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政府への要求強める公明も、高齢者医療問題では苦境 首相強硬に戸惑い(2020年12月7日配信『産経新聞』)

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政府与党連絡会議後、記者団の取材に応じる公明党・山口那津男代表=7日午後、首相官邸(春名中撮影)

 公明党は9月の菅義偉政権発足以降、「前例踏襲打破」などの改革を前面に押し出す首相の政治姿勢に乗じ、政府への要求を強めてきた。首相と関係が近いこともあり、衆院広島3区には与党内の調整を待たずに公明候補の擁立を決めるなど連立を組む自民党に強気で臨む場面も目立つ。ただ、75歳以上の後期高齢者の医療費窓口負担をめぐる問題では首相に要望をはねつけられ、厳しい状況が続いている。

 「政府、与党での最終的な合意形成が重要だ」

 公明の山口那津男代表は7日の政府与党連絡会議後、記者団に対し、後期高齢者の医療費窓口負担を1割から2割に引き上げる問題をめぐり、政府と自民党だけで議論をまとめないよう牽制した。

 公明は当初、対象者の年内決定先送りを求め、「首相も年内に決めるつもりはない」(公明幹部)とみていた。首相が掲げる携帯電話料金の引き下げや不妊治療の助成制度拡充などが公明の長年の主張と重なり、「首相とは考え方が近い」(別の幹部)と高をくくっていた面もある。

 ところが、首相は対象者の所得基準を単身世帯で「年収170万円以上」とする考えを変えず、公明は3日、山口氏と竹内譲政調会長らが断続的に協議し、対象者を絞った「年収240万円以上」で交渉する方針を決めた。「ぎりぎりのライン」(幹部)まで折れる大きな譲歩だった。

 竹内氏が4日、田村憲久厚生労働相や自民の下村博文政調会長らとの会談で案を説明すると、自民側から「公明案でもいい」と賛同する意見も出たが、その後も首相の方針に変化はない。公明幹部からは「首相の腹が読めない」と戸惑いの声も漏れる。

 高所得層に子供1人当たり月額5千円を支給する児童手当の「特例給付」をめぐっても、廃止を検討する政府に公明は反発。「どれもこれも反対では立場が厳しくなる」。政府内には冷ややかな見方が広がる。

 衆院広島3区でも、参院選広島選挙区をめぐる買収事件で広がった「政治不信」を理由に、元法相の河井克行被告=公職選挙法違反の罪で公判中、自民党離党=に代わる候補として斉藤鉄夫副代表=衆院比例中国=の擁立を決めた。自民が候補者の選定手続きを進める中での決定は、選挙協力に影を落とす。

 それだけに、医療費の窓口負担をめぐっては、自民から「(公明に)お灸を据えたほうがいい」(閣僚経験者)との声も出ている。(力武崇樹)




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