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(論)国会論戦(2021年1月26・28・3月1日)

衆院予算委論戦 解明すべき問題山積だ(2021年3月1日配信『北海道新聞』-「社説」)

 衆院予算委員会は今週、政府の新年度予算案の採決を巡り、与野党の攻防がヤマ場を迎える。

 新型コロナウイルスの緊急事態宣言が再発令され、論戦序盤の焦点はコロナ対策だった。

 直近は菅義偉首相の長男正剛(せいごう)氏が勤める放送事業会社「東北新社」による総務省幹部の接待問題が浮上し、行政の公正性が疑われる事態になっている。

 野党が求める正剛氏の国会招致に与党が応じないと、疑惑解明が進まない。

 近しい人を優遇し、意に沿わぬ人を排除する―。安倍晋三前政権からの権力のゆがみが問われているのは接待問題にとどまらない。

 その象徴が安倍氏の「桜を見る会」前日の夕食会費補填(ほてん)をはじめとする政治とカネの問題と、日本学術会議の会員任命拒否だろう。

 これらの真相を究明し、政治に対する信頼を取り戻すのが立法府の責務である。

 桜を見る会は安倍氏の後援会関係者が数多く参加し、私物化したと批判された。

 夕食会は一体とみられ、多額の費用補填は利益供与に当たるとの指摘も出た。だが、安倍氏は昨年末に国会で行った説明で、補填は「私の知らない中で行われた」などと秘書に責任を転嫁した。

 その後も、野党が要求する夕食会場になったホテルの明細書の提出を拒み続けている。やはり安倍氏の証人喚問を行い、徹底追及する必要がある。

 河井克行元法相と妻の案里前参院議員による参院選広島選挙区での買収事件や、吉川貴盛元農水相の収賄事件も素通りできない。

 3人とも菅首相と関係が近いが、首相は捜査や裁判を理由に「答えを控える」と繰り返してきた。

 河井元法相の公判で「自民党本部からの入金が(買収の)原資になった」とする元会計担当者の供述調書が明らかになった。

 案里前議員の陣営に通常の10倍に当たる1億5千万円もの巨額資金を提供した理由と使途に関し、自民党総裁である首相は党に調査を指示すべきだ。

 学術会議の問題は首相が会員候補6人を排除した具体的な理由を説明しないまま、今国会では議論に上らなくなった。

 だが、任命拒否は会議の独立を定めた学術会議法に違反し、憲法が保障する「学問の自由」を脅かす重大な問題だ。うやむやで終わらせてはならない。

 首相には任命拒否の撤回と、経緯の説明が求められる





菅首相の答弁姿勢(2021年1月28日配信『しんぶん赤旗』ー「主張」)

事態の深刻さ直視できないか

 答えない、棒読み、閣僚任せ―菅義偉首相の国会での無責任な答弁姿勢が改まりません。日本共産党をはじめ野党議員が、コロナ禍での国民の暮らしの深刻な実態を具体的に示し、認識をただしても、「承知していない」などと冷たい答えです。コロナ感染急拡大の抑止に向けて政府の果たす役割が厳しく問われている時に、政府のトップがこの態度では建設的な議論が成り立ちません。危機的事態を直視せず、国民の苦難を理解しようとしない首相の姿勢は重大です。

冷たさと強権変わらず


 衆参本会議の各党代表質問で首相は、PCR検査の拡大や医療機関への財政支援をめぐり、やっていない対策をやっているかのように答えるなど、事実と異なる不誠実で不真面目な答弁を繰り返しました。聞かれたことについて丁寧に説明しない、答弁の短さも問題になりました。

 一問一答の質疑となった衆参予算委員会に舞台を移しても、首相の態度は変わりません。なかなか自ら答弁に立とうとしません。首相自身の認識を聞かれているのに、先に答弁するのは担当閣僚という場面が目立ちました。閣僚が答弁した後に、「大臣が答えた通り」で済ますこともしばしばです。首相が進んで国民に語りかけようという立場がないことは、危機時の政治リーダーとしての資質にもかかわります。

 実態もつかんでいません。日本共産党の笠井亮衆院議員が、持続化給付金の申請をしながら何カ月も待たされ、1回も給付されない事業者の規模についてただしても、詳細は承知してないという答弁でした。29万余の事業者が1回も給付されない深刻な現実を把握せず、持続化給付金を打ち切ろうというのは大問題です。

 異論に耳を貸そうともしません。日本共産党の宮本徹衆院議員は、新型コロナ関連の法改定で入院に応じない人に罰則を導入する案に保健所職員などから反対が相次いでいることを示して、罰則の撤回を迫りました。しかし、首相は応じません。国民の不安や懸念にこたえず、あくまで罰則に固執する強権ぶりです。

