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「同性愛者は二流市民扱いだ」。国に対して同性婚求める裁判、原告が訴えた。(2020年12月3日配信『ハフポスト』)

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同性愛者をいないものにしないで。愛する人とともに生きる生き方を認めて欲しい――。

同性同士での婚姻実現を求めて、複数の同性カップルが国を訴えている「結婚の自由をすべての人に」訴訟。

東京地裁での5回目となる期日が12月2日に開かれ、原告らが「結婚は子どもを生み育てるためもの」という国の主張に反論した。

また、「本人尋問」の実施を求めて、原告側の代理人弁護士が強く要望する場面もあった。

結婚は子どもを生み育てるためのものじゃない
原告らは同性同士の婚姻を認めないことは、憲法が保障する「婚姻の自由」を侵害し、「法の下の平等」や「個人の尊厳の保障」に違反していると訴えている。

これに対して国は2019年10月に「結婚は伝統的に子どもを生み育てるためのものなので、同性同士は想定されていない」と主張した。

今回の期日では弁護士がこの主張に反論し、「子どもを産まない異性カップルも完全に無視したものだ」と強く批判。

「婚姻が伝統的に生殖と結びついていたのであれば、なぜこの国の婚姻制度は、子を産むことを婚姻の要件としていないのか」

「婚姻に関する民法の規定のどこを見ても、『子を産まない者は婚姻できない』『子を産まない者の婚姻は無効である』『子を産んでいない場合は離婚できる』などとは書かれていない」と、現状との矛盾を指摘した。

さらに弁護団は、「結婚には愛する人と人生の楽しみや喜び、悲しみをわかち合い、その人らしい幸せを感じて人生を楽しむためのもの」という価値があると述べ、国の主張はその価値を貶めるものだと批判した。

同性婚ができる社会だったら…

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国が同性婚を認めないことが、同性愛者に対するスティグマを助長してきた、とこの裁判で原告らは主張した。

原告のひとり小川葉子さんは、何でも話せた母親にも同性愛者であることを隠さなければならず苦しかった、と意見陳述で語った。

小川さんはパートナーとの同居をめぐって母親と衝突したり、パートナーが親戚から中傷されたこともあるという。

その時の苦悩を振り返り、「あの時同性婚制度があれば、周囲を納得させられたかもしれない」「この社会で異性愛者と同じ選択肢がない同性愛者は、二流市民扱いをされているように感じます」と訴えた。

小川さんのパートナーである大江さんも、自身が同性愛者であることで、父親が親戚から激しくバッシングされたという。

「異性カップルであれば祝福されたであろうことが、家族も巻き込んでなぜこんなにもつらい思いをしなければならないのかと憂鬱な気持ちになりました」と、被告の方に何度も視線を向けながら、悔しさや苦しみを語った。

国が同性婚を認めていないことは子どもたちにも影響を与える、と話したのはパートナーと子育てをしている西川麻実さんだ。

「同性カップルに育てられている子どもを『かわいそう』と言う人もいますが、それがかわいそうであるのなら、それは同性愛を一段低いものに貶めるこの社会の偏見であり,その偏見の大きな原因の一つが,同性同士の結婚を認めていない法律そのものから来るものだと思います」と、西川さんは語った。

本人尋問で、話を聞いて

期日の後半では、「当事者尋問」を求めるやりとりもあった。

当事者尋問とは、原告に質問をすること。「婚姻ができないことでどのような不利益を被っているのか」などを、原告本人に直接聞いて確認する。

原告の弁護団は、裁判がスタートした当初から、当事者尋問をして欲しいと求めてきた。

しかし弁護団によると、裁判長は当事者尋問は「夾雑物(きょうざつぶつ・不要なものという意味)だ」と述べて、実施に消極的だったという。

今回の期日で、弁護士らが改めて当事者尋問を申し入れたが、裁判長は「これまでの意見陳述で十分」として、当事者尋問の実施については難色を示した。

これに対し弁護団は「陳述書は生の声ではなく、補完的な役割を果たすもの。本人尋問は価値が違う」と反論。

「個人の尊厳にどう関わるのか、深刻な人権侵害かどうかは、本人たちの話を聞かなければわからない」と述べて、当事者尋問をするよう強く求めた。

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当事者尋問はなぜ大切なのか。弁護団によると、意見陳述は法的な証拠にならないという。

中川重徳弁護士は、「訴訟が高等裁判所にいった場合、原告の意見陳述は証拠として残らない。この裁判は、日本の当事者が初めて同性婚を求めて、声をあげた裁判。原告一人一人の声をきちんと記録に残すとそれがとても重要だと思っている」と話す。

また、当事者尋問は判断にも大きな影響を与える可能性があるという。

本人尋問を採用した札幌の地裁では、裁判官が「性的指向は変えられるのか」という重要な質問をした、と 寺原真希子弁護士は話す。

「我々にとっては当たり前の事ですが、裁判官は『性的指向は変えられるのかどうか』ということが気になったわけです。それを尋問で聞く事で、『性的指向は変えられない』ということを、裁判官は確定できた。もし尋問をやっていなかったら『性的指向が変えられる』という判断で進んだかもしれません。尋問はそれくらい、判断の前提に影響を与えるものなんです」

「一人一人の話を聞かないで、判断ができるのだろうか。話を聞くことこそ、裁判をやる意味だ」と、寺原弁護士は訴える。

意見陳述よりも長い時間をかけて行われる尋問の実施を、原告も求めている。

小川さんは、「私たちの言いたいこと、訴えたいことは意見陳述だけで話せることではありません。私たちの個人的な事情などを、単に夾雑物でしかないと言われたら、本当に傷つきます。何度聞いても傷つく言葉です。そういった考えかたを変えていただかずには、社会は変わらないと思います」と話す。

大江さんも「私たち以外にも、専門家の方とかも証人に呼んでほしい。東京でも、尋問を実現して欲しい」と訴える。

裁判所で裁判長に「私たちは人生をかけてこの裁判をやっているんです。話を聞いて欲しい」と訴えた原告の小野春さんは、次のように話す。

「私たちみんな、自分たちの事情を裁判所に持ってきて、裁判所は人権の砦だってことを信じて訴えている。なので、ちゃんと話を直接聞いてもらいたいです。みんな色々なことを思っている。それをきちんと、正式な場で伝えたい」




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