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北海道・旭川襲った「コロナ感染爆発」は全国で起きうる 「対応を上回るスピードで感染拡大」(2020年12月9日配信『AERA.com』)

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コロナ重症患者の治療にあたる東京医科歯科大学病院のスタッフ。収まらない第3波に医療現場は崩壊の危機にさらされている(画像を一部加工しています)(写真:東京医科歯科大学病院提供)

 新型コロナの第3波が到来。全国で感染者が急速に増えている。受け入れ数の増加で医療崩壊の危機が迫っている。AERA 2020年12月14日号から。

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「様々な不条理や疑問を感じるところもございましたので、その概略についてここに明らかにしておきたいと思います」

 北海道旭川市で大規模なクラスターが起きた「吉田病院」の吉田良子理事長が12月1日、病院のホームページでその経緯を突如、公表した。

 旭川市では新型コロナの感染者は市内五つの基幹病院に入院させることになっていて、同病院はその中には入っていない。

 吉田理事長の主張には、旭川市保健所や旭川市、地域医療の中核となる旭川医大病院への厳しい批判も含まれ、関係者を驚かせた。

■体制整備上回るペース

 旭川市は人口約33万人を抱える道内第2の都市だが、10月末までの感染者は50人に満たなかった。歓楽街・ススキノがある札幌市で感染爆発が起きていたのも、対岸の火事だったかもしれない。

 ところが、11月に入って吉田病院でクラスターが発生すると、状況は一変した。「五つの基幹病院」の一つだった旭川厚生病院でもクラスターが起きた。

 地域医療が危機を迎えるのは、突然だった。基幹病院の一つ、市立旭川病院で感染者を診る柿木康孝副院長はこう話す。

「感染者は五つの市内基幹病院で受け入れる体制にしていましたが、体制を整えるよりもクラスターの発生の方がスピードが速く、一気にキャパシティーを超える勢いでした。このため当初は吉田病院から患者さんを受け入れていましたが、感染の速度が勝って吉田病院にも患者がたまっていきました」

 その市立旭川病院でも、コロナの感染者用に確保していた最大11床のベッドを、一般病棟(小児科、泌尿器科などの混合病棟)を空けて35床にまで増やした。さらに入院患者を通常の70%程度に制限し、外来診療も緊急でなければ受診を控えるよう呼びかけている。

「これは、どの町にも起こり得ることだと考えておくべきです」(柿木副院長)

■7都道府県で40%以上

 予想通りに冬場に訪れた感染拡大。12月1日現在の累計感染者約14万8千人のうち、約3分の1は11月が占めている。月別で最も死者数が多かったのは5月の477人だが、11月も373人と2番目だ。

 都道府県ごとに医療機関の逼迫の度合いはどうなっているのか。厚生労働省が新型コロナ対応病床の状況を公表している。

 11月25日現在で、新型コロナ向けに確保した病床の使用率が最も高いのは兵庫県の68%。分母となる病床の数え方が都道府県によって異なるなど単純な比較はできないが、同県で約1カ月前の10月28日には使用率17%だったことを考えれば、感染者の増え方は明らかだ。

 55%の大阪府では、重症患者の専用施設ができたものの看護師確保のめどが立たない。府内の病院でコロナ患者を担当する30代の看護師はこう話し、危機感をあらわにする。

「第3波では入院の時点ですでに症状が重く基礎疾患がある患者さんが優先されています。一定期間内で亡くなる患者さんもこれまでより多い」

 一方、東京都は40%だ。ただ、地域や医療機関によって事情は異なる。

 集中治療室(ICU)の7床を重症患者の治療にあてている東京医科歯科大学病院では、11月に入ると受け入れ数が増え、最近では常に埋まった状態が続く。感染者の受け入れができないケースも多く、患者のほとんどが人工呼吸器やECMO(エクモ=体外式膜型人工肺)を付けているため、管理のために必要な要員が多く現場の疲弊が続く。(編集部・小田健司)

※AERA 2020年12月14日号より抜粋




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