 感染拡大を「人災」として深刻化させた「Go To」事業も絶対にやめようとしません。首相は、「Go To トラベル」の停止の判断は遅くなかったと言い張りました。「Go To」関連に1兆円以上も盛り込んだ2020年度第3次補正予算案をそのまま押し通すことは、無反省の極みです。

 国民の批判を意識したのか、「答弁は控える」「ご指摘は当たらない」などの言葉は首相の口から出なくなりました。しかし、これまでの無為無策についての根本的反省はありません。これでは国民の信頼を得ることはできません。

緊張なき政権に不信募る

 緊急事態宣言発令中に自民党の松本純元国家公安委員長(衆院議員)が東京・銀座の飲食店3軒を深夜まではしごし、公明党の遠山清彦幹事長代理(衆院議員)が銀座のクラブで夜の会食をしていたことが発覚しました。国民に外出自粛を求め、飲食店に夜8時以降の営業自粛を要請した政権与党の幹部として極めて許し難い行動です。菅政権に危機感も緊張感も欠落していることの反映としか思えません。国民の不信と怒りは広がる一方です。





予算委首相答弁 反省なく国民に届かぬ(2021年1月26日配信『北海道新聞』-「社説」)

 国会は衆院予算委員会で本格的な論戦に入った。

 立憲民主党は新型コロナウイルス対策が後手に回り、感染急拡大を招いた政府の責任を追及した。

 だが、一問一答の質疑でも、菅義偉首相の木で鼻をくくったような答弁はなんら変わらなかった。

 GoTo事業見直しなどが遅れ、緊急事態宣言の再発令に追い込まれた反省がまるで見えない。

 崩壊状態にある医療体制の立て直しも、十分な予算措置を講じていると素っ気なく繰り返すだけだった。

 感染対策の失敗で内閣支持率が落ち込む中、従来方針を繰り返すばかりの首相答弁に覇気が感じられない。これで国民の命と暮らしを守れるのか。不安が膨らむ。

 首相は、感染拡大で一時停止しているGoTo事業の追加費用を盛り込んだ本年度第3次補正予算案の組み替えを重ねて拒否した。

 「しかるべき時期の再開に備えて計上した」と説明したが、補正予算を執行する3月末までに再開できる見通しが立つのか疑問だ。

 宣言再発令で住民に外出自粛を要請しながら、旅行や外食を奨励する事業の推進を図るのでは、国民に危機感が伝わらない。

 GoTo事業見直しや緊急事態宣言が遅れた理由をただされると「専門家の意見を聞いて判断した」と同じ答弁でかわし続けた。

 コロナ特措法の改正に至っては、感染が一段落しているうちに実現すべきだったと追及されたのに、緊急事態宣言を昨年末に出さなかった経緯を何度も説明した。

 はぐらかすどころか、何を聞かれているのかさえ理解していないのではないかとの疑念が湧く。

 首相に答弁が求められながら、コロナ対策を担当する田村憲久厚生労働相や西村康稔経済再生担当相が答える場面も目立った。自信なさげに説明を委ねる姿は国民に頼りなげに映ったのではないか。

 立憲民主党は、症状が改善した重症者の移転先がないことが医療現場の逼迫(ひっぱく)を招いているとして、大学病院や国立病院と民間医療機関との連携などを求めた。

 ところが、首相はコロナ患者を受け入れる医療機関への支援金を設けたと説明するだけだった

 金銭的な支援だけでは医療体制を拡充できない。感染拡大地域で医師や看護師を確保し、人工呼吸器などを効果的に運用できる仕組みを構築する必要がある。

 国民の命が脅かされる危機的状況にあっては、野党の主張でも受け入れる柔軟さが求められよう。



衆院予算委員会 感染抑止への真摯な議論を(2021年1月26日配信『読売新聞』-「社説」)

 新型コロナウイルス感染拡大の危機的状況から脱するためには、何が必要か。政府と与野党は、具体的な方策を真摯しんしに議論してもらいたい。

 衆院予算委員会で質疑が始まった。菅首相は、コロナ対策について「この1年間に得られた知見や経験を踏まえ、対策を実効的なものとし、感染を抑えなければならない」と強調した。

 そのうえで、新型インフルエンザ対策特別措置法や感染症法などの改正案について、早期成立への協力を呼びかけた。

 特措法改正案は、知事が事業者に休業などを命令できるようにし、応じない場合は過料を科す内容である。感染症法改正案には、入院勧告に応じない感染者に懲役を科す規定が含まれている。

