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萩生田氏発言 「三権の長」への冒涜だ(2019年7月31日配信『北海道新聞』ー「社説」)

 自民党の萩生田光一幹事長代行が、衆院憲法審査会での改憲論議を進めるために大島理森衆院議長を交代させる可能性に言及した。

 「審査をやってもらうよう促すのも議長の仕事だったと思うが、今のメンバーの中ではなかなか動かない」とし、「有力な方を議長に置き、改憲シフトを国会が行うのは極めて大事だ」と述べた。

 萩生田氏は、9条への自衛隊明記など党総裁任期中の改憲を目指す安倍晋三首相の側近とされる。

 萩生田氏は大島氏に「のりを越えた発言だった」と謝罪したというが、審査会が自民党の思うように進んでこなかったことの責めを議長に負わせ、交代にまで触れるのは三権の長への冒涜(ぼうとく)だろう。

 少数意見に配慮し、与野党合意の下での国会運営に尽くすのが議長の務めだ。審査会の運営に介入するのが職責だと言わんばかりの発言は、筋違いも甚だしい。

 そもそも衆参の憲法審査会の運営は、与野党協調を重視する形で進められてきた。それを変質させたのが安倍政権にほかならない。

 萩生田氏は4月に「少しワイルドな憲法審を見せないといけない」と述べ、野党をけん制した。自民党の下村博文憲法改正推進本部長が昨年11月、野党を「職場放棄」と非難したのに似た発言だ。

 首相は参院選後、与党改選過半数の結果に関し「議論すべきだという審判は下った」と断じた。

 しかし自民党主導の改憲論議に野党を引き込もうとする性急な姿勢が、野党に数の力で押し切られかねないとの警戒感を与え、自由な憲法論議の妨げになっている。

 首相はその認識こそ持つべきであり、萩生田氏のおごった姿勢を注意しなければなるまい。

 一方で、野党党首からも軽率な言葉が出た。国民民主党の玉木雄一郎代表が「私は生まれ変わった。議論は進める。安倍首相にもぶつける」と述べた発言である。

 参院選1人区の野党共闘では、「安倍政権の憲法改定、とりわけ9条改定に反対し、発議そのものをさせない」との共通政策に国民民主も市民団体を介し署名した。

 選挙が終われば首相との議論に積極的に応じるというのでは、国民の政治不信を増幅させよう。党内で批判が噴出したのも当然だ。

 党の参院選公約には「現行憲法の基本的理念と立憲主義を維持しつつ、未来志向の憲法を議論する」と記されている。

 上から議論を押しつけるような安倍政権の態度が立憲主義にそぐうのか、よく考えてもらいたい。




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