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(論)コロナと学生・学校に関する論説(2020年12月11日・2021年4月23日)

大学生の困窮 中退防ぐ支援を充実させたい(2021年4月23日配信『読売新聞』-「社説」)

 新型コロナウイルス流行の影響で経済的に困窮し、学業の継続に支障をきたす大学生が増えている。学生が意欲を失わないよう、学びや生活への支援を充実させる必要がある。

 文部科学省によると、昨年4~12月、コロナ禍を理由として全国の大学や短大を中退した学生は1367人に上った。休学も4434人いた。経済的困窮や学生生活の不適応、修学意欲低下を理由として挙げる人が多かった。

 コロナ禍が長引くにつれて、中退者や休学者は増えており、深刻な事態だと言えよう。

 地方から首都圏の私立大に入学した学生への仕送り額は昨年度、月平均8万2400円だった。私大の教職員組合連合が1986年度に調査を始めてから最低の額で親の収入減が原因とみられる。

 仕送り額は90年代半ばをピークに減っており、生活費をアルバイト収入で補う学生が多い。コロナ禍で飲食店などの営業が制限されてバイト先を失い、十分な食料品や生理用品さえ買えないといった悲鳴に近い声が聞かれる。

 経済的に困難な学生を対象として、多くの大学が授業料の納付を猶予したり、減免したりする措置を取っている。だが、減免の対象者は限られており、制度を知らない学生もいる。大学は支援策を拡充し、周知することが大切だ。

 政府も、大学への財政支援を手厚くし、学生を経済的に支えられるよう、後押しすべきだ。

 一部の自治体では、在住の学生や他地域にいる地元出身の学生に米などを送ったり、独自の奨学金を創設したりしている。大学が格安で食事を提供する活動も行われている。工夫を凝らし、こうした取り組みをさらに広げたい。

 学ぶ意欲を失う学生が少なくないのは心配だ。感染予防でオンライン授業が増え、教員や同級生らと直接交流する場や、サークル活動に参加する機会が減っていることが背景にあるとされる。

 ストレスで精神的に孤立し、学業を続けられなくなる学生もいる。大学側は、地域の感染状況を見極めながら、教職員や学生との交流を促してほしい。

 大学側が定期的に学生と連絡を取り、生活や経済状況に問題がないかを聞き取って、適切に助言することも重要だ。一人一人に情報が行き届くよう、きめ細かい相談体制を整えてもらいたい。

 感染の収束が見通せない中、学生にとっては厳しい状況が続く。政府や大学は長期的な視野で対策を検討すべき時期に来ている。





コロナ下の学校 現場の負担減急ぎたい(2020年12月11日配信『北海道新聞』-「社説」)

 コロナ感染の拡大に歯止めが掛からず、児童や生徒に向き合う教職員の負担が増している。

 春先の長期休校によって失われた授業時間を、取り戻す必要が生じ、過密な授業日程を続ける学校は今もなお多い。

 感染防止は喫緊の課題だ。教室や設備の消毒に加え、「3密」回避の取り組みが恒常化する。その努力にもかかわらず、学校での集団感染が相次いでいる。

 コロナ禍により、経済不安に直面する家庭は少なくない。しわ寄せを受ける子供たちへの目配りは欠かせない。

 とはいえ、現場の踏ん張りにも限界があろう。教員の負担を軽減し、子供たちの豊かな学びを保障するため、国はあらゆる手だてを講じるべきだ。

 新型コロナウイルスの感染が急拡大した今秋以降、道内の小中学校や高校で学級・学年閉鎖や休校が多発している。

 現場の教職員は感染防止などの対応に追われ、再開後は通常授業を終えてから、補習などにも取り組まなければならない。

 文部科学省は、校内で感染者が出た場合でも感染拡大の可能性が低ければ休校は不要とした。だが、最優先するべきは子供の健康だ。可否の判断を現場に委ねるのは酷ではないか。

 北教組の調査によると、道内教員の1カ月の平均残業時間は約55時間で、国が定める上限(45時間)を超えた教員が6割近くいた。

 日本の教員は長時間労働が慢性化している。コロナ禍が拍車を掛けたとみるべきだろう。教員や学校支援員の増員など現場を支える対策を急ぐ必要がある。

 経済的困窮で学習の継続が難しくなった子供へのサポートを忘れてはならない。入試が近づき、不安を募らせる受験生の相談やケアの態勢も整えてほしい。

 教育界からは少人数学級の導入を望む声が強い。コロナ感染防止や教員の負担軽減につながるとの期待からだ。

 義務教育での1学級の上限人数は1980年度以降40人となり、2011年度から小学1年のみ35人となった。

 文科省は30人学級の実現を求め、自民党教育再生実行本部も後押しする。一方、財務省は教育効果について科学的な根拠が乏しいとして否定的だ。

 教員の働き方の見直しとともに、重要なのは子供の健やかな成長に資する環境を整えることだろう。議論を深めたい。




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Author:gogotamu2019
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