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(論)会食不祥事(2021年2月1・2・3・4・5・7・18日)

与党議員の不祥事 政権の自浄能力問われる(2021年2月21日配信『熊本日日新聞』-「社説」)

 与党国会議員の不祥事が止まらない。自民党の白須賀貴樹衆院議員=千葉13区=が、緊急事態宣言中の夜に対象地域の東京都内の高級ラウンジを訪れていた問題によって、離党に追い込まれた。

 緊急事態宣言下の夜の飲食を巡っては、自民、公明両党の幹部らが先月、それぞれ東京・銀座のクラブで会食し離党や議員辞職に追い込まれたばかりだった。相次ぐ不祥事は、政権の慢心や緩みの表れだと受け止めざるを得まい。

 野党は秋までにある衆院選を見据え、新型コロナウイルス対策などと併せて政権への圧力を強める方針だ。与党内からも、相次ぐ不祥事が選挙に影響しかねないとの懸念が出ている。政権の自浄能力が問われよう。

 菅義偉首相にとっては、自身の長男による総務省幹部接待が大きな問題となる中での手痛い失態である。内閣や与党に対する首相の統治の甘さも改めて露呈した格好だ。進退をかける覚悟で不祥事の連鎖を断ち切ってもらいたい。

 週刊文春の報道によると、白須賀氏は10日、東京都内のフランス料理店に女性と一緒に入り、午後8時20分ごろまで滞在。その後午後8時半すぎに同じ女性と都内の会員制の高級ラウンジに入店し、午後10時までいた。

 緊急事態宣言の対象都府県は、飲食店に午後8時までの営業時間短縮を要請。住民には不要不急の外出自粛を求めている。白須賀氏は「経営が厳しい店にお金を落としてあげたかった」と釈明したが、行動の根底に、与党議員ならば深夜の外食が許されるという特権意識はなかったか。

 言うまでもないが、議員に与えられた権力はそうした特別扱いを得るためではなく、苦境にあえぐ店への支援を拡充するための政策立案などに使われるべきだ。

 さらに白須賀氏は、松本純衆院議員らが銀座のクラブ訪問で離党に追い込まれた直後にラウンジへ出向いており、余計に悪質だと言える。

 白須賀氏は次期衆院選には出馬しない意向を表明したが、議員辞職は否定した。これに対しては、白須賀氏の地元からも「外出自粛を求められても気持ちがそがれる」との声が上がっているという。白須賀氏は、自身が有権者によって選ばれた存在であることをもっと深く自覚するべきだ。

 白須賀氏らの辞職を求めない自民党にもあきれる。13日に施行された新型コロナ対応の改正特別措置法では、営業時間の短縮命令に応じない飲食店には過料が科される。一連の不祥事に対する自民党の対応を、野党が「国民には行政罰、自分たちは知らんぷりではダブルスタンダードだ」と非難するのも無理はない。

 緊急事態宣言の実効性を確保するには、不自由な暮らしを余儀なくされている国民の協力が欠かせない。その協力の土台となる信頼関係が、与党議員の不要不急な行動によって損なわれたのだ。政権は事態の深刻さを正面から受け止めるべきだ。





夜の酒場通い 議員を辞職すべきだ(2021年2月18日配信『東京新聞』-「社説」)

 緊急事態宣言下の夜にまたも、自民党議員の高級酒場通いが発覚した。同様の行為で与党議員が議員辞職や離党した直後で、より悪質だ。国民代表という意識を欠く。即刻、議員辞職すべきだ。

 週刊文春の報道によると、自民党の白須賀貴樹衆院議員(45)=千葉13区=が2月10日午後8時半すぎ、東京都内の会員制高級ラウンジに入店し、1時間半近く滞在していた、という。

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言下であり、自民党の二階俊博幹事長は党所属国会議員に対し、飲食を伴う会合参加と午後八時以降の不要不急の外出自粛を要請中だ。

 国会議員による深夜の飲食店訪問を巡っては今月1日、松本純、大塚高司、田野瀬太道の各衆院議員が銀座の飲食店を訪れたとして自民党を離党し、公明党の遠山清彦氏は議員辞職したばかり。

 その直後の午後八時以降のラウンジ訪問だ。悪質としか言いようがない。国会議員としての自覚があまりにも希薄ではないか。
 自民党本部の外出自粛要請が、どこまで徹底されていたのかも疑問だ。党本部の責任も免れない。

 白須賀氏はこれまでにも議員の適格性を欠く行動があった。カジノを含む統合型リゾート(IR)事業を巡る汚職事件では、立件は見送られたが、東京地検特捜部が白須賀氏の地元事務所を家宅捜索し、贈賄側企業から100万円を受け取っていたことも分かった。

 文部科学政務官当時には、原子力災害など緊急事態に備える「在京当番日」にもかかわらず、会合に出席するため都内を離れ、その途中、白須賀氏を乗せて運転していた公設秘書が当て逃げ事故を起こし、書類送検された。

 たび重なる不祥事を憂慮し、選挙区内の党所属県議が「選挙応援はできない」などと対処を求める文書を党県連に提出している。

 白須賀氏は今回の報道を受けて自民党を離党した。次期衆院選には立候補しない意向だという。本人はけじめをつけたつもりだろうが、もはや議員の資格があるとは思えない。残り任期の八カ月間、歳費等の支払いが続く。白須賀氏は議員辞職し、補欠選挙で議員を選び直すべきではないか。

 国民がなぜ国会議員に民意を託しているのか。それは国権の最高機関、唯一の立法府として国民の命を守り、暮らしをより良くするための法律をつくり、行政を監視するためだ。深夜の高級クラブやラウンジ通いのためではない。



東風(2021年2月18日配信『愛媛新聞』-「地軸」)

 昨日朝、家の前の畑と車に雪がうっすら。通勤中の路上ではごみ袋が強風に吹き飛ばされていた。冬に逆戻りしたような寒さはきょうも続き、大雪の恐れも

▲とはいえ、きょうは二十四節気の雨水。降る雪が雨に変わり、積もった雪や氷も解けて植物の芽が出る時期とされる。四国地方の週間天気予報では明日以降、寒さは緩み、週明けごろは平年より暖かくなりそう。激しい温度差に体調を崩さないよう気を付けたい

▲春の陽気だった先日、今治市の志島ケ原を訪れた。紅白の梅林に菅原道真をまつる綱敷天満神社。和歌「東風(こち)吹かばにほひおこせよ梅の花―」が口をついて出た。東風は東から吹くまだやや荒い早春の風。梅咲くころの「梅東風(うめごち)」、文字通りの「強東風(つよごち)」、ヒバリが鳴く時期の「雲雀東風(ひばりごち)」など多様に使われている

▲こちらは春風を気にも留めていなかったといえる。李白の詩が典拠の「馬耳東風」。新型コロナウイルス感染拡大の緊急事態宣言中、白須賀貴樹衆院議員が夜に高級ラウンジを訪れていたことが発覚し自民党を離党した

▲松本純元国家公安委員長らが深夜の銀座のクラブ訪問などで離党後。時短や休業の要請に応じない事業者や入院拒否者らへの罰則を可能にする新型コロナ関連法成立後でもあった。国民の痛みや不安に寄り添わない行動にあきれる

▲それにしても与党の不祥事がやまない。政治家への不信感は解けずに降り積もっていくばかり。





現場に赴く(2021年2月7日配信『北海道新聞』-「卓上四季」)

 NHK大河ドラマ「麒麟(きりん)がくる」は今夜が最終回。国づくりの理想を共有していた明智光秀と織田信長の溝が徐々に広がり、本能寺の変へと至る。異色の光秀、信長像を描いた作品の結末が楽しみだ

▼日本史最大の謎とされる本能寺の変。過去のドラマは「敵は本能寺にあり」と号令を発した光秀が軍勢を率いる姿が定番だが、それを否定する学説が出た

▼光秀は本能寺におらず8キロ離れた鳥羽(京都市南部)に控えていたと、従軍した家臣の証言を記した史料の存在が判明した。総大将が後方で戦果の報告を待っていてもおかしくないと専門家もみているようだ

▼トップが渦中の現場に赴くことの是非は、時に議論を呼ぶ。思い出すのが、原発事故発生の翌朝に福島へ飛んだ菅直人元首相である。過酷事故の初期対応の真っただ中に、東京電力が視察の受け入れに労力を割かれ支障はなかったのか。なおも検証が求められよう

