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建設アスベスト訴訟 最高裁が上告退ける 国の賠償責任 初確定(2020年12月16日配信『NHKニュース』)

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建設現場でアスベストを吸い込み、肺の病気になった東京などの元作業員らが健康被害を訴えた集団訴訟で、最高裁判所は国の上告を退ける決定をし、全国の集団訴訟で初めて国に賠償責任があるとした判断が確定しました。

建設現場で働いていた元作業員や遺族が建材のアスベストを吸い込んで肺がんなどの病気になったとして、国と建材メーカーに賠償を求めた集団訴訟のうち、東京や埼玉などに住むおよそ350人が訴えた裁判では、2審の東京高等裁判所がおととし、対策を怠ったとして国に対して22億8000万円余りの賠償を命じた一方、建材メーカーの責任については認めませんでした。

最高裁判所第1小法廷の深山卓也裁判長は16日までに、国の上告を退ける決定をし、国に賠償責任があるとした判断が全国の集団訴訟で初めて確定しました。

個人で仕事を請け負う、いわゆる「一人親方」の被害についても国の責任が認められたことになります。

一方で、元作業員側の上告のうち、賠償額に不服があるとした部分については退け、国の賠償額を22億8000万円余りとした判断が確定しました。

厚生労働省によりますと、建設アスベストの健康被害を訴えた集団訴訟は、これまでに全国で20件余り起こされ、原告は1100人以上に上ります。

国に賠償責任があるとした判断が確定したことは、ほかの裁判の審理や国による救済の在り方にも影響を与えることになりそうです。

また、最高裁は建材メーカーの責任について、元作業員側の上告を受理し双方の意見を聞く弁論を来年2月25日に開くことを決めました。

弁論は2審の判断を変える際に必要な手続きで、建材メーカーの責任を認めなかった2審の判断が見直される可能性が出てきました。

厚労省「重く受け止める 今後の対応は協議検討したい」

厚生労働省石綿対策室は「元作業員や遺族の方に対して、国の損害賠償義務が認められたことについて重く受け止めています。今後の対応については関係省庁と協議、検討をしていきたい」とするコメントを出しました。

争点と最高裁の審理状況


【建設アスベスト訴訟とは】


建設現場でアスベストの健康被害を受けたとして元作業員らが国や建材メーカーを訴える集団訴訟は、平成20年から全国の裁判所に相次いで起こされました。

厚生労働省によりますと、これまでに全国で20件余り集団訴訟が起こされ原告は1100人以上に上ります。

アスベストはかつて断熱材として住宅やビルに広く使われていましたが、吸い込んで肺に取り込まれると10年以上の潜伏期間の後、肺がんなどを発症することが分かっています。

元作業員らは、国がアスベストの危険性を認識しながら保護マスクの着用を義務づけることや、アスベストを使った建材の製造を禁止するといった安全対策を怠ったと国を訴えました。

また、アスベストを含む建材を製造していたメーカーに対しても、危険性を警告する義務を怠ったと訴えました。

【争点と経緯】

全国で起こされた裁判では、各地の地裁と高裁で国の賠償責任を認める判決が続いています。

一方で、
▽国がいつの時点で危険性を認識したのかや、
▽個人で仕事を請け負ういわゆる「一人親方」に対して賠償責任があるのか、それに
▽建材メーカーに賠償責任があるのかが、大きな争点となり各地の判決で判断が分かれました。

建材メーカーの賠償責任については大阪高裁がおととし、業界内でのシェアが高かった企業10社に対して賠償を命じるなどして、賠償責任を認める判断が増えてきています。

【最高裁の審理状況】


最高裁判所には5件の集団訴訟が上告され、このうち4件を第1小法廷が担当しています。

この4件は、1審の時に東京、横浜、大阪、京都の地裁に起こされた裁判で、2審でいずれも国の責任が認められました。

最高裁第1小法廷はまず、このうち横浜の裁判について上告を受理し、ことし10月に双方の意見を聞く弁論を開きました。

横浜の裁判では、2審が一人親方については国の責任がないと判断していましたが、最高裁の弁論ではこの点について双方が主張を述べました。

最高裁の弁論は判断を変更する際に必要な手続きで、横浜の裁判では2審の判決が見直される可能性が出ています。

判決言い渡しの予定はまだ決まっていません。

次に最高裁が動きを見せたのが、今回の東京の裁判です。

今後、最高裁が統一的な判断を示す可能性があり、救済の幅が広がるか注目されます。

弁護団長「ようやく決着 政治主導で救済策を」

原告の弁護団長を務める小野寺利孝弁護士は「最初に訴えを起こしてから12年という長い年月がかかり、元作業員が次々と亡くなっていく中、ようやく国との間で決着がついた。救済につながったことは大きな喜びだ。建設現場で働き、裁判に訴えた人は、ごく一部に限られ、毎年多くの被害者が出続けている。多くの潜在的な被害者にこれ以上、裁判を起こさせるのではなく国は最高裁の判断を真摯(しんし)に受け止めて、政治主導で救済策をつくってほしい」と話しています。




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gogotamu2019

Author:gogotamu2019
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