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(論)【ヘルプマーク】本気で認知度向上を(2021年1月23日配信『福島民報』-「論説」)

キャプチャ

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 赤地に白い十字とハートを描いた「ヘルプマーク」は、所持している人に外見では分かりにくいハンディのあることを知らせる。見掛けたことはあっても、何を示すのか分からない人も多いのではないか。今年はマークができて10年目、県内に導入されて五年目になるが、認知度が高いとは言えない。県や市町村の周知活動の強化を願う。

 ヘルプマークは2012(平成24)年、東京都が考案した。義足や人工関節を使う人、心臓や腎臓に病気のある人、妊娠初期の人らが衣服や持ち物に取り付ける。併せて住所、氏名、障害や病気名、緊急連絡先などを記入した「ヘルプカード」を携帯する。周囲の人に気付きと思いやりのある行動を促す。マークは2017年、JISの案内用図記号に登録された。

 県内では2017年、郡山市が希望者へ配布を始めた。2018年には県が普及に乗り出し、全ての市町村で受け取れるようになった。福島交通は2019年、全ての路線バスと飯坂線の電車の優先席にヘルプマークのステッカーを掲示した。同様の掲示はJR東日本の在来線でも採り入れている。ラジオ福島は県難病団体連絡協議会と福島医大にマーク合わせて四千個を寄贈した。優しい社会づくりが少しずつ広がっている。

キャプチャ

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 一方で、認知度は上がらない。発祥の地の東京でさえ、マークの意味を理解している人は2019年度のアンケートで6割未満だった。県内では2018年度の郡山市の調査に、知っていると答えた人は四割に届かなかった。マーク利用の対象者からは「認知不足で役に立たないと思う」との声もあった。

 マークの普及には、道路標識や信号機と同じように見た人がすぐに分かる共通理解が欠かせない。県や市町村は工夫を凝らしたチラシを配り、ポスター掲示を進めてきた。しかし、受け手任せでは「見たことはあるけれど、何だっけ」という結果になる。

 一歩踏み込み、理解度を高める具体的な伝達が必要だ。学校教育で積極的に取り上げてほしい。県教委によると、一部の道徳教科書にヘルプマークの記述があるが、県内では使われていない。ポスターやチラシを教材に、親切や相互理解について考えを深めるきっかけにできないか。成人向けには、多くの人に機会のある運転免許更新時の講習で取り上げてはどうだろう。

 新型コロナウイルスの感染拡大で、困っていそうな人を見ても声を掛けづらい。ヘルプマークは心をつなぐよりどころになる。(鈴木 俊哉)




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