▼とはいえ国民の命を預かる者が目に焼き付けるべき光景は、やはりある。今なら医療現場だろう。菅義偉首相は昨年12月、コロナ治療の最前線である東京の国立医療機関を訪れた。GoToトラベルの全国停止を発表したのは同じ日の夜だが、発表後に大人数のステーキ会食に臨んでもいる

▼就任後直ちに視察を行い、全力で取り組むべきは感染抑止だと本気の大号令を発していたら、さて現在の状況はどうなっていたか。





銀座クラブ飲食 国民の信頼損ねる行為(2021年2月5日配信『秋田魁新報』-「社説」)

 政府による緊急事態宣言下にあって、あまりにも軽率な行動と言わざるを得ない。衆院議員である与党幹部ら4人が深夜に東京・銀座のクラブを訪れていたことが発覚。議員辞職や離党へと追い込まれた。

 新型コロナウイルス対策として、政府は午後8時以降の不要不急の外出自粛などを要請。国民が協力する中での国会議員による行動であり、責任を取らざるを得なかったのは当然だ。

 自民党を離党したのは元国家公安委員長の松本純氏ら3人。松本氏は先月18日、クラブなど3軒を深夜まではしごし飲食していた。陳情を受けるため1人で訪れたと釈明。後に国対委員長代理の役職を辞任した。

 しかし、この説明は虚偽だった。文部科学副大臣と衆院議院運営委員会理事の2人の同席が明らかになったからだ。

 自民党の後輩議員をかばおうとしたのが理由というが、「身内の論理」でしかない。最終的に3人は離党したものの、責任の取り方として十分だったのか疑問が拭えない。

 衆院議員を辞職したのは、先月22日の会食後にクラブを訪れていた公明党の遠山清彦氏だ。自民離党の3氏が国会議員にとどまっているのに対し、踏み込んだ責任の取り方といえる。

 ただし支持者や世論の反発を受け、辞職に追い込まれたという方が実態だろう。資金管理団体によるキャバクラへの飲食代支出も判明。幹事長代理の役職を辞任したが、その時点では議員辞職を否定していた。

 こうした政治家の行動が問題なのは国民の政治への信頼を損ねるからだ。飲食店の営業時間短縮やテレワーク実施、不要不急の外出・移動自粛など、感染防止対策では事業者や国民一人一人の理解が欠かせない。

 その土台となるのが国民の政治への信頼だ。しかし国民に自粛を求める一方、政治家は「例外」というのであれば、幅広い協力は得られまい。新型コロナ対策で政府が思うような効果を上げるのも難しいだろう。

 そもそも4氏がクラブを訪れた日は政治の節目に当たっていた。先月18日は菅義偉首相が施政方針演説で「国民の命と健康を守り抜く」と表明。国民に「再び制約のある生活をお願いせざるを得ず、大変申し訳なく思う」と語った。22日は新型コロナ関連法改正案が国会に提出され、刑事罰の是非などを巡る議論が始まったばかりだった。

 菅首相の強い決意表明にもかかわらず、肝心の足元の与党幹部らには共有されていなかったということだ。菅首相のステーキ会食や石破茂元幹事長の大人数での会食などに続く今回の不祥事を見れば、政府、与党内に緩みが生じていると見なされても仕方がないのではないか。

 新型コロナ対策を実効性のあるものにするには国民の政治への信頼回復が不可欠だ。菅首相をはじめ、政府、与党はそれを再認識しなければならない。





「分」への責任感(2021年2月4日配信『愛媛新聞』-「地軸」)

 江戸時代の社会は「分」の社会だという。身分の「分」、本分の「分」、分際の「分」である。明確な役割社会となっており、人々も自分の「分」に対する責任感が強い(田中優子、松岡正剛著「江戸問答」岩波新書)

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▲武士だけではなく商人の中にも浸透している。町の人も簡単に物を盗んだりしない。盗みの処罰は厳しく、倫理観が強いのだ。そんな社会は個人が自分の役割を認識し、行動するからつくられるものらしい

▲自らの役割、立場を認識できていたかどうか疑わしい。緊急事態宣言中に深夜、東京・銀座のクラブを訪れたとして自民、公明両党の衆院議員4人が議員辞職や離党に追い込まれた

▲国民に我慢を強いながら自身は我慢しなかった。居酒屋の店長が憤っていた。「何のために必死に頑張っているのか分からなくなる」。新型コロナウイルス禍で皆が役割を果たそうとしている。見本となるべき政治家の方が国民のやる気をそいだ

▲政府は栃木県を除く10都府県で宣言延長を決め、罰則を強化する改正特別措置法と改正感染症法を成立させた。さらなる国民の協力が欠かせない。そのために必要な政治への信頼を損なう不祥事が続いている

▲同席の後輩をかばったり、役職辞任で済まそうとしたりした対応は身内の論理だ。与党内に間違った特権意識はないだろうか。「本分」をわきまえない政治家がいるようだ。非常事態にあってはならないことである。



男のウソ(2021年2月4日配信『高知新聞』-「小社会」)

 作家の田辺聖子さんに「男のウソ」という随筆がある。ロッキード事件が世を騒がせていた頃。仲良しの「カモカのおっちゃん」は「ヘタなドラマより面白い」と国会の証人喚問に夢中だ。

 2人は「記憶にありません」の連発に盛り上がる。しかし僕やったら、とおっちゃんは首をかしげる。「こないウソつくのんに堪えられへん。トボケるにも限度がありまして、とてものことに精神的重圧に堪えきれぬ」。

 とぼけるにも限度があったのだろう。緊急事態宣言下の深夜、東京・銀座のクラブを訪れた自民党幹部。当初は「1人で」と説明していたが、後輩議員2人が同席していたことが分かり、まとめて離党に至った。

 先輩は「彼らをかばいたかった」と言い、しばらく名乗り出なかった後輩は先輩の虚言に「心苦しかった」。一見、男気(おとこぎ)のある同志愛も身内の論理にすぎない。国民の代表たる国会議員が国民にうそをつく罪悪への視野を欠いている。

 感染症法に罰則を導入する改正にも引っ掛かりが残る。政府は、厚生労働省の専門部会で「おおむね了承が得られた」と説明した。ところが後に慎重、反対論が多かったと判明。厚労省が法案審議前に議事録を公開したのも、精神的重圧に耐えきれなかったのだろうか。

 思えば長期政権を築いた前首相は、国会で「118回のうそ」を重ねて責任を取らないでいる。うそがはびこる根源はこの辺りにあるのかもしれない。



コロナ禍の不祥事(2021年2月4日配信『佐賀新聞』-「論説」)

菅政権の緩みは深刻だ
キャプチャ

 菅義偉首相による内閣や与党に対する統治が効かず、政権内の慢心や緩みが改めて露呈したと指摘せざるを得ない。

 新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため緊急事態宣言を発令中の深夜、与党の幹部が東京・銀座のクラブに出入りしていたことが発覚。更迭された文部科学副大臣を含む自民党衆院議員の3人が離党し、公明党衆院議員は政治資金問題も加わり、議員辞職した。いずれも世論の強い批判で引責に追い込まれた形だ。

 政府は緊急事態宣言の期間を延長した。実効性確保には不自由な生活が強いられる国民の協力継続が欠かせない。「不要不急」としか受け止められない与党議員の深夜会食は、協力の土台となる政治への信頼を失わせる深刻な事態を招いた。

 自民党を離党したのは、元国家公安委員長の松本純氏ら。公明党では幹事長代理だった遠山清彦氏が議員辞職した。

 松本氏は先月18日、文科副大臣を務めていた田野瀬太道氏と衆院議院運営委員会理事だった大塚高司氏と共に銀座で深夜まで飲食した。松本氏は国対委員長代理の職にあり、麻生太郎副総理兼財務相の最側近とされる。

 東京は緊急事態宣言下にあり、政府は午後8時以降の外出自粛を求めている。資金繰りに苦しむ飲食業者の陳情を受けるためだとしても、与党議員なら深夜会食は許されるという「特権意識」はなかったか。その権力は陳情を待つまでもなく、関係業者らへの支援充実に使うべきだ。

 さらに問題なのは、週刊誌報道で発覚後、松本氏が「1人で行った」と虚偽の説明をしていたことだ。松本氏は「前途ある有望な彼ら(田野瀬、大塚両氏)をかばいたいとの思い」があったと釈明したが「身内の論理」であり、国民に対して通用する言い訳ではない。

