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世界ワクチン争奪戦 遅れ取る日本…五輪への影響も(2021年1月31日配信『日刊スポーツ』)

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スペイン・バルセロナの病院で新型コロナウイルスのワクチン接種を受ける医療従事者(ロイター=共同)

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イスラエルのショッピングモールの駐車場に設けられた会場で、新型コロナウイルスワクチンの接種を受ける人々(AP=共同)

 新型コロナウイルスのワクチン争奪戦が、世界で過熱している。料金上乗せなどで囲い込む国がある一方、欧州では供給不足によ る混乱が問題化した。既に世界約60カ国が接種を開始。後れを取る日本には迅速に十分に供給されるのか-。接種日程に左右される東京オリンピック(五輪)開催への影響も注視される。

 国による「ワクチン格差」は歴然となっている。米デューク大の調査によると、1月中旬時点で、世界で購入されたワクチン約70億回分のうち約6割を高所得国が占めた。英国は人口の3倍、カナダは5倍以上も確保した。世界最速ペースのイスラエルは国民の少なくとも3割超が1回目を接種済み。ネタニヤフ首相が直談判し確保したといい、ロイター通信は「約2倍の価格を支払った」と伝えた。集団免疫確立を急ぐ国は中国、ロシア製のワクチンも積極的に受け入れ、アラブ首長国連邦は2割以上の国民が接種した。

 一方、2倍の量を確保していたはずの欧州連合(EU)は納入遅れが相次いだ。米製薬大手ファイザーは生産が需要に追い付かず、EUでは1月に供給量が半減した国もあり、主力工場があるベルギーでも17%減に。英アストラゼネカは「製造上の問題」を理由にEUへの供給量を大幅削減し、英国には順調に供給したため、EUと英国の対立が激化した。EU欧州委員会は29日、域内で製造されたワクチンの域外への輸出管理強化を発表。「ワクチン戦争」(米誌)状態となった。河野太郎行政改革担当相は「EUから日本に輸入することを考えていた」と懸念を表明した。感染・死者数が世界最多の米国でも、供給が滞り、接種が進まない地域もある。

 日本政府は全国民分を超える量の契約をアピールしてきたが、ファイザー製は基本合意で「6月末までに6000万人分」だったのが、正式契約では「年内に7200万人分」になった。3月下旬想定だった高齢者の接種開始も4月1日以降に遅れる見通しとなり、不透明感が増している。北里大の中山哲夫特任教授(臨床ウイルス学)は「国際的な争奪戦の余波が、自らワクチンを生産していない日本にも及んでいる」と指摘。接種の進捗(しんちょく)は東京五輪の開催可否に直結するが、片山和彦北里大教授(ウイルス感染制御学)は「五輪までに接種は始まるかもしれないが、集団免疫が期待されるほどの接種率を達成するのは難しい」と推測した。

◆日本で新型コロナウイルス感染症のワクチンは、計3億1400万回分が供給される計画となっている。1人につき2回の接種を想定しているため、計1億5700万人分となる。政府はこれまで米英の製薬3社と供給契約を締結。このうち米ファイザーが1億4400万回分、英アストラゼネカが1億2000万回分、米モデルナが5000万回分となる。第1弾として、ファイザー製ワクチンが2月中旬に国内に届く見通し。




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Author:gogotamu2019
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