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(論)ハラスメンに関する論説(2020年12月16・18日)

「マスクの着用を客にお願いした…(2020年12月18日配信『山陽新聞』-「滴一滴」)

 「マスクの着用を客にお願いしたが拒否され、食べていたお菓子を散らかす、机をたたくなどの行為を繰り返された」のはホテル・レジャー施設の従業員。「レジで商品をスキャンする際、ペットボトルのふたの部分を持ったところ『汚い手で触るんじゃねえ!』と怒鳴られた」のはドラッグストアの店員

▼新型コロナに関連して従業員が客から理不尽な嫌がらせを受けた「カスタマーハラスメント(カスハラ)」の事例だ。流通やサービス業の従業員が加盟する労働組合UAゼンセンが先日発表したカスハラに関する調査結果には、こんな実態が記されている

▼調査は7~9月に組合員約2万6千人に実施。5人に1人がコロナ絡みのカスハラを受けていた。「品切れ時に『どうにかしてマスクを買ってきて並べろ』と八つ当たりされた」などマスクに関する迷惑行為が目立ったという

▼コロナに限らず、過去2年間の被害を聞くと、体験者は約6割に上った。精神疾患を発症したり退職に追い込まれたりと深刻な影響も少なくないとされる▼調査によると加害者の7割強は男性で、推定年齢も50代以上が7割だった。以前コンビニで見掛けた、店員を大声で叱りつけていた高齢男性の姿を思い出す

▼年末に向け、気ぜわしさが増す時季だ。わが心はささくれ立っていないか。胸に手を当ててみる。





[ハラスメント] 社会全体で根絶したい(2020年12月16日配信『南日本新聞』-「社説」)

 厚生労働省は12月を「職場のハラスメント撲滅月間」と定め、啓発を進めている。事業者と労働者がハラスメント防止の必要性や法令について、理解を深める機会にしたい。

 職場での対策強化を柱とする「女性活躍・ハラスメント規制法」が6月に施行されて半年が過ぎた。同法は、優越的な関係を背景にしたパワーハラスメント(パワハラ)、性的な嫌がらせのセクシュアルハラスメント(セクハラ)、育児や妊娠・出産を巡るマタニティーハラスメント(マタハラ)を「行ってはならない」と明記している。

 ハラスメントは個人の尊厳を踏みにじり、人格を不当に傷つける許されない行為である。職場はもとより、社会全体で根絶へ取り組みを進めたい。

 鹿児島労働局によると、鹿児島県内の労働者と事業者の民事上の個別労働紛争に関する相談のうち、2019年度はパワハラを含む「いじめ・嫌がらせ」は1430件で全体の3割を占めた。過去6年間ずっと相談内容のトップで、件数も最多となった。

 相談件数が増えたのは、社会的にパワハラへの認識が進んだことが背景にあるとみられる。ただ、公的機関に寄せられる相談は氷山の一角だろう。

 規制法は企業に対し、初めてパワハラ防止対策を義務付けた。相談体制の整備や被害者のケアを求めている。

 厚労省はパワハラについて、身体的・精神的な攻撃のほか、人間関係からの切り離し、過大・過小な要求、個の侵害が該当するとしている。こうした言動が、職場での優越的な関係を背景に行われ、業務上必要かつ相当な範囲を超えて、労働者の就業環境が害された場合がパワハラに当たるとした。

 経営者や管理職にある人は、ハラスメントは違法であると認識し、適正な業務指示や指導に努める必要がある。問題に対処する姿勢によって、企業の体質が問われることを肝に銘じておきたい。

 顧客が従業員に威圧的な言動や理不尽な要求を突き付けるカスタマーハラスメント(カスハラ)も問題化している。規制法の指針は雇用主にカスハラのマニュアル策定や研修を求めているが、個々の対応には限界があろう。厚労省は具体的な基準や対応方法などの手引を早急に示してほしい。

 性的指向や性自認、病歴、不妊治療という個人情報に関してもハラスメントにつながることがあり、配慮が欠かせない。本人の了解を得ずに性的指向などを暴露する「アウティング」について「人格権を著しく侵害する行為」と認定する高裁判決も出ている。

 新型コロナウイルス禍で多くの人がストレスを抱えているだろう。人間関係が疎遠になりがちなときこそ、互いを尊重し合い、ハラスメントのない社会を目指すことが重要である。









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Author:gogotamu2019
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