 「虚偽説明」で想起するのは、安倍晋三前首相の後援会が「桜を見る会」前日に主催した夕食会の費用負担問題だ。安倍氏は首相在任中、費用補塡ほてんを否定していたが、事実と異なることが明らかになった。疑惑が浮上しても「虚偽」説明で隠蔽(いんぺい)しようとする体質が菅政権内でも垣間見えたと、今回の深夜会食問題では言えるのではないか。

 公明党も猛省しなければならない。遠山氏について深夜会食が分かっても危機感が伝わらない厳重注意にとどめた後で、資金管理団体のキャバクラなどへの支出が判明。幹事長代理を辞任させたが、支持者の反発で議員辞職を受け入れざるを得なかった。

 自民、公明両党もコロナ禍にある国民と謙虚に向き合っていれば、厳格な調査や処分を早々に実行できたはずだ。特に松本氏らの議員辞職を求めなかった自民党の対応には疑問が残り、コロナ対策同様、後手に回った印象は否めない。

 菅首相は昨年12月、宣言下ではなかったとはいえ、自民党の二階俊博幹事長と共に大人数での「ステーキ会食」に参加した。だが、首相は「国民の誤解を招くという意味においては真摯しんしに反省している」と陳謝だけですませた。この姿勢が松本氏らを増長させたとの疑念さえ持ってしまう。

 首相は今回の不祥事について「あってはならないことで極めて遺憾だ。心からおわび申し上げる」と謝罪した。口先だけでないことを示すには、自身の進退をかける覚悟で再発防止を誓うべきだ。(共同通信・鈴木博之)



「上級国民」への疑念(2021年2月1日配信『琉球新報』-「金口木舌」)
2021年2月4日 06:00

 緊急事態宣言下での政治家の行動を巡り「上級国民」という言葉がSNS上で再び目に付くようになった。憲法は「国民は法の下に平等」とあるが現実は違う。国民にそんな疑惑が渦巻いているのだろうか

▼上級国民は、東京の乗用車暴走事故で旧通産省工業技術院長が逮捕されなかったことをきっかけに広く使われるようになった。逮捕されない特権があるのではとの疑念や妄想が広がり反感に火がついた

▼今回は、どうだろうか。感染が判明した自民党の石原伸晃元幹事長が無症状だが即入院したことに「上級国民」との声が上がった。即入院できるということ自体はいいことだ。だが自宅待機者数が急増する中、与党議員だから即入院できるという疑念を抱かせたのだろう

▼松本純元国家公安委員長や公明の遠山清彦氏らの深夜までの高級クラブ滞在にも同様の批判が上がる。松本氏の説明が当初と違うことも判明した。国民を欺けるというおごりはなかっただろうか

▼新型コロナ対策の特別措置法改正で国民に一層の負担を求めることになる。「桜を見る会」を巡る安倍晋三前首相の虚偽答弁もしかり、政治家の軽率な行動や無責任体質が国民の反感を買い政治への不信につながっている

▼コロナ禍で、国民は政治家の言動に注視している。これ以上の政治不信を招かないために、率先垂範することが求められる。



コロナ禍の不祥事(2021年2月4日配信『宮崎日日新聞』-「社説」)

◆菅政権の慢心と緩みを露呈◆

 菅義偉首相による内閣や与党に対する統治が効かず、政権内の慢心や緩みが改めて露呈したと指摘せざるを得ない。新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため緊急事態宣言を発令中の深夜、与党の幹部が東京・銀座のクラブに出入りしていたことが発覚。更迭された文部科学副大臣を含む自民党衆院議員の3人が離党し、公明党衆院議員は政治資金問題も加わり、議員辞職した。いずれも世論の強い批判で引責に追い込まれた。

 政府は10都府県で緊急事態宣言の期間を延長した。実効性確保には不自由な生活が強いられる国民の協力継続が欠かせない。不要不急としか受け止められない与党議員の深夜会食は、協力の土台となる政治への信頼を失わせる事態を招いた。

 自民党を離党したのは、元国家公安委員長の松本純氏ら。公明党では幹事長代理だった遠山清彦氏が議員辞職した。松本氏は先月18日、文科副大臣を務めていた田野瀬太道氏と衆院議院運営委員会理事だった大塚高司氏と共に銀座で深夜まで飲食した。松本氏は国対委員長代理の職にあり、麻生太郎副総理兼財務相の最側近とされる。

 政府は午後8時以降の外出自粛を求めている。資金繰りに苦しむ飲食業者の陳情を受けるためだとしても、与党議員なら許されるという特権意識はなかったか。

 さらに問題なのは発覚後、松本氏が「1人で行った」と虚偽の説明をしていたことだ。松本氏は「前途ある有望な彼ら(田野瀬、大塚両氏)をかばいたいとの思い」があったと釈明したが、国民に対して通用する言い訳ではない。

 公明党も猛省が必要だろう。遠山氏について深夜会食が分かっても厳重注意にとどめた後で、資金管理団体のキャバクラなどへの支出が判明。幹事長代理を辞任させたが、支持者の反発で議員辞職を受け入れざるを得なかった。

 自民、公明両党もコロナ禍にある国民と謙虚に向き合っていれば、厳格な調査や処分を早々に実行できたはずだ。コロナ対策同様、後手に回った印象は否めない。

 菅首相は昨年12月、宣言下ではなかったとはいえ、自民党の二階俊博幹事長と共に大人数での「ステーキ会食」に参加した。だが、首相は「国民の誤解を招くという意味においては真摯(しんし)に反省している」と陳謝だけですませた。この姿勢が松本氏らを増長させたとの疑念さえ持ってしまう。首相は今回の不祥事について「あってはならないことで極めて遺憾だ」と謝罪した。口先だけでないことを示すには、自身の進退をかける覚悟で再発防止を誓うべきだ。





共食のグルメ(2021年2月3日配信『北海道新聞』-「卓上四季」)

 詩人長田弘さんは、詩集「食卓一期一会」のあとがきで次のように書いている。「食卓は、ひとが一期一会を共にする場。食卓につくことは、じぶんの人生の席につくこと」。食卓は人生のテーブルということである

▼食文化の歴史に詳しい原田信男さんの「『共食』の社会史」で知った。誰かと食事をする共同飲食は人間特有の文化だそうだ。たしかに家庭や学校、職場はもちろん、友人らとの食事は人生そのものといえるかもしれない

▼とりわけ、親近感を強めるという共食の効果の生かされ方がおもしろい。仲間の親密性を強調するという認識は、誓約や盟約の証しとして儀式に利用されてきたという

▼国会議員の共食には、何か効能があったのだろうか。緊急事態宣言のさなか、東京・銀座のクラブなどを訪れていたとして、自民党の3人が離党、公明党の1人が議員辞職した。虚偽の説明があったことや、資金管理団体が過去にキャバクラでの飲食代を支出していたことも明るみに出た

▼政府が営業自粛を求めている午後8時以降の飲食である。法改正で自粛要請に従わない業者に罰則を設けようとする中での言行不一致。開いた口もふさがらない

▼料理や食事の席などの相異は集団内の序列と密接に関係し、社会的身分の象徴になるそうだ。そこで特権意識が芽生えては困る。そんな時こそ自律するのも、食通のたしなみではあるまいか。



今はタレントで投資家の杉村太蔵さんは1期…(2021年2月3日配信『河北新報』-「河北春秋」)

 今はタレントで投資家の杉村太蔵さんは1期だけだが、衆院議員を務めた。当選した直後、ベテラン議員が目をむきそうな発言を連発して話題になった。「議員の給料って2500万円ですよ」「早く料亭に行きたいですよ」

▼ばらすなよ、と先輩議員は思ったに違いない。例えばこんな発言。「通信費を100万円もらえるんですよ、年間かと思ったら毎月。毎月100万円ですよ」。議員の特権的な待遇を暴露して、放言や暴言というよりは、名言に近い

▼この人たちも議員であることの優越感を満喫したに違いない。深夜、自民党の議員3人が東京・銀座の高級クラブに出掛けていた。公明党の議員1人も同様に銀座で飲み食いをしていたという。コロナ禍の折も折にとあきれるばかりだ

▼締まりのない笑いを浮かべて、店から出た姿を週刊誌に撮られたベテランもいれば、飲み代を資金管理団体が支払っていた期待のホープもいる。公明のこの若手は辞職したが、自民の3人は勧告を受けて離党しただけ。身内には甘い甘い自民党

