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菅首相演説の「名言引用とキーワード」を過去の首相演説と比較!菅流“無装飾”に側近もハラハラ?(2021年1月21日配信『FNNプライムオンライン』)

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首相の国会演説を彩るキーワードと名言引用 菅首相は…

18日、菅首相が就任後初めてとなる、通常国会冒頭での施政方針演説に臨んだ。演説の内容については、新型コロナウイルス対策などを中心に様々な論評がなされているが、首相の国会演説と言えば、演説の看板メニューとも言える「キーワード」、そして演説のスパイスとも言える「エピソードや名言の引用」が印象を左右する。

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そこで、菅首相の施政方針演説のキーワードと名言の引用ぶりを、過去の施政方針演説の例などと比較して、今回の演説の特徴を読み解いてみた。

キーワード「安心と希望」はどう使われた?

今回の菅首相演説のキーワードは「安心と希望」だった。菅首相は冒頭に「私が一貫して追い求めてきたものが国民の皆さんの安心そして希望です」と語った。

そして「安心」という言葉を計9回使った。もっとも時間を割いたコロナ対策で「安心を取り戻す」と言及したほか、「暮らしの安心」「老いても安心して暮らせる地方の所得引き上げ策」「安心できる社会保障制度」などを訴えた。

また「希望」と言う言葉は計11回用いた。「国民の皆さんの希望を実現したい」として、デジタル、グリーン(環境)政策、社会保障などを語り、少子化対策としては男性の育休推進を歴代で初めて盛り込んだ。

過去の首相のキーワードは…流行語大賞になった言葉やポエム調ワードも

では、歴代の首相はどんなキーワードを使っていたのか。古くは池田勇人首相の「所得倍増」

田中角栄首相の「日本列島改造」、今世紀に入ってからは小泉純一郎首相の「聖域なき構造改革」、安倍晋三首相のアベノミクス「三本の矢」など、時代を象徴する印象的な言葉が多い。

そして異色のキーワードが、鳩山由紀夫首相が2010年の施政方針演説の冒頭に語った「いのちを守りたい」だ。

「いのちを、守りたい。いのちを守りたいと、願うのです。生まれくるいのち、そして、育ちゆくいのちを守りたい」

いきなりのポエム調の表現に、当時、議場はかなりざわついた。スピーチライターの1人だった劇作家の平田オリザさんの発案といわれている。

この「いのちを守りたい」というキーワードは賛否両論だったがインパクトは抜群だ。それに比べると菅首相の「安心と希望」は地味と言えるかもしれない。一方で、今がコロナ禍という非常時だということと、飾らない菅首相らしさを表した表現とも言えそうだ。

著名人のエピソードや名言の引用 安倍首相は多彩な人物が登場

そして、演説のスパイスとも言える「エピソードや著名人などの名言の引用」についてだ。過去に用いられた有名な言葉としては、小泉首相が演説で使い流行語大賞も受賞した「米百俵」のエピソードが挙げられる。

「今の痛みに耐えて、明日を良くしようという『米百俵の精神』こそ、改革を進めようとする今日の我々に必要ではないでしょうか」

この「米百俵」とは、明治初期の長岡藩が食べるのにも困っていた時に、支援のために贈られた米百俵を一時の食料とせず将来のためとして教育に使ったという故事で、小泉首相がバラマキ的な財政出動に頼らない構造改革の必要性を訴えるための引用として語った。

そしてこうした歴史上の故事や偉人の名言を毎回引用したのが、安倍首相だった。主な人物を挙げると、福沢諭吉・野口英世・山川健次郎(元白虎隊員)、さらに原敬・吉田茂・芦田均といった総理大臣経験者、近年ノーベル賞を受賞した本庶佑さんや山中伸弥さん、海外からもアパルトヘイトを廃止した南アフリカのネルソン・マンデラ元大統領や、シリア難民の五輪選手ユスラ・マルディニさんの言葉を引用した。金子みすゞさんの詩の有名なフレーズ「みんなちがって みんないい」も登場した。

実は安倍首相の場合は、スピーチライターを務めていた側近が、日頃から安倍首相の考えとぴったり合うエピソードを探したり、昔の教科書を読みあさって知られざる偉人を探したりと、1年中ネタ集めを意識していたという。

菅首相の唯一とも言える引用は恩師からかけられた言葉

これに対して今回の菅首相の演説では、名言やエピソードの引用はほとんど無かった。その中で唯一引用したのが、自らが政治家
としての師匠、梶山静六元官房長官から言われた

「国民の食い扶持をつくっていくのがお前の仕事だ」という言葉だった。

引用が歴史上のものではなく、自分が実際に耳にした発言というところが、様々な人から直接聞いた話を重視する菅首相の地道なスタイルを表していると言えるかもしれない。

また演説全体の構成として安倍首相はストーリー性を重視し、体言止めを要所に使ってテンポを重視し、ときに「~しようではありませんか!」と呼びかけて議場を盛り上げたりしていたが、菅首相の演説は飾り気がなくオーソドックスだった。

さらにコロナ対応をめぐって「再び制約のある生活をお願いせざるを得ない」状況に触れたときと、桜を見る会の問題で「私の答弁の中に事実と異なるものがあった」と言及した際の計二度にわたって「申し訳ない」と述べるなど、「低姿勢」も目立った。

側近も「ハラハラ」真に求められるのは具体策と実行力

今回の演説を通じて菅首相は、声を張ることも数回しかなく言いよどみも多かっただけに、側近の小此木国家公安委員長が翌日の記者会見で「首相が話がうまいかうまくないかといえば、お聞きの通りだ。口下手、その通りかもしれない。ハラハラしながら見ていた」と語るほどだった。

とはいえ、そうした口下手も菅首相のもとからの特徴であり、自民党議員もそれを承知で菅首相をかつぎ、国民も半ばそのことを織り込みながら当初高い支持を寄せたのは事実だろう。

それだけに菅首相には、口下手なりに演説で述べた言葉、特にコロナ対策を始めとする政策の数々を着実に実現するだけの「具体策と実行力」が今後一層求められそうだ

(フジテレビ政治部 山田勇)




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