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【TOKYOまち・ひと物語】手話で注文するスタバ、国立市に日本初

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スターバックス「nonowa国立店」で、手話を使って接客する店員の佐藤涼太郎さん=10月、東京都国立市

 コーヒーを注文しようとレジ前に立つと、マウスシールドを付けた女性従業員がにっこり笑い、メニューを手で示す。「私は耳が聞こえません I am Deaf」とペン書きされている。「スターバックスnonowa国立店」(国立市)は手話が主なコミュニケーション言語となる「サイニングストア」。従業員23人のうち、18人が聴覚障害を持つ。全国初、世界5番目の店舗として、今年6月にオープンした。(飯嶋彩希)

表・筆談ボード


 JR国立駅の改札を出て目の前にある店は、平日の昼過ぎでも混み合っている。おしゃべりを楽しむ客やBGMでにぎやかな店内は、一見、日頃よく知るスタバと変哲はなさそう。手話ができなくても、商品の種類やサイズ、ホットかアイスなどを選べる指差し表に従って注文できる。ラテを注文し、「おすすめのカスタマイズを教えてください」と筆談ボードで伝えると、快く筆談で応じてくれた。他店では注文した商品を声掛けで客に渡すことが多いが、ここではデジタルボードに注文番号が表示されて受け取る方式となる。

 レジ以外にも、健常者とろう者が心地よく働ける工夫が随所に施され、他の店と比較し照明は明るく、カウンターも腰の位置までと低めにしている。これは指差し注文や筆談をより円滑にするためのものだ。

 サイニングストアの計画が始まったのは平成29年。海外店舗がオープンしたことから、日本でもという声が社内のろう者社員を中心に上がった。企画当初から参加していた同店店長の伊藤真也さん(38)は「本当にやれるのかと思っていたが、やってみると、普通の店と全く同じにできた」と話す。

 都内や神奈川県の複数店舗で約2年間、数時間限定などで試験導入を重ねた。注文に手間取るなどの不安はあったが、大きな混乱は一度もなかった。導入期間中にろう者の従業員一人一人が作った指差し表は現在に引き継がれ、タイマーを振動タイプに変更するなどの工夫を経て今回のオープンに至った。ろう学校が近くにある文教地区で、国立市は障害者にやさしいまちづくりを推進していることが出店のカギとなった。

自分らしく働く

 スターバックスで働き始めて13年目になるアルバイトの吉澤嘉恵さん(51)は、学生時代から接客業に憧れていたが、「(ろう者だと)できないと強く思い込んでいた」と振り返る。育児中、ベビーカーを押してスターバックスに来店した際の接客に感動し、同社で働きたいと志望した。ただ、他店では心ない言葉をかける客もいて「同じ経験をしてきた人は多い」と話す。

 同店では健常者も含めて従業員同士は手話で会話することが多い。「会話に参加しづらいこともなく、気兼ねなく働ける」と職場の楽しさを語る。「元々、お話しするのが大好き。接客業に就くのは大きな夢だった。お客さまに時間があれば、お話ししたい」

 サイニングストアを増やすことについて、同社は今のところ検討していない。各地にできた方がいいのでは-という質問には、こう返答があった。「ここで経験したパートナー(従業員)が持ち帰って広めてくれる。サイニングストアという特別な場所をつくらなくても、誰もが自信を持って自分らしく働く環境にできると考えています」




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Author:gogotamu2019
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