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大分県議会、手話言語条例制定へ 県が普及や習得の機会確保

 大分県議会は「県手話言語条例(仮称)」を議員提案で新たに制定する。素案には手話を言語と定め、県が普及や習得できる機会の確保に努めることを記した。
 
 県議会は、県民の意見を参考としながら条例づくりを進めるため、2020年12月21日(月曜日)~2021年1月22日(金曜日) まで条例案に対する意見の募集(パブリックコメント)を行う。

 なお、同種の条例は大分県では、津久見市、豊後大野市、宇佐市、中津市、豊後高田市、別府市、大分市、杵築市の、8市で、全国では29道府県/269市/14特別区/56町/2村の計371の自治体(2020年12月18日現在)で制定されている。



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大分県手話言語条例(仮称)案

(前文)
 手話は、音声言語と異なる語彙及び文法体系を有し、手指の動き、表情等により視覚的に表現される言語である。人間にとって言語は、思考、感情及びコミュニケーションの基盤であることから、手話を必要とする人が手話を習得し、使用できる環境を整備することは極めて重要である。
 聴覚障がい教育の歴史を顧みると、読唇と発声訓練を中心とする口話法が推進されるあまり手話の使用が制約された時期もあったが、ろう者は手話を大切に受け継ぎ、手話を言語として健全で心豊かな日常生活及び社会生活を営んできた。
 近年、言語には手話その他の非音声言語が含まれることを明記した障害者の権利に関する条約が国際連合総会で採択され、我が国でも障害者基本法において、「全て障害者は、可能な限り、言語(手話を含む。)その他の意思疎通のための手段についての選択の機会が確保されるとともに、情報の取得又は利用のための手段についての選択の機会の拡大が図られること」が基本原則の一つとして定められ、手話が言語であることが明確にされた。本県においても、「障がいのある人もない人も心豊かに暮らせる大分県づくり条例」において同趣旨の規定を設け、全ての障がい者が障がいの特性に応じた意思疎通手段を選択し、利用しやすい環境づくりを進めている。
 しかしながら、本県において、手話が日本語とは異なる語彙や文法体系を有する言語であり、また、ろう者にとって思考、感情及びコミュニケーションの基盤であって、成長していくために必要不可欠なものであるという理解は、十分に広まっているとは言えない。
 本県ではこれまで、障がい者の雇用促進、芸術文化やスポーツを通じた社会参加の推進など、障がい者が安心して自立した生活を送れる社会づくりに積極的かつ先進的に取り組んできた。これらの取組の一環として、県民が手話についての理解を深め、手話を必要とする人が手話を習得する機会を確保し、手話による円滑な意思疎通のための環境を整備することにより、障がいのある人とない人が相互に人格と個性を尊重し、歩み寄りながら共生する社会を実現するため、この条例を制定する。

(目的)
第1条
この条例は、手話の普及等(手話に対する理解の促進、手話を必要とする人が手話を習得する機会の確保及び手話による円滑な意思疎通のための環境の整備をいう。以下同じ。)について、基本理念を定め、県の責務並びに県民及び事業者の役割を明らかにするとともに、手話の普及等に関する施策の基本的な事項を定めることにより、もって全ての県民が相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に寄与することを目的とする。

(基本理念)
第2条
手話の普及等は、手話が独自の言語であって、ろう者にとって思考、感情及びコミュニケーションの基盤として必要不可欠であるとともに、ろう者が健全で心豊かな日常生活及び社会生活を営むために大切に受け継いできた文化的所産であるとの認識の下に行われなければならない。
2 手話の普及等は、ろう者とろう者以外の者が相互に人格と個性を尊重し、歩み寄りながら共生することを基本として行われなければならない。

(県の責務)
第3条
県は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、手話の普及等に関する総合的な施策を実施するものとする。
2 県は、手話の普及等に当たっては、市町村その他の関係機関と連携を図るとともに、ろう者、手話通訳者等の協力を得るよう努めるものとする。

