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視覚障害者の美術館モニターツアー 「紙製模型ほしい」助言も 益田グラントワ(2021年1月30日配信『毎日新聞』)

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ユニバーサルツーリズムのモニターツアーで、石州瓦を使った外壁を触ってみる視覚障害を持つ参加者たち=島根県益田市有明町のグラントワで2021年1月20日午後2時24分、萱原健一撮影

 障害の有無や年齢にかかわらず誰もが旅を楽しめる「ユニバーサルツーリズム」。全国で動きが広がる中、島根県の益田市観光協会も環境整備に取り組んでいる。今月20日、同市有明町の県芸術文化センター・グラントワで、視覚障害者が美術を鑑賞するモニターツアーを実施した。「紙製でいいから触って分かる模型がほしかった」など参加者の声に学芸員らは「目からうろこ」。魅力あるツアー実現に向け一歩前進した。【萱原健一】

 同協会は2018年から準備を開始。対象を身体障害者に絞り、市内の身体・視覚・聴覚の障害者3団体に要望を聞くと、観光への関心が高いことや、障害の種類や程度によって必要な対応が千差万別であることなどが分かった。20年夏にモニターツアーの開催をグラントワに提案した。

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点字の館内案内図で自分の位置などを確認する視覚障害者=島根県益田市有明町のグラントワで2021年1月20日午後1時13分、萱原健一撮影

 視覚障害を持つ男女4人が参加した今回のツアーは、グラントワにとっても初の試み。点字の館内案内図を触って位置を確認した後、同センター内の県立石見美術館で開かれている彫刻家、澄川喜一さんの文化勲章受章記念展へ。川西由里学芸員による彫刻の木目などの解説を聞き、「何の木を使っていますか」などと質問した。続いて建築見学。正面玄関前にあるオロチの巨大なオブジェや、屋根や外壁に28万枚使っている石州瓦の形や感触を楽しんだ。

 ツアー後、改善点を探ろうと同協会は参加者の意見を聞いた。個人では何度もグラントワを訪れている人もこれまで点字案内図の存在を知らず、オロチのオブジェを触ったのも初めてだった。また、瓦などに触れたのは「よかった」が、美術館では作品に触れないだけに「模型がほしかった。精巧でなくてよく、簡単な紙製のものがあるだけで全然違う」との指摘があった。

 言葉を尽くして作品解説を試みたという川西学芸員は「障害の程度が違うので、誰に合わせて話せばいいか迷った」と振り返り、「紙の模型」の助言には驚くと共に深くうなずいていた。今後、視覚障害者のツアーを受け入れられるかどうかを検討していく。

 同協会の仲田千恵理さんは「美術館だけでなく乗馬やカヤックなどの体験型プログラムに障害者の方々も参加してもらえる態勢づくりを進めていきたい」と話す。同時に観光スポットのバリアフリー状況をデータベース化し、情報発信にも取り組んでいく考えだ。




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Author:gogotamu2019
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