長年、裁判を起こすことはできなかった。起算点は厚生労働大臣が国会で被害の重大性を明言した平成16年とすべきだ」と主張しています。

全国で起こされた一連の裁判では、これまで仙台と東京の裁判所で原告の訴えが退けられています。

大阪地裁の判決は30日に言い渡される予定で、国の賠償責任を初めて認定するかどうかが注目されます。

【原告の聴覚障害夫婦は】。

判決を前に、原告で大阪府内に住む、ともに聴覚障害がある80代と70代の夫婦が取材に応じました。

夫婦は20代のときに結婚し、3年後の昭和48年、妻は妊娠しました。

しかし、翌年に帝王切開で出まれた子どもはまもなく亡くなり、妻は高熱が出て意識がはっきりしない状態のまま入院を続けました。

妻は退院後も子どもを持ちたいと思い続けましたが、生理がないため母に相談したことろ「赤ちゃんはもう出来ない」と告げられ、帝王切開をした際に不妊手術を受けさせられたことを知ったといいます。

夫婦は自分たちの不妊手術が、優生保護法に基づくものだとは知らなかったといいますが、おととし9月、聴覚障害がある人が裁判を起こしたことをニュースで知り、知り合いの紹介で弁護士に相談し、裁判を起こすことを決意しました。

去年1月に裁判を起こしてから、夫婦が法廷で訴えてきたのは、子どもを持てなかった悲しみや国に対する怒りです。

こうした思いを直接、国や社会に知ってほしいと裁判を続けてきたといいます。

夫は、「子どもがほしいという希望が絶たれて、本当にショックでした。自分たちの悔しい思いを理解してほしいです」と話していました。

妻は、「友だちに子どもや孫がいるのをみると、とても羨ましいです。不妊手術をした社会に納得が出来ず、裁判を起こしました。裁判をきっかけに、私たちのような苦しみを味わうことがなく、誰でも子どもを産んで楽しい家庭を築けるようになってほしいです」と話していました。

【旧優生保護法とは】。

「旧優生保護法」は、人口の急増が大きな社会問題となっていた、終戦後まもない昭和23年に制定されました。

戦後復興のためには人口増加の抑制と優秀な人材が必要だとして、法律に「優生上の見地から不良な子孫の出生を防止する」と明記し、本人の同意がなくても精神障害や知的障害などを理由に、不妊手術を強制することができるとしました。

法律の制定からおよそ半世紀たった平成8年、国内外からの批判の高まりを受けてようやく改正されましたが、この間、不妊手術を受けた人は、およそ2万5000人にのぼり、その3分の2は本人の同意がないまま強制的に行われたとされています。

国は法改正後も不妊手術は法律に基づいて合法的に行われていたと主張して、謝罪や補償は応じてきませんでした。

しかし、おととし、旧優生保護法のもとで不妊手術を受けさせられた宮城県内に住む知的障害のある女性が、国に損害賠償を求める裁判を起こし、これまでに全国9つの裁判所であわせて25人が訴えを起こしました。

こうした動きを受けて、政治的な救済に向けた機運が高まり、去年4月、おわびや一時金として一律320万円を支払うことを盛り込んだ救済法が成立しました。

厚生労働省によりますと、先月末までに999件の申請があり、このうち814件の支給が決まったということです。

【最大の争点は】

今回の裁判は、損害賠償を請求できる期間を、不法行為から20年とする改正前の民法の規定が適用されています。
このため20年の起算点を、いつと捉えるのかが最大の争点となりました。

国側は、「起算点は不妊手術が行われた昭和40年代とすべきで、提訴時点で20年を過ぎているため、賠償を求めることはできない」と主張しています。

これに対して原告側は、「国が法律によって障害者への差別や偏見を生み出し、浸透させてきたことで長年、裁判を起こせなかった」と訴えています。

そして、「起算点は現実的に提訴できるようになったときと考えるべきで、厚生労働大臣が、被害の重大性を国会で明言した平成16年だ」と主張しています。

過去にはこうした考え方を認めた裁判例もあります。

昭和27年に生後5か月で国の政策による予防接種を受け、副作用で重い障害が残った男性が、22年後に国に賠償を求めた裁判では、最高裁判所が、「男性は障害の影響などで長年、裁判を起こせなかった。その原因を作った加害者が賠償を免れる結果は、著しく正義、公平の理念に反する」として、予防接種から20年を過ぎたあとでの賠償請求を認めました。

今回の裁判の原告側は、旧優生保護法にもこうした考え方を適用して、不妊手術を強制された人たちを救済する司法判断をすべきだと訴えています。




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