▼銀座ママとの同伴出勤を「要請、陳情を承っていた」と言いくるめる神経の太さは、政治家向きではあるのだろうけれど…。相当額の歳費が国庫から議員に支給されるのは、夜の銀座で使ってほしいからではない。

ある人が待合茶屋に芸者を呼び…(2021年2月3日配信『毎日新聞』-「余録」)

 ある人が待合茶屋(まちあいぢゃや)に芸者を呼び、豪華な料理を食べて2000円を使ったとする――こんな話を持ち出したのは戦前の名高い財政家、高橋是清(たかはしこれきよ)である。時代は世界恐慌のさなか、今なら100万円を超える散財だ

▲ご存じの方も多かろうが、ケインズ理論を先取りしたとされる是清である。彼はこの2000円がさまざまな業種の人の手に渡り、さらにその衣食住の費用となることで額面の何十倍もの需要を諸産業間にもたらすと説いたのである

▲失業者があふれる中の待合遊びの話は刺激的だったようだが、彼の財政で日本は世界恐慌からいち早く脱する。今では財政支出と景気の関係は誰もが知る。だが政治家の中には待合の散財のたとえ話しか覚えていない者も多いらしい

▲緊急事態宣言下なのに深夜の銀座のクラブ訪問や飲食が発覚した与党の衆院議員たちである。うち公明党の遠山清彦(とおやま・きよひこ)氏は議員辞職した一方、自民党の松本純(まつもと・じゅん)議員は1人だったとの従来の説明のうそを認め同席の2議員と共に離党した

▲おりから世の注目が緊急事態宣言延長に集まり、また国民の権利を過料で縛る改正法案が成立しようとするさなかだった。うそで上塗りした失態で与党の支持率が下がるのは自業自得(じごうじとく)だが、政治そのものへの不信が鬱積(うっせき)するのが怖い

▲世界恐慌であろうと、パンデミックであろうと、政治家があらゆる知力、想像力、表現力を国民の生命と暮らしを守るために駆使せねばならぬ危機である。物笑いのタネになっている場合ではなかろう。



改正法の下で飲食ルールの効果検証せよ(2021年2月3日配信『日本経済新聞』ー「社説」)

 新型コロナウイルスに対応する改正特別措置法や改正感染症法が成立した。行政罰の導入により、飲食店の営業時間短縮や感染者の入院などへの強制力が増す。国や自治体はこれまで以上に、合理的なルール作りと法の運用の透明性を高めていく必要がある。

 新型コロナウイルス対応の改正特別措置法などが賛成多数で可決、成立した参院本会議(3日午後)=共同
改正特措法は営業時間短縮などに関する知事の命令に違反した場合、緊急事態宣言下は30万円以下の過料、新設する「まん延防止等重点措置」では20万円以下の過料と定めた。改正感染症法は、感染者の入院拒否などに50万円以下の過料の罰則を設けた。

 13日に施行予定で、行政判断の法的根拠や強制力が明確になる。法改正の狙いはあくまで効果的な感染抑止であり、違反者の公表や摘発など実際の運用は人権に配慮した慎重さが求められる。

 1月の緊急事態宣言を受けて、対象自治体は飲食店に「営業は午後8時まで、酒類の提供は午前11時から午後7時まで」と協力を求めた。応じた店には1日最大6万円の協力金を支給している。

 時短営業は新規感染者の減少に寄与したとみられるが、一律に時間で区切る方法が最良かどうかは再考の余地がある。

 個人で来店して会話しない一人食、店内の人数制限や換気の徹底、飛沫を防ぐアクリル板の設置など感染リスクを最小化する努力を続ける店舗も多い。新型コロナの収束が見通せない中、一定の条件で夜間営業を認めるといった例外規定を設けるのも一案だ。

 現在は昨春のような「人の行動を7~8割減らす」との数値目標や休業要請を見送り、飲食店やイベント、劇場に対策の的を絞っている。緊急事態宣言を3月7日まで1カ月延長するのを機に、業種ごとの感染リスクや対策の効果をきめ細かく検証してほしい。

 今回の宣言の発令当初は「昼間の会食は大丈夫」といった誤解も生じた。コロナ対応の「慣れ」「疲れ」を軽減するためにも、データに基づいた科学的な検証と丁寧な説明が重要である。

 世界最速のスーパーコンピューター「富岳」を使って、飲食店での飛沫拡散やマウスガードの効果をシミュレーションした研究もある。様々なデータを政府や自治体はまだ生かし切れていない。

 感染を抑え込むには行動を制限するしかない。経済活動と両立させるため、効果的で納得感のある行動指針が求められている。



銀座クラブ問題 国民を愚弄したに等しい(2021年2月3日配信『新潟日報』-「社説」)

 新型コロナウイルス緊急事態宣言下で国民に我慢を強いている中、範を示すべき国会議員、しかも与党幹部が深夜に東京・銀座のクラブを訪れていた。発覚するとうその説明までした。

 国民を愚弄(ぐろう)したに等しく、時短要請に応じていた飲食店などから怒りの声が上がったのは当然だろう。危機感の欠如は深刻である。

 先月18日に銀座のクラブをはしご会食した自民党の松本純衆院議員ら3氏が1日、離党した。先月22日に銀座のクラブを知人と訪れた公明党の遠山清彦衆院議員は1日、議員辞職した。

 松本氏は当初「1人で陳情を受けていた」と説明し、国対委員長代理を辞任。ところが、その後に田野瀬太道文部科学副大臣、大塚高司衆院議院運営委員会理事が同席していたことを明らかにした。

 「後輩をかばった」と松本氏は釈明したが、身内の論理そのものだ。3人での会食を明かしたのは、虚偽説明から約1週間もたってからのことだ。国会議員としての資質を疑う。

 田野瀬氏や大塚氏も、なぜ自ら名乗り出なかったのか。3氏は事態を隠蔽(いんぺい)し、国民をだまし通せるとでも思っていたのか。

 処分についても、公明党が議員辞職に踏み切ったことにより、自民党もさらなる対応を迫られたとみられている。

 議員辞職との意見もあったが、地方選で苦戦する中、補欠選挙になれば不利な戦いとなるため広がらなかったという。

 党を含め、当事者意識に欠けるというしかない。本当に反省しているのか疑念が湧く。

 遠山氏は自身の資金管理団体がキャバクラなどに「飲食代」として計約11万円を支出したことも判明している。

 当初は厳重注意、キャバクラ支出で幹事長代理辞任、さらに議員辞職と、公明も小出しの対応で迷走を重ねた。

 菅義偉首相は、感染拡大が収まらない中の昨年暮れ、自民党の二階俊博幹事長らと8人で銀座のステーキ店で会食し、猛反発を受け「真摯(しんし)に反省している」と陳謝した。

 にもかかわらず今回の不祥事は起きた。党内の引き締めが甘い証左だろう。首相の指導力を疑わざるを得ない。

 与野党は国会議員の会食ルール作りを模索したが自民党内の反対もあり断念した。

 代わって自民党は飲食を伴う会合への参加や、午後8時以降の外出自粛を通知した経緯がある。だが、アリバイにすぎなかったのか。

 昨年末には立憲民主党の羽田雄一郎氏が新型ウイルスに感染し、急死している。人ごとだとでも思っているのか。

 首相は2日の参院本会議などで、銀座クラブ問題についておわびした。2日には、栃木県を除く10都府県での緊急事態宣言の延長も決まった。

 宣言延長でウイルス感染拡大を確実に封じ込めるためには、国民の協力が不可欠だ。首相は政治不信の解消に向け、先頭に立たなければならない。



「駄々」(2021年2月3日配信『新潟日報』-「日報抄」)

 長く入院していたお母さんの一時帰宅が近づいてきた。楽しみで仕方なかったけれど、お母さんが体調を崩して延びてしまった。しょうがないと分かっていても、寂しくて、やりきれなくて、駄々をこねてしまう

▼ご存じの方も多いだろう。宮崎駿さんのアニメ映画「となりのトトロ」の一場面である。新型ウイルスの緊急事態宣言の対象地域では、映画の登場人物の心境に自らの胸の内を重ね合わせた人もいるだろうか。7日までだった緊急事態の期間が、栃木県を除き延長された

▼新たな感染者は漸減傾向にあるように見える。しかし医療機関の逼迫(ひっぱく)は解消されていない。重症患者もなお多い。医療崩壊の懸念が解消されなければ、宣言の延長もやむを得ないのだろう

