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ウイルス変異種に関する論説(2020年12月24日)

ウイルス変異種 警戒強め国内侵入を防げ(2020年12月24日配信『新潟日報』-「社説」)

 英国で確認された新型コロナウイルスの変異種が各国の新たな脅威となっている。日本での感染は確認されていないが、水際対策などを徹底し、国内への侵入を防がなければならない。

 変異種は、9月に初めて英国で見つかり、11月中旬には首都ロンドンの感染例のうち約3割に増えた。12月には6割超を占めている。

 英政府は、変異種の感染が急増しているとして、ロンドンなどで外出制限を始めた。生活必需品を扱う店以外は休業させる事実上の「ロックダウン(都市封鎖)」だ。

 英国と欧州各国との物流は混乱し、部品調達の遅れを懸念する日本企業も出ている。

 同じ変異種はイタリアやオランダなど欧州やオーストラリアでも確認されている。

 警戒の動きは世界中に広がり、欧州や中東、アジアなど50以上の国と地域は、英国からの入国・入域制限を決めた。

 ウイルスの変異はよくあることだ。新型コロナウイルスの種類は微細な変異も含め数多く確認されている。

 ただ、感染力や毒性などは不明な点が多く、今回の変異種も同様だ。

 ジョンソン英首相は、従来種よりも最大70%も感染しやすいと警戒を呼び掛けたが、英国の専門家は「感染力の強さはまだ数値化できない」として疑問視している。

 重症化や死亡のリスクを高めるかも分かっていない。

 仮に重症化リスクが従来種と同じでも、感染力が高ければ重症者数は増え、医療提供体制が逼迫(ひっぱく)する恐れがある。

 英政府は、最近接種が始まったワクチンは変異種に効果を発揮するとの見方を示したが、専門家は「エビデンス(証拠)がない」と指摘する。

 変異種の特性を慎重に見極める必要がある。

 世界保健機関(WHO)や各国の専門機関は、科学的根拠に基づいた情報を丁寧に発信してもらいたい。

 ワクチンの効果についても接種後の調査を通してしっかり検証することが欠かせない。

 日本も海外の状況を注視し、警戒を強めねばならない。

 政府は、変異種の感染拡大を受け、英国からの外国人の新規入国を24日から一時停止するなど水際対策を強化した。

 変異種がさらに他国に広がる可能性もある。状況に応じ、機動的な対応が求められる。後手に回ってはならない。

 今春の感染「第1波」は、欧州から入った変異種が原因とされる。感染流行が起きたのは、結果的に水際対策に漏れがあったからだといえる。教訓を生かしたい。

 国内感染は累計20万人を上回り、死者も3千人を超えた。12月の死者数は11月の2倍以上となるなど、「第3波」に依然として歯止めがかかっていない。

 変異種が国内に侵入すれば、状況がさらに悪化する恐れがある。そうした事態を招かないよう防止策を徹底したい。



変異するウイルス(2020年12月24日配信『熊本日日新聞』-「新生面」)

 生物学に「赤の女王仮説」というのがある。山本太郎長崎大教授の『疫病と人類』で知った。生物は競争に勝ち、環境に順応していくために、常に進化を繰り返す、という意味だ

▼同じ場所にとどまるには力の限り走り続けなければならない-。ルイス・キャロルの小説『鏡の国のアリス』に登場する、赤の女王の言葉にちなむ。これに従えば、根絶を目指したウイルスへの圧力は、逆に進化を促すことになるが

▼英国で感染力が高い新型コロナの変異種が急速に拡大、ロンドンなどが3度目の都市封鎖に突入した。水際対策として各国が英国からの航空機受け入れを停止、物流も滞るなど、影響が広まっている

▼英国によると感染力は従来の70%増だとか。ただし重症化を示すデータはない。自らの生存には宿主の生存も不可欠なウイルスである。巧みな進化というべきか。幸い、開発が進むワクチンは変異種にも有効と考えられている

▼仮説に戻れば、変異するウイルスに対し、人もまた薬の開発など新たな手段を迫られる。しかしこの競争に人は最終的に勝てないとみられている。ウイルスの変異速度が人の技術開発をはるかに上回るからだ。ならどうすれば

▼過度の圧力をかけず、緩やかに付き合って感染速度を落とし、弱毒へと変異させる。それがステイホームや自粛、と山本さん。医療崩壊の防止にも不可欠だろう。看護師らの窮状を伝える記事があった。救える命を救えない医療崩壊は私たちに命の選別を迫る。その瀬戸際に立たされている。




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Author:gogotamu2019
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