FC2ブログ

記事一覧

マスク姿でニュース番組 多数が肯定も聴覚障害者からは指摘も(2021年1月30日配信『産経新聞』)

キャプチャ
マスク姿でニュース番組に出演する大江麻理子キャスター(テレビ東京ホームページより)

キャプチャ2JPG
大江麻理子キャスター

ざっくり言うと
テレビ東京のニュース番組でキャスターがマスク姿で番組を進行した
同局の意見募集では8割がマスク姿に肯定的な声だったとのこと
ただ、聴覚障害者からは口元の動きが読み取れないという指摘もあった
「マスク姿」でニュース番組 多数の視聴者肯定も論議呼ぶ


 テレビ東京が新型コロナウイルス感染拡大防止のため、ニュース番組のキャスターがマスク姿で番組を進行して話題となっている。

 ニュース番組でのマスク姿はタブーともいえたテレビ界が、変わるきっかけとなるのか。同局の意見募集では8割がマスク姿に肯定的な声だった。ただ、聴覚障害がある人からは口元の動きが読み取れないといった意見も寄せられており、各局は手探りで番組制作を続けている。(道丸摩耶)

 ■ついにニュース番組


 18日午後11時から放送されたテレビ東京の経済ニュース番組「ワールドビジネスサテライト(WBS)」。大江麻理子キャスターらが、スタジオ内で会話をする際にマスクを着用した。

 テレビ東京広報局によると、同局のニュース番組ではこれまでも、出演者同士やスタッフとの間の距離を十分に取り、感染を防いできたというが、「市中の感染が拡大する中、より一層、スタジオの感染対策を強化することが必要だと考えた」という。キャスターが1人でニュースを読む際はマスクはしないが、「スタジオのテーブルに2人以上が座ったりキャスター同士が会話をしたりするときにマスクをする」という運用だ。

 テレビ東京の判断は大きな反響を呼んだ。賛否について1012件(26日時点)の意見が寄せられ、8割が賛同する声となった。「声も聞き取れた」「世相を切り取るニュース番組として良い」「緊急事態宣言中というのが伝わった」などと評価する意見だ。一方で、「そこまでやらなくてもいいのではないか」「表情が見えない」、また、聴覚障害者からは「口元が読み取れなくなって困る。字幕をつけてほしい」といった指摘もあったという。

 実は、「マスク姿」は9日に放送されたTBSの情報番組「新・情報7daysニュースキャスター」でも登場していた。出演者のビートたけしさんと安住紳一郎アナウンサーが冒頭、「距離が近いため」とマスク姿で登場していたのだ。

 ■「顔が分からない」

 ただ、こうした取り組みは今のところ限定的だ。NHKの正籬(まさがき)聡放送総局長は20日の会見で「画面上は近くに寄って見えるが、飛沫(ひまつ)を防ぐため相当な距離を取り、アクリル板なども設置してお伝えしている」と説明。聴覚に障害がある視聴者が「口元や表情を見て会話を理解するということもある」とマスクで口元を覆うことで困る視聴者もいると指摘した。放送中にも、距離を取っていることを繰り返し伝えている。

 テレビ出演者のマスクをめぐっては、「放送倫理・番組向上機構(BPO)」にも視聴者からの意見が相次いでいる。「番組でマスク着用を呼び掛けておきながら、スタジオではマスクを着用していない」「ロケ中にマスクなどの感染対策をせず大声で騒いでいる。一番緩んでいるのはテレビ業界」といった意見が多く寄せられているという。仕事柄、芸能人はコロナ感染を公表することが多く、「芸能界にはコロナ感染者が多いというイメージを持たれ、視聴者の目は厳しい」(民放関係者)という。

 BPOの広報担当者は「個別の案件については答えられないが、視聴者から多く寄せられた意見は、委員会などを通じて各局と共有している」と話す。

 ある民放の制作関係者は「番組収録にはとにかく多くの人が関わる。休憩時間を増やし空気を入れ替えたり、三密を避けるためスタッフや出演者を減らしたりして対応しているが限界もあるし、裏方の部分は視聴者には見えない」と明かす。ドラマの撮影では「カメラテストまでは、出演者がマスクやフェイスシールドをしている」(NHK)といった工夫もしている。

 ただ、ドラマやバラエティー番組でのマスク着用は「出演者の顔が分かりにくくなる」という懸念がある。会話に入りにくいリモートでの出演にも限界があり、「座席の間にアクリル板を置くなどの対応しかない」(民放関係者)のが実情だ。収録前に、出演者に感染有無を調べる検査を求めることもあるという。

 ■伝える側も「当事者」

 テレビ文化に詳しい社会学者の太田省一さんは「表情も情報の一部であるドラマやバラエティーと異なり、ニュース番組の出演者は音声で伝えるのが役目。字幕などの配慮があれば、マスクをすることに大きなデメリットはない」と話す。「視聴者の『どうなんだろうな』という思いをすくいとるのが上手なテレビ東京ならではの判断。伝える側もコロナ禍を生きる当事者であることが視聴者に伝わる」と評価しつつ、「何十年にわたって続く番組制作のノウハウはすぐに変えられないだろうが、今後も対策を考えながらの収録が続くだろう」と分析している。





スポンサーサイト



プロフィール

gogotamu2019

Author:gogotamu2019
障害福祉・政治・平和問題の最新ニュース・論説紹介

最新記事

カテゴリ