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「消毒液はどこ…」コロナ禍、視覚障害者の困りごと 距離つかめず戸惑いも(2021年1月22日配信『中国新聞』)

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 新型コロナウイルスの感染拡大で、視覚障害者の生活に困りごとが増えている。感染予防のため人との接触や会話が減る中、他者との距離感がつかみづらくなり、援助も頼みにくくなっている。危険な状況で支援を得られなければ、駅のホームでの転落事故などにもつながりかねない。周囲はどう対応すればよいのだろう。

 ▽声掛けや誘導「助かる」

 広島市東区の細川義之さん(46)の視力は、照明の明暗が分かる程度で目の前のものはほぼ見えない。広島県立広島中央特別支援学校の教員で、白杖(はくじょう)を携え1人で職場や買い物に行くが、最近は外出先で戸惑うことが増えた。ウイルスの感染予防対策で、人との接触や会話がしにくくなっているからだ。

 スーパーやドラッグストアに行くと、まず直面するのが消毒スプレーの場所探し。マスクをしていても相手が飛沫(ひまつ)を気にしないか心配で、助けを求めることをちゅうちょしてしまう。「お願いする側としては、触れたり話したりを伴う行為を求めていいのか迷います」。普段行かない店に入ると、手を消毒するまでにしばらく時間がかかる。

 レジ前の行列にも困る。周りの人とソーシャルディスタンス(社会的距離)を保つための床の印が見えない。感染が広がる前、細川さんは前後の人の気配を察してレジに並んでいた。しかし前と後ろに1、2メートルずつ間隔を取ると、列が進んでいるのかどうかが分からなくなった。

 そんなときに助かるのが周囲の声掛けだ。「手伝いましょうか」「前に進んだよ」。手を引いて誘導してもらうのもサポートになる。「さりげない一言が本当にうれしい」と打ち明ける。手や肩に触れなくても「右に1歩進んでください」など具体的な指示があると分かりやすいという。

 人との距離の確保など感染予防対策の影響で、視覚障害者はこれまで頼りにしていた聴覚、触覚から情報を得るのが難しくなっている。さらにマスクの着用で嗅覚が鈍ったと感じる人もいる。得られる情報が減り、身に迫る危険も察知しづらくなっているようだ。

 昨年11月には、東京メトロ東西線のホームから白杖を持った60代の男性が転落し、列車にひかれて死亡した。市民団体「ホーム転落をなくす会」の高山久美子代表は「人との距離が広がり、慣れた場所でも危険に気付かない場合がある」と指摘。「白杖や盲導犬を携えた人を見掛けたら見守ってほしい。緊急時は、迷わず声を掛けてほしい」と訴える。

 もう一つ、コロナ禍の中で視覚障害者にとってつらいのが周囲の視線だ。尾道市に住む全盲の河野清実さん(66)は週3回、同行援護のヘルパーと腕を組んで買い物に出掛ける。河野さんは商品に触れることで大きさや形を確かめる。しかし先日、店内の他の客からこんな言葉が聞こえてきた。「見えん人がわざわざコロナ中に買いに来て」

 ヘルパーと密に接する姿や、商品に触れる様子を不快に感じたようだ。だが、河野さんが買い物に出掛けるのは生活必需品を手に入れるためだけではない。運動やリフレッシュの機会がめっきり減る中で、心身の健康を保つためでもある。手洗いや消毒、検温など感染対策をした上で外出するが、それでも周囲の目は厳しい。

 広島県視覚障害者団体連合会の橘高則行会長は「他者への迷惑を心配して孤独に陥る視覚障害者が増えるかもしれない」と気をもむ。「見えないという立場を理解し、接してほしい」と呼び掛ける。

 社会福祉法人日本点字図書館はホームページ(HP)で視覚障害者に接する際のポイントをまとめた「いっしょに歩こう」を紹介する。市民団体「ホーム転落をなくす会」も危険な場面での対応をHPで公開している。

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