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障害者と母の心つないで 音楽療法倶楽部「おもちゃ箱」、活動7年で80回 兵庫(2020年12月18日配信『毎日新聞』)

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「音楽療法倶楽部『おもちゃ箱』」では、障害を持った参加者が協力し合うゲーム感覚のプログラムも=兵庫県三田市で2020年11月30日午後5時28分、岸桂子撮影

 障害のある子と母親が集い、音楽療法士の指導のもと音楽に親しむ「音楽療法倶楽部(くらぶ)『おもちゃ箱』」が、21日で80回目となる。2013年6月から兵庫県三田市内でおおむね月1回開いてきたが、今年はコロナ禍に見舞われ4カ月間休みに。参加者とスタッフは今、共に過ごす時間の大切さを実感している。【岸桂子】

 「おもちゃ箱」を主宰するのは音楽療法士の萩野由美子さん(67)=神戸市。10年ほど前、障害のある子供を育てる三田市の母親から相談されたことを機に「不安を抱えたお母さんたちが元気になってほしい」と、親子参加方式で始めた。現メンバーは同市など阪神地域に住む7組。「子」は小学4年から20代まで、自閉症やダウン症など障害の種類や程度もさまざまな男女が集う。

 11月末にあった第79回はストレッチから始まり、楽器を手にしたり、歌ったり踊ったり。「子」全員が参加するゲーム形式の遊びも。

 終盤は、ハンドベルなどを持った親子が共に音を奏で、全員で1曲を演奏した。1時間で流れる楽曲は、今流行のJポップから童謡、懐かしの歌などバラエティーに富む。

 車椅子生活を送る森郁美さん(28)の母春美さん(56)は「郁美の心から楽しそうな笑顔や積極的に手を挙げる姿勢をじかに見ることができるのは、この場だけ。だから私にとっても、元気が出る場所なんです」と語る。通い始めて1年ほどたった頃、郁美さんが情緒不安定な状態で「おもちゃ箱」に向かった日があったという。そんな時は、春美さんの心も重い。「それが、歌い体を動かしているうちに、私自身もふわーっと気持ちがほぐれていったんです。理屈ではなく、これが音楽療法の効果なんだ、と実感できました」

 頻繁に椅子から立ち上がり、気持ちよさそうに踊っていた常見百花さん(20)の母洋子さん(54)は、「学校を卒業すると自由に歌い走り回れる場がない。その意味でも貴重な場所」と語る。

 コロナで4カ月の休みを経た7月。萩野さんらスタッフは、親子のうれしそうな表情を見て、再開の意義を実感したという。萩野さんは「孤独になりがちなお母さんたちも歌うことでリフレッシュしつつ、『一人じゃない』と感じていただけたらうれしい。そして、ここに集う『子』たちが自信をつけて生きていることを広く知ってもらい、同じような仲間を励ましたい」と願っている。

 80回目の「おもちゃ箱」は21日午後5時から、三田市武庫が丘のフラワータウン市民センター視聴覚室で。初回体験は無料。申し込みは萩野さんのメール(yumi1020002000@yahoo.co.jp)へ。

医療や福祉など各分野で導入広がる

 音楽療法は、音楽の機能を学術的に研究し、困難を抱えた人らの生活の質が向上するように導入する取り組み。医療や福祉、教育などの分野で活用されている。国家資格ではないが、日本音楽療法学会が試験を課して音楽療法士を認定。県も独自の認定制度を設けている。

 萩野さんがスキルを学び、これまで約140人を送り出してきたのが1997年創立の西宮音楽療法研究会だ。創立者の河端弘子さん(83)によると、音楽療法は学校・療育現場のほか高齢福祉の現場でも多く取り入れられて効果が出ているが、新型コロナウイルスの感染拡大後、介護予防・健康向上を含む高齢者向け事業は大半が休止されているという。河端さんは「オンラインにも挑戦しているが、音楽療法は対面が基本。来年は実施できるすべを講じていきたい」と話す。




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Author:gogotamu2019
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