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暑さに負けない水分補給 経口補水液の上手な使い方とは(2019年7月22日配信『朝日新聞』)

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 のどを潤す飲み物がおいしい季節を迎えた。私たちの体は6割ほどが水。体内の水分が減ると「脱水」状態になり、血液がドロドロになって栄養分や老廃物を運びづらくなるほか、汗をかきづらくなって体温調節が難しくなる。熱中症にもなりかねない。
 体重の2%の水分が失われるとのどが渇き始める。5%を超すと嘔吐(おうと)や意識障害を起こす。高齢者は体内の水分量が少ない上、のどの渇きも感じづらくなるとされるので、水分補給にはより気を使いたいところだ。

 激しいスポーツや炎天下での作業をしないような日常生活の水分補給には、「まずは食事が大事」と早稲田大学の永島計教授(環境生理学)は言う。私たちの体は1日に2・0~2・5リットルの水分が出入りしており、しっかり3食をとれば、このうち0・5~1・0リットルを補えるという。

 ご飯やパン、汁物、おかずをバランスよく食べることで、様々な栄養も一緒に体に入る。人の体は就寝時も呼吸や皮膚からの蒸発、発汗によって水分が失われるので、「朝食を抜くことは特に危ない」と永島さんは指摘する。

 では、食事以外の1・5~2・0リットルは、どうとればいいのか。人には大量の水をためる機能はないので、こまめに飲むことが大事だ。コーヒーは「カフェインの利尿作用で、尿の量が増える」とも言われるが、実は科学的根拠はないという。「1日に5杯程度までなら、カフェイン中毒の心配はない」。アルコールには利尿作用があるほか、体内で分解される時に脱水作用が起きる。「ビールをゴクゴク飲むのは最初の1杯までにして、2杯目からは水と交互に飲みましょう」

 水分や塩分が汗として大量に失われる激しい運動時や、屋外で活動をする時は、スポーツドリンクや経口補水液がよい。ナトリウムなどの電解質や糖質を補給できて小腸からの吸収効率もよく、体内で水分が保持される。ただ「通常の日常生活ではそこまで意識しなくても心配ない」という。

 とはいえ、最近はスーパーやドラッグストアの店頭にも経口補水液が並び、つい手に取りたくなる。経口補水製品の市場規模は、2015年度の71億円から18年度には113億円に伸びた。14年から経口補水製品「アクアソリタ」を販売する味の素(本社・東京)家庭用事業本部の郷家(ごうけ)敏・ニュートリションケアグループ長は「猛暑だった昨夏は、多くの問い合わせをいただいた」と振り返る。熱中症の治療や予防効果が知られるようになり、関心が高まったとみている。

 スポーツドリンクは電解質も含むが、運動時のエネルギー補給が主な目的で、糖質が多めなのが特徴だ。一方、経口補水液は体液の成分に近い電解質と糖質を補給でき、もともとは発展途上国で感染症による脱水の治療に使われていた。

 経口補水液の電解質や糖質の量は、メーカーによって異なる。味の素の場合、電解質の濃度は体液よりやや低く、糖質との割合によって吸収効率を上げている。塩分量の多いものほど深刻な脱水などの緊急時に向くが、同社のものは日常でも飲みやすいのが特徴という。

 市販の経口補水液は500ミリリットルのペットボトルで180~200円程度。ほかの飲料に比べてやや高価だが、「経済性も考慮しながら、必要に応じて日常の水分補給の一助にしてもらえれば」と同グループの福山晶美(てるみ)さん。夏バテで食欲が落ちた時や、お酒を飲んで寝る前などがお薦めだという。血圧が高く塩分制限が必要な人は、「成分表で塩分量を確認して飲んでほしい」としている。




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