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鳥取らっきょう 障害者が支え、農福連携で省力化 (2019年7月1日配信『日本経済新聞』―「中国・四国版」)

 国が地域ブランドとして保護する「地理的表示」(GI)に登録されたらっきょう産地の鳥取市で、らっきょうの植え付け工程に障害者も加わる新たな農福連携が始まった。担い手が不足する中、障害者と新型の自動植え付け機を組み合わせることで作業の省力化を図る。国は農福連携を推進しており、関係者は「農福連携も組み合わせた産地振興を目指したい」と期待する。

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障害者らは紙製ポットに球根を丁寧に入れていく

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トラクターで植え付け機を引っ張り、チェーンポットを溝に落とす

 100年を超す歴史を持つ鳥取市福部町のらっきょう栽培は、生産者の重労働によって支えられてきた。近年、生産者の減少と高齢化が進み、機械の導入による効率化は大きな課題だ。省力化の一環で5月から、らっきょうの根や葉を切る作業を支援する機械の導入実験も進んでいる。

 植え付けシーズンを迎えた同町で8月から始まるのが自動植え付け機の導入実験だ。通常は「植え子」と呼ばれる人が手植えするが、製糖や農業機械販売を手掛ける日本甜菜製糖が2年前、砂丘の起伏が激しい同町でも使える機械を開発した。 機械をつなぐトラクターをJA鳥取いなば(鳥取市)が提供し、3人の生産者が参加する。昨年も一部実験を行ったが、今回は栽培面積を昨年の10倍近い90アールに増やす。

 さらに今回、農福連携も本格的に始める。自動植え付け機は砂をかき分けて溝を作り、らっきょうの球根を10センチ間隔で格納したチェーンポットという紙製のシートを溝の底に連ねて落としていく。シートは自然に分解され、球根が定着する。

 このシートに球根を入れる作業を鳥取市の福祉事業所「カナリヤホーム」で働く障害者らが担う。一つ一つポットに入れる作業は根気が必要だが、障害者らは黙々と作業に打ち込む。運営組織の上月幹夫理事長は「障害者にとって真夏の手植え作業は困難だが、この作業なら適正に合わせれば健常者並みの成果を実現できる」と話す。

 同町のらっきょうは2016年のGI登録でブランド化が進む一方、生産者の減少が目立つ。JA鳥取いなばによると、1986年には225戸で171ヘクタールを栽培していたが、2018年には67戸で115ヘクタールに減った。

 8月初旬から順次、障害者が球根を詰めたチェーンポットを使う自動植え付け機の実験が始まる。実験に参加する浜湯山らっきょう生産組合の香川恵組合長は「先を見据えれば、植え付けや根葉切りの機械の導入は欠かせない。農福連携も合わせて新しい産地振興を目指したい」と話す。

農福連携で収益向上も

 障害者を活用する農福連携が農業振興の一助となる期待は高い。政府も4月に省庁横断の農福連携等推進会議(議長・菅義偉官房長官)を設置。農林水産省は農家と福祉事業所を橋渡しする仕組みづくりなどを促す交付金事業も設けている。

 同省が農福連携を進める農家126人などを対象に行った調査(2018年に複数回答で実施)では、「人材として貴重な戦力」との回答が76%に上った。障害者受け入れによる収益性向上について「大きな効果あり」が18%、「効果あり」が48%に上った。

 NPO法人日本セルプセンター(東京・新宿)が14年に農業活動する福祉事業所などに行った調査(複数回答)では、農業の障害者への効果として、精神の状況が「よくなった・改善した」が最多の57%に上った。

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らっきょうの花




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Author:gogotamu2019
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