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<ひと語りもの語り>生きづらい分、人に優しく 発達障害ある坂上さん、自ら法人設立 有償で生活支援「雇用の受け皿に」(2021年1月24日配信『北海道新聞』)

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石狩市厚田区の高齢者宅で除雪に励む坂上さん=13日

 発達障害のある札幌市西区の坂上(さかうえ)直樹さん(50)が一般社団法人「発達をもつ大人の会」を設立し、今月から除雪や買い物代行などの有償ボランティアを始めた。高齢者らを対象に、日常生活をサポートする。障害のため字がうまく書けず、対人関係も苦手なため、勤めることに限界を感じ、独立の道を選んだ。「自分と同じ発達障害のある人の雇用の受け皿にしたい」と意気込む。

 今月13日、積雪に覆われた石狩市厚田区。坂上さんは1人暮らしの高齢者宅で除雪をしていた。実家が近くにある縁で有償ボランティアの依頼を受けた。「お年寄りが一人で除雪するのは危険。役に立てるのはうれしい」と笑顔をみせた。

 昨年7月に会を設立。当初は就職支援活動を考えていたが、新型コロナウイルスの影響で就労環境が厳しくなり、自ら事業を始めることにした。発達障害のある人を支援するNPO法人DDAC(大阪)によると、発達障害のある人が自ら事業を立ち上げるのは全国的にも珍しいという。

 有償ボランティアは除雪千円(1時間)、買い物代行500円。他に家具処分や電球交換など日常の困りごとに対応しており、これまでの依頼は5件。一緒に作業する発達障害のある人を募集している。現在の会員は、事業に協力する母てる子さん(72)と2人だ。

 坂上さんは45歳で広汎性発達障害(自閉症スペクトラム)と診断されるまで、原因が分からずに人間関係や字を書くことが苦手なことに悩み続けてきた。

 福井県出身。小学2年の時に札幌に引っ越した。翌年ごろ、授業で黒板の字を書き取るのに苦労し始めた。字は読め、授業内容も理解でき、社会科のテストで満点を取ることもあったが、漢字の試験はいつも白紙。先生から「怠けているのか」と怒られた。集団内の人間関係が苦手で小中学校ではいじめにもあった。

 高校卒業後、20歳で上京。大型2種の免許をとって主に運送会社やバス会社で運転業務に従事し、自動車製造工場でも働いた。ただ、どの職場でも周囲と衝突。「仕事のやりとりは問題なくできるが、懇親会にいくと『態度が生意気だ』と言われ、けんかになった」

 日報が必要な職場では、書類を何回も書き直して上司から怒られた。離職を繰り返し、次第に「生きていくのが嫌になった」。45歳で道内に戻り、発達障害と診断を受けた。「若いころ、発達障害がまだ社会に認知されていなかった。原因が早く分かっていれば、別の人生があったのではないか」。そう悔やんだ。

 これからの人生を考えた時、「同じ障害がある人のために何かしたい」と思い、会を立ち上げた。有償ボランティアで顧客を増やし、いずれは食品や生活用品などの移動販売を始めたいという。「発達障害のある人の雇用につなげ、買い物に行けない高齢者にも喜ばれる。そんな取り組みになれば」

 有償ボランティアの依頼は坂上さん(電)090・7916・4391へ。(山田一輝)



発達障害 生まれつき脳機能に障害があることが原因とされる。自閉症、アスペルガー症候群といった自閉症スペクトラム(ASD)や注意欠陥多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)などで、複数の障害がある人もいる。人の気持ちを読み取ることが難しかったり、知的発達の遅れはないが特定の学習が極端に苦手なケースもある。





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