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河井案里議員に迫る失職と約6千万円の歳費返還の恐怖 公設秘書の有罪確定で(2020年11月29日配信『AERA.com』)

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保釈後、出廷のため東京地裁に入る参院議員の河井案里被告(C)朝日新聞社© AERA dot. 提供 保釈後、出廷のため東京地裁に入る参院議員の河井案里被告

 昨年7月の参院選で初当選した参院議員の河井案里被告(公職選挙法違反で公判中)に失職の危機が迫っている。陣営の車上運動員に法定上限を超える報酬を支払ったとして、公選法違反に問われた案里被告の公設第2秘書について、最高裁は25日付で被告側の上告を棄却する決定をした。

 秘書に対する懲役1年6月、執行猶予5年とした一、二審判決が確定する。検察は秘書を起訴した時点で、連座制の「組織的選挙運動管理者」にあたると百日裁判で容疑を争ってきた。秘書の有罪判決が確定したことで、広島高検は案里被告の当選無効を求めて広島高裁に連座制の訴えを起こす見込みだ。

 当の案里被告は現在、東京地裁で審理が行われている自身の裁判で地元の広島県議、市議らにカネを配った買収の容疑を徹底否認している。保釈後はいつも法廷に「議員バッジ」をつけて出廷しているが、秘書の有罪確定で参院議員の座は風前の灯火となってきた。

 連座制の法廷が開始されると、案里被告は自身の裁判だけでなく、広島高裁で行われる連座制の裁判にも対応しなければならない。元東京地検検事の落合洋司弁護士はこう解説する。

「連座制の裁判は秘書の刑事裁判での証拠がビッチリ出されるはず。それを元に秘書の有罪が確定しているわけで、案里被告の反論の余地はあまりないと思いますね」

案里被告が当選無効となった場合、参院議員ではなかったという解釈になるという。前出の落合弁護士は、過去に東京都の区議が連座制に問われた際、弁護した経験があるという。

「元区議は連座制が裁判で認められ失職。その時、区から歳費返還を求められ、苦労していた。確か1年分くらいで、1000万円ほどあったはず。連座制の裁判、勝ち目は薄いでしょう。案里被告も失職となれば、当然、歳費を返還となるだろう」

 東京地裁の被告人質問で案里議員は「参院選の時は金融機関から金を借りた」と述べ、公選法違反(買収)に問われている170万円のバラマキについては「私のタンス預金がから出しました」「タンス預金はお車代とか陣中見舞いなどで、200万円くらいあった」などと説明し、苦しい懐事情を明かした。

 国会議員の平均年収は、2200万円。すでに当選して1年以上となる案里被告は、3000万円ほどの歳費を受け取っている。

 案里被告は弁護士費用と10月に保釈された際、保釈保証金1200万円を納付したが、12月になれば、国会議員の冬のボーナスが支給され、今後は受け取る歳費がさらに増える。

 連座制の裁判は上告も可能なので、あと1年ほど確定までに時間がかかりそうだ。そうなれば、6000万円ほどの歳費を受領することになる。

「案里被告は裁判費用もかさみ、地元広島の事務所も経費削減のため、閉じている。公職選挙法違反(買収)の裁判は有罪、実刑判決もありうる。そうなると、ますますカネが必要だ。議員バッジを失うと、格安の議員宿舎も住めない。夫の克行氏も徹底抗戦するだろうから弁護士費用もかさむ。歳費を返せと言われると、たちまち困窮するのではないか」(自民党幹部)

 案里被告には失職にだけでなく、多額の歳費返還という試練が待ち受けているようだ。

(今西憲之)

※週刊朝日オンライン限定記事




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