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<新型コロナ>入院先が決まらない、搬送先が見つからない…現実味を帯びる東京の医療崩壊(2021年1月7日配信『東京新聞』)

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保健所の事務室に収まりきらず、講堂に設置された席で感染者の対応をするみなと保健所の職員=5日、東京都港区で

 東京都では、新型コロナウイルスの新規感染者が5、6日と連続で1000人を超え、医療崩壊が現実味を帯びてきた。感染者の受け入れ病床がある医療機関の体制は逼迫ひっぱくし、入院先が決まるまでに時間がかかるケースが増加している。(土屋晴康、宮本隆康、岡本太)

 東京都・多摩地区の男性は昨年12月28日、地元のクリニックの抗原検査で「陽性」と判明した。クリニックには入院用のベッドがなく、その日のうちに保健所に届けた。だが、男性に保健所から連絡があったのは2日後の30日。昨年末から、保健所から患者への連絡が2日以上かかるケースが増えているという。

 「保健所から連絡がないが、どうしたらいいのか」。クリニックには患者や家族から、そんな問い合わせがある。入院先を紹介したくても、空き病床の情報がない。クリニックの医師は「コロナ患者の診療をできる病院に、順番に電話をかけるのは極めて効率が悪い」と話す。

 「保健所の連絡を待つ間に、重症化する可能性があり、何らかの対策が必要ではないか。感染してヘルパーの世話を受けられなくなる一人暮らしの高齢者が、自宅で亡くなる可能性もある」

◆容体急変も搬送先が5時間半見つからず

 保健所からの連絡が遅れているのは、都内でコロナ用の病床の空きが少なくなっていることも影響しているようだ。

 4日午後6時ごろ、23区内で、コロナ患者で容体が急変した40代男性から救急搬送の要請があった。だが、午後10時になっても、救急隊は搬送先を見つけられなかった。

 「数十カ所に電話したが、搬送先が見つからない」。地元の保健所に連絡があり、幹部が医療機関の知人に「一晩だけでも」と頼み込んで、ようやく午後11時半ごろに搬送を終えた。

 23区の保健所の業務は、感染者の増加で負担が増している。みなと保健所(港区)では、年末年始の12月28日~1月3日の1週間で、感染の届け出は409件あった。1カ月前の2倍以上、2カ月前の5倍以上になった。

 感染者1人の対応に5時間かかることもあるという。松本加代所長は「一律の対応は不可能で、体調不良者の対応を優先するトリアージをしている」と明かす。

 医療機関からの連絡は、ファクスでの届け出文書に症状を詳しく記してもらう方式に変更した。その内容を見て、対応する順番を決めている。

 松本所長は「医師の診断を基に、本当に医療を必要な人に特化するべきだ。クラスター対策も高齢者施設や医療機関を優先するなど、対応に濃淡を付けた方がよい」と話している。

◆東京で急増する自宅待機、3000件超が調整中

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 都内では新型コロナウイルスの感染者の入院調整が難航。入院が必要と判断されながら、自宅で待機を余儀なくされる人が急増しており、都関係者は「状況は急速に悪化している」と危機感を募らせる。

 都内では、各保健所が管内で入院先を見つけられなかった場合、都の入院調整本部が広域的に入院先を探す仕組みとなっている。

 都によると、保健所から調整本部に持ち込まれるケースは昨年12月下旬時点で1日あたり約200件。11月初旬の60件程度から、3倍以上に増えた。

 その結果、当日中に入院先が決まらず、自宅で待機してもらう例は連日、数十件発生。新規感染者が1000人を超えた年末年始以降、「さらに厳しい状態」(都幹部)になっている。

 都が日々発表している感染者数のデータでも、宿泊療養などを含めた入院・療養先の「調整中」の人は3000件を突破した。
 自宅待機者は、比較的症状が軽い人が中心。昨年12月以降で待機中に死亡した事例は「確認されていない」としている。ただ何日も入院先が決まらぬまま容体が急変し、救急搬送されるケースもあるという。





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