▼それは分かる。分かっていても、やりきれない。飲食業をはじめ緊急事態宣言下で身をすり減らし、我慢を重ねてきた人からすれば、肩を落とさずにはいられまい。怒りを覚える人もいるだろう

▼このさなか、夜の銀座で酒を飲み、虚偽の説明をした国会議員もいたとなれば、なおさらだ。感染対策の特別措置法などの改正案には罰則がある。営業短縮の命令に従わず、駄々をこねる分からず屋は罰するということか。そんなルールを決める立場の人間がこの体たらくだ。他方、命令を拒む側にも言い分はあろう。必ずしも「駄々」とはいえまい

▼本県独自の「警報」も発令が続く。緊急事態の地域ほどでないにせよ、漂う空気の視界は悪い。この霧はいつ晴れるだろう。



虚偽説明とはたいした度胸だ(2021年2月3日配信『神戸新聞』-「正平調」)

 美空ひばりさんが着物の帯に手を添えながら、歌っていた。春は二重(ふたえ)に 巻いた帯/三重(みえ)に巻いても 余る秋-と。「みだれ髪」の3番である

◆恋にやつれ、帯が余るほどやせ細ってしまったと嘆いている。悲しいその歌詞をいま、コロナに振り回された昨春からの世の中にあてはめてみても、さほど大げさには聞こえまい。きょうは立春。我慢を重ねてやつれた心身に名のみの春の寒さがしみる

◆何せ、国会から吹きつける風が強烈に寒い。国民に夜の外出自粛を呼びかける当の与党議員が深夜、銀座のクラブに出入りし、おまけに虚偽説明とはたいした度胸だ。これがわれらが選良かと思うと泣けてくる

◆その国会が感染防止のルール破りに罰則を設ける法案を急ぎ足で審議している。待たれよ。ルール破りは誰あろう、あなた方でないか。腹が立つやら、あほらしいやら

◆救いは、感染者数の推移にほんのわずかながら春光を感じとれること。ひとえに多くの人が身を削る我慢を受け入れてきた結果だろう。ここで気を緩めてはいけないことは、政治家に言われなくても知っている

◆緊急事態宣言が延びる。凍える社会には罰則より先に、支援や補償という温かい毛布が二重、三重にほしい…それくらい政治に求めて何悪かろう。



コロナ自粛と国会議員 立場を分かっているのか(2021年2月3日配信『中国新聞』-「社説」)

 国民に自粛を求める立場をあまりに軽んじていたのではないか。新型コロナ特別措置法に基づく緊急事態宣言が出されたのに、菅義偉内閣の副大臣や連立与党の幹部らが深夜、東京・銀座のクラブに繰り出していた。

 国や自治体の要請に応じない国民には罰金や懲役刑を与えられるよう、感染症法の改正などの準備を進めながら、自分たちは今まで通り自由に振る舞う。これでは、世論が強く反発するのは当然だろう。

 自民党の松本純・元国家公安委員長ら3人の衆院議員はおととい離党に追い込まれた。うち田野瀬太道氏は文部科学副大臣を更迭された。自民党は、除名ではなく離党を勧告して、お茶を濁した。そうではないと言うのなら、同じ与党でなぜ対応にこれほど差が付くのか、きちんと説明すべきである。役職を辞めて離党したくらいで、国民の怒りが消えるはずはない。

 公明党の遠山清彦幹事長代理は先週、資金管理団体が福岡市のキャバクラなどに「飲食代」約11万円を支出していたことも判明し、役職を辞めた。それでも支持団体の批判は収まらず、おととい衆院議員を辞職した。秋までに実施される次期衆院選にも立候補しないという。

 もちろん、出処進退は個々の議員の判断次第である。

 しかし松本氏は虚偽の説明までしていた。党の国対委員長代理を辞めた際は、銀座のクラブやイタリア料理店を含めて訪れた三つの飲食店には全て1人だけで行き、要望や陳情を聞いていたと述べていた。

 実際は、田野瀬氏と、議院運営委員会理事だった大塚高司氏、2人の女性と一緒と行っていた。後輩議員2人をかばおうと隠していたと弁明している。それを良いことに、後輩の2人も口をつぐんでいたのだろう。国民にうそをつき、平然と隠蔽(いんぺい)を図るような人に、国会議員の資格があるのだろうか。

 菅首相はきのうの参院本会議で「率先して範を示すべきところ、あってはならないことで極めて遺憾だ」と改めて陳謝した。閣僚には、いま一度、身を引き締めるよう指示した。

 ただ問題の根っこは深い。菅氏が官房長官として支え、「1強」と言われた安倍政権以来のおごりに加え、新型コロナに対する危機感や緊張感の薄さの表れではないか。

 昨年12月には、緊急事態の再宣言前とはいえ、菅首相、二階俊博幹事長らが会食していた。首都圏への宣言後、元幹事長の石破茂氏や石原伸晃氏がそれぞれ会食していたことも発覚。いずれも批判を浴びたのに、今回の4人は何ら教訓を得なかったのか。自粛で我慢を強いられたり職を失ったりしている国民の苦労になぜ思いをはせることができないのか、甚だ疑問だ。

 コロナ禍でも給与を自ら減らさない国会議員が自分たちだけ特別扱いしているようでは、政治不信は一層高まりかねない。

 4人以外にも身の処し方を問われるべき議員が多い。政治とカネを巡る疑惑を持たれたり、人権感覚を疑われる発言を繰り返したり…。それぞれがまず襟を正すべきだ。所属政党が辞職を促すことも求められよう。

 同時に私たち有権者も、議員の資質や適性を見極める力をさらに付けておきたい。次の選挙では間違えないために。 



「夜の銀座」釈明も、ぐでんぐでん(2021年2月3日配信『中国新聞』-「天風録」)

 省庁に採用されるときは入省とか入庁と言う。では、衆参両院の事務局に就職する場合は、どう呼ぶか。「入院」ではなく、入局らしい。やはり勘違いを招くのだろう

▲議員諸氏が通う際は登院と本紙も書いてきたが、この面々には文字通りの通院治療を勧めたくなる。自民、公明の衆院議員4人が不始末で議員辞職や離党に追い込まれた。コロナ禍で緊急事態宣言さなかの夜更け、東京・銀座のクラブを訪ねていた

▲範を垂れるべき立場もわきまえないとは、「夜遊び」依存症かと疑われても仕方あるまい。立法府で国民に自粛を求めるなら、自らの身を慎んでこそである。息抜きの場など、他にいくらでもありそうなものを

▲自民党の要職にいた1人は当初、「閉店後に1人で行った」「陳情を聞いただけ」と、うそをついていた。言い逃れで頭を下げ、それでも旗色が悪いと役職を辞め、次は離党…。どれが、どれに対する謝罪なのだろう。釈明は、しらふの時にどうぞ

▲見解を問われた加藤勝信官房長官は、例によって逃げ口上を使う。「政治家の出処進退、本人が判断すべきもの」。その判断は本来、有権者に委ねられている。「権力」依存の亡者に、ではない。



自民党幹事長・二階にお粗末ブーメラ(2021年2月3日配信『日刊スポーツ』ー「政界地獄耳」)

★政府は緊急事態宣言の延長やその対象外地域でも新型コロナ対策分科会が示す基準で「感染漸増」を示す「ステージ2」に下がるまで、飲食店に対する営業時間の短縮要請などを行う。この発表に合わせて自公の銀座クラブの面々の処分を急いだのではないだろうか。国民に時短や自粛を要請しているのに、政治家は治外法権かといわれることを嫌ったのが分かる。一方で、五輪はできると言い張る根拠を示さないのもおかしな話だが、国民の怒りの矛先が銀座のクラブに集中したといえる。

★銀座のクラブはいい迷惑だ。なにしろ飲食が悪いわけではないものの、飲食が悪いと決めてしまって、堂々と飲食してどこが悪いのかというのも、いずれも自民党の政治家だからだ。2日、自民党幹事長・二階俊博は会見で、銀座クラブ問題を念頭に「議員は国民の模範とならないといけない立場なのでそういう問題は論外だ。それぞれ胸に手を当てて自らをよく律していただきたい。子供ではないので党がどうこう言う話ではない。選挙区の皆さんから日頃から注意も指導も受けているはずだ。謙虚に対応してもらいたい」とした。だが、事の発端は二階の年末の「8人ステーキ会食」から始まったのではないのか。