 首相は、入院拒否に関連し、「医療機関から無断で抜け出してきた事案もある」と述べた。

 だが、入院が必要なのに治療も受けず、感染を広げる患者が実際にどの程度いるのか。罰則は感染者の差別を招き、それを懸念して検査を避ける人が出かねない。

 これらの罰則がコロナの感染抑止に不可欠だという根拠を、明確に説明することが重要だ。

 そもそも現状は、感染しても病床に空きがないため入院できず、自宅療養中に亡くなる例が相次いでいる。十分な病床を確保する方策を議論するほうが先決だ。

 野党は、罰則の見直しなどを要求した。首相は「感染の阻止に与野党はない」と述べ、党首会談に応じる考えを示した。今後、法案の修正が焦点となろう。

 国民の不安を解消するため、与野党が建設的に協議し、国会で開かれた議論をすべきだ。

 2020年度第3次補正予算案をめぐり、立憲民主党は、観光支援策「Go To トラベル」事業に対する1兆円の支出などを削除して組み替えるよう求めた。

 3次補正予算案は、11都府県への緊急事態宣言の発令前に編成したものだ。政府は地域ごとの感染状況をよく見極め、「Go To」事業の再開時期を慎重に判断したうえで、無駄のないように予算を執行してほしい。

 感染症対策が効果を上げるためには、政府の方針に対し、事業者はじめ国民一人一人が納得して行動することが大切だ。

 首相の答弁は、結論を簡潔に述べる場面が多く、与党内からも、政策判断の理由に関する説明が不足しているという指摘がある。首相は、丁寧に言葉を尽くし、国民の理解を得なければならない。



コロナ関連法改正 修正協議で厳罰の撤回を(2021年1月26日配信『熊本日日新聞』-「社説」)

 <私たちが闘う相手は、新型コロナという『ウイルス』であって『人間』ではありません。みんなの隣人を責めてもウイルスは無くなりません->

 これは昨年、新型コロナウイルスの感染者らに相次いだ差別事案に対し、全国知事会が発した「お願い」である。ところが、この思いやりを強調する言葉とは対照的に、感染者らへの対応に懲役刑などの罰則を設ける感染症法と新型コロナウイルス特別措置法の改正法案が、当の知事会からの要請を受ける形で閣議決定された。

 18日付の社説で示したように、厳罰の導入は、ハンセン病問題の教訓に照らして、社会に分断や不安をもたらす弊害が大きいと考える。26、27の両日に実施される与野党の修正協議で、撤回されることを改めて強く求めたい。

 今回の改正で特に看過できないのが、感染者が入院措置に応じない場合や入院先から逃げた場合などに、懲役か罰金を科すという感染症法の刑事罰案である。

 政府は対策の実効性を高めるためとしているが、かつてこのような「実効性強化」が、どういう形で運用されたか。1951年にハンセン病療養所に入所した熊本県内の男性の証言記録が、同県が設置した「無らい県運動検証委員会」の報告書に記載されている。

 「家庭の事情でしばらくの入所の猶予を願ったが、保健所の職員は『応じなければ強制収容されることになるが、そのときはいかなる処置をされても責任は負わない』と恐喝した」。このような対応によって当時、県内では収容数を増やすとともに、患者らの一家心中や自殺未遂が相次いでいた。

 むろん、今の保健所はこのような非人道的措置は取るまい。しかし、罰則が導入されれば、感染者や時短要請を受けた飲食店などへの、社会の目が厳しくなることは容易に想像できる。ハンセン病では、強制収容に疑問を持ちながらも、通報で保健所が責められ実施せざるを得なかった-との元職員の証言も残っている。現在、ただでさえ人手不足の関係機関が、罰則適用まで対応できるのか。現場が望んだ法改正とは思えない。

 県と熊本市は療養先に感染者の自宅も含める方針を公表した。全国的にも入院を望む人も含めた自宅療養の数が急増。強制入院を進める前提自体が崩れている。感染症法では、患者が良質な医療を受けられるようにすることを、国と地方公共団体の責務としている。自宅療養者の死亡が相次ぐ現状では、むしろ行政側の法的責任が問われるのではないか。

 前述の「無らい県運動検証委員会」設置は、蒲島郁夫知事が主導した。蒲島氏は、その報告書冒頭に「二度と同じ過ちを繰り返さないために、ハンセン病問題の歴史にしっかりと向き合い、行動するようにとの戒めであると重く受け止める」と記している。ならば、自身の権限強化につながる罰則導入に前のめりな知事も多い中、ブレーキをかける明確なメッセージを発してもらいたい。





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