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(論)性差(ジェンダー)に関する論説(2020年11月29日・2021年4月26日)

他者を思いやり、多様性について考えるきっかけに(2021年4月26日配信『新潟日報』-「日報抄」)

 桜が散るのが早いと思えば、木が芽吹くのも早い。庭木のヤマボウシは若葉が一気に開いた。春が急ぎ足で駆けていく。心に余裕がないから余計にそう感じるのかもしれない

▼新しい学年がスタートした。中学、高校へ登校する新入生の制服姿がまぶしい。人生の上り坂をぐんぐん進もうとしている10代たち。もえる若葉のようだ。新しい友人や先生との出会い。新年度は、どきどきだけど楽しみも多い

▼1年後の2022年度から高校で使用する教科書の検定結果が先日発表された。ジェンダー(社会的性差)や、LGBTなど性的少数者に関する記述が多くの教科書に盛り込まれた

▼心と体の性が異なる「トランスジェンダー」の入学を認めたお茶の水女子大の事例、他国に比べ女性の国会議員が圧倒的に少ない政治状況など、最近の話題や日本が抱える課題が取り上げられた。実社会と結び付けた学びを大事にしたい

▼全国の高校で、女子生徒にもスラックスを認めたり、性別による縛りをなくしたりと制服に選択肢を設けるケースが増えている。県内でも女子用スラックスを取り入れた高校がある。冬場の寒さ対策としても役立つに違いない

▼画一性の象徴ともいわれる制服も変わり始めた。生まれ持った性に違和感を抱いている生徒の苦痛が少しでも減ることを願う。ほかの生徒にとっても他者を思いやり、多様性について考えるきっかけになるのではないか。古い固定観念を振り払い、これからの社会をつくっていく人たちである。





男だから、女なのに――(2020年11月29日配信『日本経済新聞』ー「春秋」)

 かつて閨秀(けいしゅう)作家、閨秀画家なる言葉があった。優れた女性との意味で、明治期に平塚らいてうらが参加した文学講習会の名は「閨秀文学会」。後に取って代わった「女流」も、今やめったに耳にしない。職業に男女の区別はいらない。そんな考え方が広がったのだろう。

▼人の仕事を性差でくくるようになるのは近世以降のことらしい。中世の絵画には働く女性が数多く登場する。ところが江戸中期の「近世職人尽絵詞(きんせいしょくにんづくしえことば)」は103種の職業の大半を男性の姿で描いた。女性は遊女や芸者などごくわずか。家父長制的な社会で職人すなわち男性という意識が固定化し「女職人」の呼び名が現れた。

▼男だから、女なのに――。性別による規範に息苦しさを感じている人は思った以上に多い。千葉県の国立歴史民俗博物館で開催中の「性差(ジェンダー)の日本史」展への反響の大きさを見て、企画をした横山百合子教授は痛感した。社会の営みにおける男女の役割はどのように規定されてきたのか。古代からの歴史をたどる初の試みだ。

▼秋晴れの週末、大学生のグループや若いカップル、家族連れが考古資料や絵画に見入っていた。性差をめぐる常識は社会が形づくるが人の意志と力で変えられる。歴史からそう学ぶことで「今を生きるヒントを得ようとしているのでは」と横山教授は言う。男女混成チームによる地道な研究成果が静かな共感を呼んでいる。



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