(県民の役割)
第4条
県民は、基本理念にのっとり、手話に対する理解を深めるよう努めるものとする。
2 県民は、基本理念にのっとり、その手話に関する知識及び技術に応じて手話の普及に努めるものとする。

(事業者の役割)
第5条
事業者は、基本理念にのっとり、ろう者に対しサービスを提供するとき、又はろう者を雇用するときは、手話の使用に関し合理的な配慮を行うよう努めるものとする。

(施策の策定及び実施)
第6条
県は、障害者基本法(昭和45年法律第84号)第11条第2項の都道府県障害者計画において、手話の普及等に関し必要な施策を定め、これを実施するものとする。
2 県は、前項の施策を定め、又は変更しようとするときは、ろう者の意見を聞くものとする。

(手話を習得する機会の確保)
第7条
県は、市町村その他の関係機関、ろう者、手話通訳者等と連携し、手話を必要とする人が乳幼児期からその家族等と共に手話を習得する機会を確保するよう努めるものとする。

(手話を学ぶ機会の確保)
第8条
県は、市町村その他の関係機関、ろう者及び手話通訳者等と連携し、県民が手話を学ぶ機会の確保を図るものとする。

(手話を用いた情報発信等)
第9条
県は、ろう者が県政に関する情報を円滑に取得することができるよう、手話を用いた情報発信に努めるものとする。
2 県は、災害その他非常の事態の場合に、ろう者が手話等により自身の安全確保に必要な情報を速やかに取得し、及び円滑に意思疎通を図ることができるよう、市町村その他の関係機関との連携等必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

(手話通訳者等の養成等)
第10条
県は、市町村その他の関係機関と連携し、手話通訳者等の養成及び確保並びにその技術の向上を図るものとする。

(手話通訳者の派遣体制の整備等)
第11条
県は、市町村その他の関係機関と連携し、ろう者が手話通訳者の派遣等による意思疎通支援を受けられる体制の整備を図るものとする。

(学校等における取組)
第12条
聴覚に障がいのある乳幼児、児童及び生徒(以下この条において「聴覚障がい児」という。)が通学等をしている学校等の設置者は、聴覚障がい児の実態に合わせて適切なコミュニケーション方法を選択し、又は組み合わせて教育又は保育(以下この条において「教育等」という。)を行うよう努めるものとし、当該聴覚障がい児の教育等に関わる教職員が手話に関する知識及び技術を身に付けるために必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
2 聴覚障がい児が通学等をしている学校等の設置者は、聴覚障がい児及びその保護者に対する手話に関する学習の機会の提供並びに教育等に関する相談及び支援に努めるものとする。
3 特別支援学校(聴覚障がい児に対して教育を行うものに限る。)の設置者は、手話を必要とする聴覚障がい児が手話を学び、かつ手話を使用して学ぶことができるよう、手話に通じた教職員の育成に努めるものとする。
4 県は、児童及び生徒が学校において基本理念及び手話に対する理解を深めるため、地域の実情に応じて手話に関する啓発その他の必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

(事業者への支援)
第13条
県は、第5条の規定により手話の使用に関し合理的な配慮を行う事業者に対し、情報の提供、助言その他の必要な支援を行うものとする。

(手話に関する調査研究)
第14条
県は、ろう者、手話通訳者等が手話の発展に資するために行う手話に関する調査研究の推進及びその成果の普及に協力するものとする。

(手話の普及等に当たっての配慮)
第15条
県は、手話の普及等に当たっては、聴覚に障がいのある手話以外の意思疎通手段を使用する者に十分に配慮するものとする。
2 県は、手話の普及等に当たっては、外国人のろう者に配慮するよう努めるものとする。

(財政上の措置)
第16条
県は、手話の普及等に関する施策を推進するため、必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。

附 則

 この条例は、公布の日から施行する。




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