FC2ブログ

記事一覧

ハンセン病 文書が明らかにした“遺体解剖”の事実(2020年12月7日配信『NHKニュース』)

キャプチャ0

キャプチャ01

キャプチャ02

キャプチャ

キャプチャ1

キャプチャ2

キャプチャ02-2

キャプチャ02-1

キャプチャ03

キャプチャ3

キャプチャ4

キャプチャ5
キャプチャ6

キャプチャ7

キャプチャ8

キャプチャ9

キャプチャ10

キャプチャ11

キャプチャ12

キャプチャ13

キャプチャ13-1

キャプチャ14

キャプチャ15

全国にある国立ハンセン病療養所に少なくとも1000人以上の入所者の遺体を解剖した記録が残されていることがNHKの取材で新たに分かりました。入所する際に本人に一律に同意を求めていた療養所もあり、専門家は「本来、医学目的で行われるべき解剖が常態化していたことを伺わせるもので、国は検証のためにも全国の療養所の記録の有無を速やかに調査すべきだ」としています。

国立ハンセン病療養所で行われていた遺体の解剖をめぐってはこれまで詳細が分かっていませんでしたが、ことし9月熊本県の「菊池恵楓園」が施設などに残る資料から少なくとも389人の遺体が解剖されていたと明らかにし、元患者などからは全国の療養所での調査と検証を求める声があがっていました。

NHKが熊本以外の全国12の療養所に同様の資料が残されていないかアンケートを行ったところ、鹿児島県の星塚敬愛園で1081人、青森県の松丘保養園で少なくとも112人の解剖を行った記録が残っていたことが新たにわかりました。

現在、解剖は医師が必要だと判断すれば原則、遺族の同意のもと行うことができますが、「星塚敬愛園」では昭和40年代まで入所する際の誓約書で一律に解剖への同意を求めていたということで、NHKの取材に対し、「同意の取り方はいまから考えれば人権への配慮が不十分だったと考えられる。亡くなった場合には解剖されることが前提となっていたのではないかとみられ、のちの検証のためにも資料を残していきたい」と話しています。

ハンセン病の問題に詳しい九州大学の内田博文名誉教授は「療養所が解剖の記録の存在を認めたことは今後、医学的な目的だったのか検証していくうえで大きなステップになる。本来、医学目的で行われるべき遺体の解剖が常態化していたことを伺わせるもので、国は速やかに全国の療養所で記録の有無や実態を調査すべきだ」と話しています。

遺体解剖の経緯

国立ハンセン病療養所での遺体の解剖は、昭和24年に「死体解剖保存法」が施行される前から、医学の研究などのため同意のもとで行われていたとされています。

ただ、同意の取り方や医師の倫理観などをめぐり、これまでも問題が指摘されていました。

平成17年、国の検証会議は、入所者への聞き取りや医師の証言記録などから報告書をまとめ、解剖については「入所時に『承諾書』への署名が強要され、完全にルーチン化されていた。亡くなった患者を研究対象物として扱い、直前まで生を営んでいた人間としての尊厳は完全に無視されている」と倫理観の欠如を指摘していました。

一方で、詳しい文書に基づく調査はほとんど行われたことがなく、具体的な人数などは分かっていませんでした。

こうした中、7年前に熊本県の菊池恵楓園でかつて入所者の遺体が解剖され骨格標本が作製されていたことが明らかになり、入所者の自治会などが過去の資料に基づく全容の調査を求めました。

その結果、昭和40年までに少なくとも389人の遺体を解剖していたことや、昭和33年までは、入所時に一律で解剖に同意する「解剖願」を提出させていたことがことし9月に初めて明らかになりました。

菊池恵楓園は「法的な妥当性への配慮はあったと思われる」とした一方で、一律に解剖の同意をとっていた事実などから「患者の人権を軽視していたというそしりは免れない」としていました。

全国の療養所では

NHKが熊本県の菊池恵楓園を除く全国12の国立ハンセン病療養所に入所者の遺体の解剖に関する資料があるか尋ねたところ、7つの療養所が「ある」と回答しました。

このうち記録が残っていて人数などの詳しい状況を把握していたのは鹿児島県の星塚敬愛園と青森県の松丘保養園の2つの療養所です。

星塚敬愛園は、解剖した入所者1081人の名簿や医師の所見が書かれた「解剖録」などが残されていて、昭和10年に設立されて以来、平成15年までに行われたすべての解剖を把握しているとしています。

また、昭和40年代までは入所する際に一律で死後の解剖について本人に同意を求めていたことや、解剖後の遺体の扱いを医師が入所者に任せていた可能性があることも分かりました。

松丘保養園は、記録が残る昭和25年以降昭和60年にかけて、少なくとも112人の解剖が行われ、その名簿や結果の記録などもあるということです。

このほか群馬県の栗生楽泉園、東京都の多磨全生園、岡山県の長島愛生園はいずれも解剖の同意書は保存されているものの、具体的な人数は把握できていないとしています。

岡山県の邑久光明園は保存されているカルテについて、今後、入所者の自治会や外部の専門家などでつくる委員会で調査を行うほか、ほかにも資料が残されていないか調べるなどして実態把握を進めるとしています。

宮城県の東北新生園はカルテが残されていますが、「入所者の自治会から“過去のことに触れて欲しくない”という思いを聞いており、調査は考えていない」としています。

そのほかの療養所は解剖に関する記録がない、または不明などと答えています。

入所者「同意するしかなかったと思う」

鹿児島県の星塚敬愛園で自治会長を務める岩川洋一郎さん(83)は、11歳の時にハンセン病になり、家族と別れて入所しました。

戦後間もなかった当時の療養所について「病気を治す場所のはずなのに医師や看護師が非常に少なく、患者が労働もさせられ『収容所』だと感じた。職員から解剖の誓約書に署名してくださいと言われれば当たり前のこととして同意するしかなかったと思う」と振り返りました。

一方で、「差別や偏見を受け続けた人生の中で『国や社会のために役に立てることがあるなら』と解剖を受け入れた人もいたのではないか」と入所者が抱いていた複雑な思いを明かしました。

そのうえで、「当時、療養所で何が行われていたのか、人々は知る必要がある。そのためにも、当時の記録が記された資料は療養所で大切に保管してほしい」と話していました。

厚労省「倫理上の問題ある 」

国立ハンセン病療養所で行われていた遺体の解剖について、厚生労働省は「同意があったとしても遺体を丁寧に扱い、尊厳を守るべき立場から倫理上の問題があり誠に遺憾と考えている。過去の過ちを教訓として引き続きハンセン病問題の解決に努めたい」とコメントしています。




スポンサーサイト



プロフィール

gogotamu2019

Author:gogotamu2019
障害福祉・政治・平和問題の最新ニュース・論説紹介

最新記事

カテゴリ