★大人数での会食がはばかられる時に8人でステーキ店に集まり、二階や「多人数の会食控えて」と国民に訴えた首相・菅義偉まで集まったことで批判を浴びると「別に8人で会っただけで会食ってそんなことを特にやったわけではない。飯を食うために集まったんじゃないんですよ」と二階は抗弁した。確かに子供ではないからどうのこうのいうことではないのかも知れないが、離党や議員辞職に発展している。お粗末なブーメランだということを国民は子供ではないから知っている。





コロナ下での会食不祥事 政権全体で猛省が必要だ(2021年2月2日配信『毎日新聞』-「社説」)

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言下にもかかわらず、与党の国会議員が深夜に東京・銀座のクラブに出かけるなどの不祥事が最近、相次いでいる。

 国民の怒りや不信の声の強さにようやく気づいたのだろう。

 この不祥事で、公明党の遠山清彦衆院議員がきのう議員辞職した。発覚直後、党執行部は注意や役職の辞任程度で乗り切る姿勢を見せていたが、支持者らの反発は想像以上に大きかった。

 自民党も深刻である。

 松本純・元国家公安委員長が銀座のクラブに行った際、同党の田野瀬太道副文部科学相と大塚高司国対副委員長も同席していたことが明らかになった。

 当初、松本氏は銀座には一人で行ったと説明していた。それがうそだった。結局、3人は役職を辞任し、離党する大失態となった。

 いずれも政府が飲食店の営業自粛を呼びかけている午後8時以降にクラブに行っている。模範を示すべき国会議員の非常識な行動にあきれるほかない。

 近く成立する新型コロナ関連の特別措置法改正案には、休業や営業時間短縮の命令に従わない事業者には過料を科すなど罰則が盛り込まれている。

 国民の生活を縛りながら、その法律を決める国会議員は自分に全く甘い。多くの国民はそこに特権意識を感じ取り、不信を募らせているに違いない。

 専門家が多人数による夜の飲食を控えるよう求めているのは、新型コロナの感染リスクが高いからだ。一連の行動は、それに従う必要はないと議員自らが言っているのに等しい。これでは国民への要請は届かない。

 昨年12月、菅義偉首相と自民党の二階俊博幹事長が銀座の高級ステーキ店で俳優らを交えて8人で会食して批判を浴びたのを、もう忘れたのだろうか。

 一時、与野党間で議員の会食ルールを作る動きも出たが、自民党が難色を示し、実現していない。 菅内閣の支持率は下げ止まらず、先の北九州市議選で自民党は議席を減らした。

 コロナ対策が後手に回っているだけでなく、この「会食問題」も影響していると思われる。政権を挙げて猛省が必要である。



公明議員は辞職 自民の処分甘くないか(2021年2月2日配信『東京新聞』-「社説」)

 公明党の遠山清彦衆院議員(51)が議員辞職した。緊急事態宣言の最中、深夜のクラブ通いでの引責だ。同様の問題が指摘された自民党三議員は役職辞任と離党にとどまる。処分が甘くはないか。

 遠山氏はきのうの記者会見で議員辞職の意向を表明し、「国民の政治への信頼を深く傷つけたことに、心からおわびする」と謝罪した。議員辞職にとどまらず、次期衆院選に立候補しないという。

 遠山氏は深夜のクラブ訪問に加え、自身の資金管理団体がキャバクラなどに「飲食代」として計約11万円を支出していたことも判明した。政治資金の使途として適切とは言えまい。

 遠山氏は問題発覚後、党幹事長代理の職を辞任したものの、議員辞職は否定していた。一転、辞職に至ったのは、国民の激しい反発に抗しきれなかったためだろう。

 議員辞職と立候補見送りは重い判断だが、政治への信頼を著しく損ねたことを考えれば当然だ。

 それに比べて、自民党の処分は甘くはないか。

 遠山氏と同時期に深夜のクラブ通いが発覚した自民党の松本純衆院議員は、党国対委員長代理を辞任した。しかし、同党の大塚高司衆院議院運営委員会理事と田野瀬太道文部科学副大臣がクラブで同席していたことも分かった。

 大塚、田野瀬両氏は役職を解かれ、松本氏ら三氏は離党処分となったが、議員の職にはとどまる。副大臣職や国会の役職辞任は重いとしても、政治への信頼を損ねた責任をどう感じているのか。

 松本氏は銀座のクラブで「店主たる人と2人だけだった」と説明したが、虚偽だった。問題が報じられても、大塚、田野瀬両氏は直ちに申し出なかった。議員として適切な振る舞いと言えるのか。

 なぜこれほど政治家の嘘(うそ)が横行し、国民の思いと懸け離れた行動が続くのか。それは政権首脳が国会で虚偽答弁を繰り返しても通り一遍の謝罪をするだけで責任を取らないことと無縁ではあるまい。

 安倍前政権では学校法人「森友学園」への国有地売却を巡り、事実と異なる政府答弁は139回に上った。「桜を見る会」前日夕食会でも、安倍晋三氏が首相在任中、国会審議の中で行った虚偽答弁は118回を数える。

 安倍氏は首相を辞任し、その後国会で釈明したが、虚偽答弁の責任を取ったとは言い難い。済んだ話とはせず、厳しく身を処すことが必要だ。野党に「鯛(たい)は頭から腐る」と言われないが為(ため)にも。



住民のがん検診受診率をどう上げ…(2021年2月2日配信『山陽新聞』-「滴一滴」)

 住民のがん検診受診率をどう上げるか。東京都内の自治体が一計を案じた。「受診者には来年も検査キットを送ります」と「受診しないと来年は検査キットを送れなくなります」の二つの呼び掛け文で差を試したのだ

▼結果、前者は受診率約23%で、後者は約30%。利益よりも損失に強く反応する心理を利用したもので、行動経済学の「ナッジ理論」に基づいている

▼ナッジとは本来、肘でつつく、背中をちょっと押すといった意味。最適な選択へ向け、人々を後押しするその手法はコロナ対策でも使われている。小売店のレジ前で、密を避けるために床に足跡を描くのもその一つだ

▼トイレの手洗い場に「隣の人はせっけんでちゃんと洗っていますか」と張り紙をするのも有効とか。周囲の目を意識させ、行動を促すのだろう

▼同じコロナ対策でも「ちょっと後押し」と様相を異にするのが国会で審議中のコロナ特別措置法改正案などだ。感染が判明して入院を拒む人への罰則などを盛り込んだ。当初案には懲役刑まで含まれていたが「厳しすぎる」と批判を受けて削除された。妥当な修正だろう

▼国民に自制を求め、違反者への厳罰化を進める一方で、一部の政治家が銀座で深夜まで飲食していた。軽率な行動を後押ししたのは何なのか。自分たちだけは特別、というおごりとは考えたくないが。



遠山議員辞職 「国民の代表」は襟を正せ(2021年2月2日配信『西日本新聞』-「社説」)

 「国民の代表」として、範を示すべき立場と責任を自覚しているのか。全ての国会議員は改めて襟を正すべきである。

 公明党の遠山清彦衆院議員=比例九州=が、議員辞職に追い込まれた。遠山氏は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言中の深夜に東京・銀座のクラブを訪れ、世論の激しい批判を受けていた。

 政府は国民に不要不急の外出自粛を呼び掛け、飲食店に営業時間の短縮を求めている。さまざまな不便や困難があっても多くの国民が協力を惜しまないのは、一刻も早く感染を収束させて経済を回復軌道に乗せ、日常生活を取り戻したいからだ。

 そのさなかに判明した国会議員の不謹慎な行動が、国民を怒らせ、政治への不信感を募らせたのは言うまでもあるまい。

 遠山氏は先月22日深夜に銀座のクラブで会食していた、と週刊誌に報じられた。29日には遠山氏の資金管理団体が2019年、福岡市のキャバクラなどに「飲食代」として計約11万円を支出していたことも政治資金収支報告書から判明した。

 このため同日、幹事長代理という党の役職を辞任し「国民の皆さんに申し訳ない気持ちでいっぱいだ。社会通念上、理解は得られない」と相次ぎ発覚した不祥事を謝罪していた。

 当初はこれでけじめをつける考えだったが、世論の反発は想定以上だったのだろう。遠山氏はきのう「国民の政治への信頼を深く傷つけてしまった。週末に熟慮した結果、議員辞職を決意した」と語った。次期衆院選にも出馬しないという。

