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井原西鶴の「世間胸算用」は…(2020年12月6日配信『毎日新聞』-「余録」)

 井原西鶴(いはら・さいかく)の「世間(せけん)胸算用(むねさんよう)」は、大みそかに借金返済に追われる江戸時代の庶民の悲哀を描いている。ある男は「自害する」と叫んで包丁を振り回し、借金取りを退散させた。後で芝居とばれるが、年越しも命がけだったようだ

▲当時はツケで買い物をして、代金は盆と暮れ、特に大みそかにまとめて払う習慣があった。今のボーナス払いに近いが、用立てられない人もたくさんいた

▲コロナ禍に襲われた今年の年末も国民の懐は厳しい。打撃の大きかった航空、百貨店、レジャー業界などは冬のボーナス5割減や8割減が相次ぎ、ゼロの会社すらある。中小企業はもっと深刻で、大阪では中小の半数が払えないという調査結果も出ている

▲住宅ローンや奨学金の返済に困るといった悲鳴が上がっている。「景気回復」のかけ声ばかり大きく、毎月の給料がなかなか増えないアベノミクスが長く続いた。ボーナスを頼りにしてきた人は少なくない

▲西鶴の生きた時代は、お金が多く出回る貨幣経済が発達し、それに伴って貧富の差も拡大した。西鶴も生活は苦しかったらしい。大みそかの借金取りに居留守を使う姿が、朝井まかてさんの「阿蘭陀(おらんだ)西鶴」に描かれている

▲今もコロナ対策として、日銀が大量のお金を世の中に出回らせている。最近の株高も金余りのためという。それだけあふれているのに、なぜ人々に行き渡らないのか。政府は近く新たな経済対策を決める。地道に働いてきた人を借金で命がけにさせてはならぬ現代の年の瀬である。



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江戸時代のバイタリティーあふれる町人の姿を描いた、井原西鶴の「世間胸算用」と「日本永代蔵」の中から親しみやすい作品を取り上げて、まんがで内容をわかりやすく表す。

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江戸前期を代表する作家・井原西鶴。彼の娘おあいは、盲目の身ながら、亡き母に代わり料理も裁縫もこなす。一方、西鶴は、手前勝手でええ格好しぃで自慢たれ。傍迷惑な父親と思っていたおあいだったが、『好色一代男』の朗読を聞いて、父への想いが変わり始める。小説を読む歓びに満ちた、織田作之助賞受賞作。

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Author:gogotamu2019
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