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複数の「病床使用率」、深刻さ伝わりづらく 専門家「実態にあった数値を」(2020年12月12日配信『産経新聞』)

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新型コロナ患者専用病院として運用される旧都立府中療育センターの病室=2日、東京都府中市

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、医療体制の逼迫(ひっぱく)度合いを示す「病床使用率」に複数のデータが存在し、現状の深刻さが伝わりにくいとの声が出ている。国と一部の自治体の間で、病床数の捉え方や重症者の定義が異なるのが要因で、専門家は「住民に危機感を持ってもらうためにも、実態にあった数値を出すべきだ」と指摘する。

 厚生労働省が公表した8日時点の東京都の病床使用率は46・3%。4000床の確保病床が1851人の入院患者で埋まる計算だ。国の資料ではこのデータが使われる。一方、都は同日の確保病床を2640床(現在は3000床)としており、これがベースだと、使用率は70・1%に跳ね上がる。

 重症者に限ると、もっと複雑になる。厚労省のデータでは確保病床500床に対し、重症者が275人で、使用率は55%。ところが、都の発表では病床150床(現在は200床)、重症者60人で使用率は40%にとどまる。

 こうした食い違いは、厚労省の確保病床がピーク時の想定数なのに対し、都は医療機関から現状確保できる報告数を積み上げていることで生じる。都の担当者は「遅くとも1日、2日で準備し、入院できる病床のことを指す」と説明する。

 重症者の数の乖離(かいり)も国と都で定義が異なるためだ。都は人工呼吸器か人工心肺装置(ECMO(エクモ))の使用者に限るが、国は集中治療室(ICU)に入った人も加えている。「都は都の基準で対策を練っているので、定義を変更するつもりはない」(都の担当者)。

 一方、重症者の増加に歯止めがかからない大阪府が「現状を知ってもらうため」として公表するのが、「確保病床」と直ちに使える「即応(実運用)病床」という2つの指標だ。11日時点で重症者の確保病床(206床)の使用率が75・2%なのに対し、即応病床(188床)の使用率は82・4%と厳しさを増す。

「専門家から即応病床で示すべきだと指摘され、より厳しい数字で示している」。即応病床のみを公表している静岡県の担当者はこう話す。8日時点の342床に対する使用率は48%。重症者用29床の使用率では44・8%に達し、厚労省のデータ(17・8%)より20ポイント以上も高くなる。

 都にも即応病床の公表を求める声があるが、「医療機関から毎日受け入れ可能人数の報告があるが、実態を正確に表した数字ではなく、入院調整を行う際の目安だ。日々増減しており、仮にそれを上回る重症者が出ても入院調整で受け入れてもらう」(都幹部)。

 東京医科大の濱田篤郎教授(渡航医学)は「現状では東京と大阪の医療体制を正確に比較できない。病床使用率は自治体や住民にとって医療の逼迫度合いを知るのに大事な数値であり、全国的に基準を統一したほうがいい」としている。




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