 「緊急事態宣言下の銀座クラブ訪問」で批判されているのは遠山氏だけではない。自民党の松本純衆院議員も通常国会が召集された18日の深夜に銀座のクラブを訪れていた。松本氏は遠山氏と同様に国対委員長代理という党の役職を辞任したが、それで済む問題ではなかった。

 自民党の大塚高司衆院議院運営委員会理事と田野瀬太道文部科学副大臣の2人が松本氏と同席していたことも新たに分かった。2人は役職を外され、松本氏を含む3人は党の離党勧告を受け、離党届を提出した。松本氏はこれまで「1人で訪れた」としていたが「事実と違う説明をしていた」と認めた。

 何とも情けない「負の連鎖反応」である。野党は「与党のおごりが見え隠れする」と批判を強めている。むろん野党も他山の石とすべきである。

 新型コロナ対策で大前提となるのは国民の理解と協力だ。与党議員の不見識な言動がその対策を妨げているとすれば本末転倒である。菅義偉首相は緩んだ政権のたがを締め直すべきだ。



日々の積み重ね(2021年2月2日配信『佐賀新聞』-「有明抄」)

 ほんの1%の違いで人生は変わる。ビジネス界で知られた「法則」がある。1に1%加えた1・01と、1%引いた0・99。その差はわずかだが、それぞれ1年分に相当する365乗してみると、1・01は38倍近くになる。逆に0・99は0・03倍にまで小さくなる。努力するか怠るか。日々のちょっとした積み重ねが自分を成長させもし、ダメにもする、という教えである

◆季節の区切りも、日々の積み重ねで変わることがあるらしい。今年の節分は例年より1日早い、きょう2日。明治30(1897)年以来、124年ぶりのことという

◆暦の「1年」は地球が太陽の周りを1周する日数。実は365日ぴったりではなく、6時間ほど長い。このずれを4年に1度、うるう年で解消しているが、これだと45分ほど増やしすぎてしまう。それを調整するため、400年に3回、うるう年を減らして…と、こんなやりくりをしているうち、日付が繰り上がったのだとか

◆季節の変わり目には鬼が出るという。与党議員は続々と銀座のクラブ通いが発覚し、ミャンマーは軍事政権に逆戻り…。なるほど、日々目を凝らしていないと足元に忍び寄る魔物を見失う。〈節分の鬼も恐るる我らかな〉長谷川櫂

◆闇に向かって豆つぶてを投げれば長い冬も終わる。1日早く春が訪れるのを心待ちにしている。



[議員銀座飲食]うそがまかり通る異常(2021年2月2日配信『沖縄タイムス』-「社説」)

 コロナ禍で我慢を強いられている国民が、政治家の行動にどれだけ厳しい目を向けているか分からなかったのか。

 公明党の遠山清彦衆院議員が、辞職願を提出し許可された。

 緊急事態宣言下の先月22日、深夜まで東京・銀座のクラブに滞在していた、と週刊誌に報じられた。自身の資金管理団体がキャバクラなどに「飲食代」として計11万円を支出していたことも判明した。これらの責任を取る。

 遠山氏は「私の不適切な行動と、資金管理団体の不祥事で政治への信頼を深く傷つけてしまった」と謝罪した。その通りであり、議員辞職は当然だ。

 党の幹事長代理だった遠山氏は当初、役職を辞任したものの議員辞職については否定していた。党も厳重注意にとどめていた。事態を軽く見ていたのではないか。

 緊急事態宣言の発令で不要不急の外出や会食の自粛が呼び掛けられ、多くの国民が感染拡大を防ぐために協力している。そのさなかに与党の要職を務める国会議員が深夜までクラブを訪ねる、とは国民感情を逆なでする行為だ。

 しかも政府、与党は私権制限を強化する新型コロナウイルス特別措置法と感染症法の改正案の成立を急いでいるところで、あまりに緊張感に欠けている。批判の高まりに追い込まれた格好だ。

 比例九州ブロック選出の遠山氏は昨年まで党の沖縄方面本部長を務めていた。今回の不祥事は、信頼を寄せる県内の支持者をも裏切るものである。

■    ■

 遠山氏と同様に、深夜に銀座のクラブを訪ねていた自民党の松本純元国家公安委員長は、離党勧告処分となった。党の国対委員長代理を辞任して批判をかわそうとしたが抑えられなかった。

 自民党の大塚高司衆院議院運営委員会理事と田野瀬太道文部科学副大臣も同じ処分となった。松本氏が銀座のクラブを訪れた際に両氏が同行していたという。

 松本氏はこれまで「1人で行った」と説明していた。うそをついて事実を隠(いん)蔽(ぺい)しようとしていたのだ。「前途ある2人。後輩をかばった」との釈明が通用するはずがない。

 理解できないのは党執行部の対応だ。松本氏が当初、役職の辞任を申し出た際、二階俊博幹事長は「やめる必要はない」と一時慰留したという。3氏を離党勧告処分としたのは、世論の反発を受けて慌てて取り繕った感が否めない。

■    ■

 菅義偉首相は田野瀬氏から報告を受け「あるまじき行為だ」として更迭した。だが、自身にも副大臣への任命責任があるのは明らかだ。

 公明党の山口那津男代表は「信頼回復のため党一丸となって取り組む」と記者団に語った。

 では自民党はどうするのか。

 菅首相は代表質問で「政治とカネ」の問題を問われた際に「政治家は責任を自覚し、常に襟を正すべきだ」と述べた。政治不信が高まる今、どのように正すのか道筋を示すことが求められている。



松本離党、森山国対委員長守った形だが(2021年2月1日配信『日刊スポーツ』ー「政界地獄耳」)

★この日曜日に投開票があった北九州市議選(定数57)は自民党(現有議席22)は公認候補22人のうち県連副会長らベテラン議員を含む6人が落選した。今年は衆院選挙の年になる。そのほかにも自治体選挙がめじろ押しだ。深夜に銀座のクラブの出入りが発覚した公明党衆院議員・遠山清彦は議員辞職に追い込まれた。国民の議員という特権を持つ者への目が厳しくなったのだ。今まで通りの政治活動などでは到底満足できないと考える有権者が新しい生活様式の中の政治の姿と仕事ぶりの査定を始めたといっていい。

★自民党地方議員が言う。「最近の市議会議員選挙の傾向は自民党、公明党ともに当選するものの、前回選挙より300から500票ぐらい得票を減らしている。2000票前後あれば当選する選挙で500票減らすというのは市議会議員クラスでは相当票を減らしていることになる。これを衆院選挙の小選挙区や比例代表に置き換えると空恐ろしい」。地方議会選挙の地盤固めが衆院選挙の得票の基盤になる。当然、その地殻変動は中央政界に化学反応を及ぼす。

★遠山の議員辞職はそれくらいの覚悟で次期総選挙に臨まなければ大変な結果になるという公明党や支持母体の創価学会の危機感だろう。1日、自民党は党国対委員長代理・松本純の離党に続き同席していた同党の文部科学副大臣・田野瀬太道と同党国対副委員長・大塚高司の更迭も決めた。松本は1人でクラブに行っていたとしていたが若手も同席していた。国会開会日に国対が若手を連れて銀座に繰り出すのは国対の年中行事。コロナ禍で行かれなかったため、国対からの陣中見舞いを店に届けた。松本は国対委員長・森山裕を守った形だったが、早晩発覚するとして早めの対応となった。国対と官邸の信頼関係がないと国会運営は持たない。与野党の本格論戦が始まる2月は波乱のスタートとなった。



「深夜飲食」議員(2021年2月2日配信『しんぶん赤旗』ー「主張」)

自公に根本的反省はあるのか

 緊急事態宣言下の東京・銀座のクラブでの深夜飲食や、政治資金からのキャバクラ飲食費支出が発覚した公明党の遠山清彦衆院議員が議員辞職に追い込まれました。一方、自民党の田野瀬太道文部科学副大臣と大塚高司国対副委員長が、夜の飲食で国対委員長代理を辞めた松本純衆院議員と銀座のクラブで同席したことが新たに判明しました。まさに底なしです。松本、田野瀬、大塚の3衆院議員は自民党を離党しましたが、それで済む問題ではありません。危機感も緊張感も欠いた政権にコロナ対策はとても任せられません。罰則を振りかざすなど論外です。

