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「すでにぎりぎり」福岡の医療現場 第3波、重症者や高齢患者が増加(2020年12月17日配信『西日本新聞』)

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看護師が患者に付きっきりで対応する福岡大病院ECMOセンター=15日午後、福岡市城南区(撮影・穴井友梨)

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福岡大病院ECMOセンターで重症患者の治療にあたる医師や看護師=15日午後、福岡市城南区(撮影・穴井友梨)

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福大病院ECMOセンターの病室から出て防護服を脱ぐ看護師=15日午後、福岡市城南区(撮影・穴井友梨)

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 新型コロナウイルス感染の「第3波」が九州でも拡大し、最前線で治療に当たる医療現場から「すでにぎりぎり」との悲鳴が上がる。福岡県では16日、1日の感染者が141人となり、過去最多の169人(7月31日)に迫る勢いで増えている。県が発表する病床稼働率は15日時点で39・2%と余裕があるように見えるが、「実際に使える病床はもっと少ない」との指摘もあり、緊迫感は日に日に高まっている。

 福岡市にある福岡大病院ECMO(エクモ)センター。高度治療室(HCU)には重症患者4人のベッドが横一列に並んでいる。

 人工心肺装置エクモを装着し、麻酔で眠る男性は入院して約1週間。首の管から血液を出し、酸素を加えて太ももの管から体内に戻す。看護師が誤嚥(ごえん)性肺炎を防ぐため、口の中をブラシで手入れし、足が壊死(えし)しないように布団をめくって足の甲の血流を確認した。

 エクモが必要な重症患者を受け入れる4床は今月上旬から満床が続く。患者1人に1人以上の看護師が付き、休む間もなく動き回る。担当する看護師(31)は「患者さんの変化や機器の異常にすぐに気付けるように常に気を張っている」と明かし、感染防護の重装備で「冬でも汗をびっしょりかくこともある」。高機能マスク「N95」は圧迫感が強く、2~3時間前にHCUを出たという看護師の顔にはまだ痕が残っていた。

 ECMOセンターの星野耕大医師によると、容体が落ち着いて転院しても、すぐに新たな患者が入ってくる。「今以上の感染拡大を医療現場が受け止められるのか」と危機感を募らせる。

 北九州市立八幡病院では感染者用の20床のうち17床(16日午前)が埋まっている。数日前は満床だった。高齢者の入院も多く、食事の介助や見守りに通常以上の人手が必要となる。伊藤重彦院長は「ぎりぎりの人員で何とかやっているが、医師や看護師の疲労感も高まってきている」と漏らす。

   ◇   ◇

 福岡県が確保しているコロナ病床は551床で、うちすぐに入院可能なのは312床。12日に県独自の「コロナ警報」を出し、残り239床も受け入れ準備を急ぐ。県保健医療介護部の白石博昭医監は16日も複数の病院を訪ねて、追加の受け入れ協力を依頼した。「危機感を持っているが、予定通り準備は進んでいる」と説明する。

 一方、九州大病院グローバル感染症センターの下野信行センター長は「551床全てで受け入れるのはかなり難しいのでは」と懸念する。人手が足りなかったり、他の疾患の患者で埋まっていたりする病院も多く、現状は一部の病院に患者が集中している。

 下野センター長によると、「ここ2、3カ月を乗り切れば」と通常医療をストップしていた第1波と違い、収束が見えない中、通常診療を続けながらコロナ対応をしなければならないため、現場の負担感は増している。第3波は、第2波と比べて高齢者の感染が目立ち、入院者数の割合が伸びている。「今後も高齢者施設などでクラスター(感染者集団)が相次げば、一気に病床が足りなくなる恐れもある」と警鐘を鳴らす。

 (斉藤幸奈、下崎千加)




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