FC2ブログ

記事一覧

出て行く時刻の来た子どもたち、用意はいいか」…(2020年12月29日配信『毎日新聞』-「余録」)

 「出て行く時刻の来た子どもたち、用意はいいか」。扉を開けたのは砂時計と鎌を持つ老人で、背が高く長いひげがある。童話劇「青い鳥」で、これから生まれる子どもたちを送り出す「時」という老人だ

▲「未来の王国」というその大広間には、地上にもたらす禍福(かふく)さまざまなものを携えた子どもたちが誕生の時を待っている。「時」は生まれるべき子どもの数が間違いなくそろっているかをチェックし、地上行きの船に乗せるのである

▲「お前たち、遅れたらもう生まれられないぞ」。「時」にせかされた子どもらが船出すると、遠くから喜びと希望の合唱が聞こえてきた。お母さんたちの歌声である……。しかし「時」も子どもたちも戸惑うコロナ禍での異変だった

▲全国の自治体が受理した今年の1~10月の妊娠届の件数は、前年同期比5・1%減という激減ぶりをみせた。コロナ禍による将来への不安のためとみられ、民間シンクタンクからは来年の出生数は80万人を割るという推計が出ている

▲少子化で減り続ける出生数だが、初めて90万人を割ったのは昨年で、推計通りならわずか2年で今度は80万人割れとなる。「時」ならば何かの間違いかと、手元のリストを見直すだろう。少子化予測を約10年も前倒しする数字という

▲背景となる婚姻数の減少も著しく、巣ごもり生活による出会いの機会の減少は今後も続こう。子どもたちをこの世に呼び寄せるには、まずウィズコロナ時代の私たちが喜びと希望の歌を取り戻さねばならない。





スポンサーサイト



プロフィール

gogotamu2019

Author:gogotamu2019
障害福祉・政治・平和問題の最新ニュース・論説紹介

最新記事

カテゴリ