危機感も緊張感も欠如

 遠山氏は、政府が外出自粛と夜8時以降の飲食店の営業時間短縮要請をしていた1月22日深夜に銀座のクラブを訪ね、知人と飲食していました。問題が週刊誌で報じられた26日に同氏は事実を認め謝罪し、28日に山口那津男公明党代表もおわびしました。しかし幹事長代理は続投させました。29日にキャバクラ問題が浮上すると遠山氏は自身の資金管理団体からスナックやキャバクラへの不適切支出を認め、ようやく幹事長代理を辞任します。それでは世論はおさまらず、ついに議員辞職に至りました。党の有力幹部が自制のない行動をしたというのに、それに直ちに毅然(きぜん)と対処できなかった公明党の姿勢も問われています。

 自民党の松本議員が銀座のクラブなど3軒の飲食店を深夜まではしごしたのは、通常国会召集日の1月18日でした。26日に週刊誌で報じられてからも自民党の対応は鈍く、同氏の国対委員長代理の辞表を受理したのは29日でした。

 許し難いことに松本議員は事実を偽っていました。銀座のクラブで会食した議員は自分1人だと説明していたのに、1日になって田野瀬議員と大塚議員も同席していたことが分かりました。隠ぺい姿勢は極めて悪質です。自民党を離党したからといって終わりにできる話ではありません。緊急事態宣言のさなかに、夜の飲食をやめない議員が後を絶たなかった菅政権の体質自体が大問題です。

 昨年末、政府は感染防止のためとして4人以下の会食を国民に呼びかけたのに、菅首相と二階俊博幹事長が銀座のステーキ店で5人以上の会食をしたことに、厳しい批判が寄せられました。首相は「深く反省」と表明しましたが、国民からの信頼は取り戻せていません。

 その後も自民党や公明党の幹部が「夜の銀座」での飲食をやめなかったことは重大です。政権と与党に、コロナ感染拡大についての危機感も、それを真剣に打開しようという責任感も欠落していたことは明らかです。コロナ禍での国民の痛みや苦しみを理解できない姿勢は、政権を担当する資格そのものを疑わせます。

けじめつけぬ自民に怒り

 一昨年の参院選の大規模買収事件で有罪判決を言い渡された河井案里参院議員や、買収罪で逮捕・起訴された夫の河井克行元法相(衆院議員)も自民党を離党しただけで議員辞職していません。カジノ汚職で公判中の秋元司元内閣府副大臣(衆院議員)も離党で済ませています。離党で議員を続けさせるのは自民党の常とう手段なのか。問題を起こした議員にけじめをつけさせない自民党に国民の不信はますます募ります。



暗闇にうごめく邪気(2021年2月2日配信『しんぶん赤旗』ー「潮流」)

 きょう、2月2日が節分となるのは1897年(明治30年)以来、124年ぶりのことだそうです。地球が太陽を1周する公転は365日と6時間ほど。その周期と暦のずれによるものです

▼節分はほんらい季節の変わり目。立春だけでなく立夏、立秋、立冬の前日がすべて節分とされていました。1年の節目にあたる春の節分に重きが置かれはじめたのは室町時代からだといわれます

▼「鬼は外、福は内」の豆まき。もとは、平安時代に中国から伝わった悪疫邪気を払う追儺(ついな)の儀式に由来します。鬼やらいともいい、朝廷の年中行事の一つでした。古来、鬼は「陰(おに)」ともいわれ、姿の見えない災いや病を表しました

▼今年の節分はまさに目に見えない相手と格闘するさなかに。いつもとは趣も気持ちの込め方も変わってくるでしょう。緊急事態の延長もいわれるなか、命と生活を守るための必死の日々がつづきます

▼「コロナそのものよりも、分断されることのほうが怖い」。ひとけのない新宿・歌舞伎町で働く人たちが先日テレビで訴えていました。感染拡大の悪者扱いされる「夜の街」の努力。国や自治体からの補償が足りず、休みたくても休めないジレンマがひしひしと

▼国民の苦境や痛みをよそに、自粛や要請などどこ吹く風とばかりに深夜の会食を重ねる政権与党の国会議員。コロナ禍で肥え太る資産家。ほんとうに追い払うべきもの、暗闇にうごめく邪気とは何なのか―。そこを見誤って社会のつながりが断たれれば、鬼に笑われます。



自粛せずに自粛を求めるな
社説
2021年2月1日 19:00 [有料会員限定]


新型コロナウイルスの流行が続き、自粛生活にうんざりというのが大方の声だろう。それでも頑張ろう、と励ますべきリーダーが先頭切って自粛破りでは話にならない。自分は身を慎まずに、国民に自粛を求めることはできない。すべての政治家にまず我がふりを省みてもらいたい。


公明党の遠山清彦氏の議員辞職を受け、記者会見で頭を下げる同党の山口那津男代表(2月1日、国会内)
緊急事態宣言下にもかかわらず深夜に銀座のクラブに行っていた公明党の遠山清彦前幹事長代理は1日、衆院議員を辞職した。「政治への信頼を傷つけた」と述べるとともに、次の衆院選への出馬も見送ると表明した。

同じような事例は挙げたら切りがない。昨年4月、宣言下に性風俗店を訪れていた高井崇志衆院議員は立憲民主党を除名された。年末には菅義偉首相自らが大人数で会食し、謝罪に追い込まれた。こちらは再宣言の前だが、自粛の旗振り役としての責任感の欠如であり、より悪質ともいえる。

年明けの再宣言の当日には、石破茂元自民党幹事長が大人数会食をしていた。自民党は所属国会議員に「飲食を伴う会合を控える」「午後8時以降の外出自粛を徹底する」と通達した。

しかし、不祥事は続く。銀座のクラブを訪れていた松本純、田野瀬太道、大塚高司の3衆院議員について、自民党は政府の役職からは更迭し、離党を勧告した。3氏は離党届を提出した。

まず頭を下げ、風向きが悪いと役職を辞め、さらに離党という後ずさり型の対応は有権者の不信感をより増幅したのではなかろうか。菅首相は再発防止へ断固たる姿勢を示すべきだ。

政治家には、国民の声を行政に伝える役割がある。会話なしには務まらない面があることは否定しない。だが、昼間にオンラインである程度の意思疎通はできるし、夜な夜な盛り場に行く必要がないのは明白である。

今年に入って、地方選挙で与党が推した候補の得票が下馬評を下回るケースが相次ぐ。有権者は見るべきところは見ているのだ。



自粛せずに自粛を求めるな(2021年2月1日配信『日本経済新聞』ー「社説」)

 新型コロナウイルスの流行が続き、自粛生活にうんざりというのが大方の声だろう。それでも頑張ろう、と励ますべきリーダーが先頭切って自粛破りでは話にならない。自分は身を慎まずに、国民に自粛を求めることはできない。すべての政治家にまず我がふりを省みてもらいたい。

 公明党の遠山清彦氏の議員辞職を受け、記者会見で頭を下げる同党の山口那津男代表(2月1日、国会内)
緊急事態宣言下にもかかわらず深夜に銀座のクラブに行っていた公明党の遠山清彦前幹事長代理は1日、衆院議員を辞職した。「政治への信頼を傷つけた」と述べるとともに、次の衆院選への出馬も見送ると表明した。

 同じような事例は挙げたら切りがない。昨年4月、宣言下に性風俗店を訪れていた高井崇志衆院議員は立憲民主党を除名された。年末には菅義偉首相自らが大人数で会食し、謝罪に追い込まれた。こちらは再宣言の前だが、自粛の旗振り役としての責任感の欠如であり、より悪質ともいえる。

 年明けの再宣言の当日には、石破茂元自民党幹事長が大人数会食をしていた。自民党は所属国会議員に「飲食を伴う会合を控える」「午後8時以降の外出自粛を徹底する」と通達した。

 しかし、不祥事は続く。銀座のクラブを訪れていた松本純、田野瀬太道、大塚高司の3衆院議員について、自民党は政府の役職からは更迭し、離党を勧告した。3氏は離党届を提出した。

 まず頭を下げ、風向きが悪いと役職を辞め、さらに離党という後ずさり型の対応は有権者の不信感をより増幅したのではなかろうか。菅首相は再発防止へ断固たる姿勢を示すべきだ。

 政治家には、国民の声を行政に伝える役割がある。会話なしには務まらない面があることは否定しない。だが、昼間にオンラインである程度の意思疎通はできるし、夜な夜な盛り場に行く必要がないのは明白である。

 今年に入って、地方選挙で与党が推した候補の得票が下馬評を下回るケースが相次ぐ。有権者は見るべきところは見ているのだ。




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