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(論)花粉症とコロナ(2021年2月8日・3月4・9日)

花粉症とコロナ(2021年3月9日配信『宮崎日日新聞』-「くろしお」)

 この時季、悩まされるのが花粉症だ。今年は早めに病院で薬を処方してもらった。鼻水、くしゃみ、鼻づまりなどの症状は、新型コロナウイルス感染症でも観察され、区別がつきにくいとされているからだ。

 かゆい目を手でこするとウイルス感染の可能性を高めてしまう。両方かかると、くしゃみでウイルスを拡散しかねない。花粉症の原因で最も多いのがスギやヒノキの花粉。約1千万ヘクタールある日本の人工林の約7割をスギ、ヒノキが占めるので”国民病”ともいわれる。

 だが花粉の少ないスギやヒノキも次第に導入が進んで、患者には福音となりそうだ。林野庁の広報誌によると、花粉の少ないスギの苗木の生産量は1千万本を超え10年前の10倍以上。とりわけ1992年に全国で初めて無花粉スギが発見された富山県は研究開発に熱心だ。

 県内で生産する全てのスギ苗木が無花粉。昨年からは県外にも出荷する。花粉の少ない樹種への植え替えや針広混交林化を計画的に進めている神奈川県でも、スギとヒノキの全量が花粉の少ない苗木になった。無花粉ヒノキを全国で初めて発見したのも同県で、年内にも苗木として出荷する予定だ。

 スギ、ヒノキは成長が早く、加工もしやすいので重宝する。林業の規模や形態には地域差があるから、容易に他県のまねはできない。ただスギ丸太生産量日本一の本県もリーダー的存在として、今後は健康面に配慮した生産をもっと意識すべきかもしれない。





花粉症とコロナ 紛らわしい症状に注意したい(2021年3月4日配信『読売新聞』-「社説」)

 今年も花粉症のシーズンが始まった。鼻づまりや倦怠けんたい感といった症状は新型コロナウイルス感染症の初期症状と似ているため、例年にも増して注意が必要になる。

 昨年夏の長雨の影響で、今年はスギ花粉の生育はさほどでもないという。それでも、飛散が少なかった昨年と比べると、関東や関西で1・5~2倍ほどの飛散が見込まれている。花粉症の人にとっては気が重い季節となろう。

 スギやヒノキの花粉にアレルギーがある人は3~4割に上り、今や国民病とされる。例年なら不快な症状に悩まされるという個人的な問題で済むが、今年は花粉症患者の中にコロナの感染者が紛れ込むことが懸念されている。

 鼻づまりや立て続けに出るくしゃみは、コロナの感染時にも見られる。症状だけで区別するのは難しい。早めの服薬で、花粉症の症状を軽減しておけば、異変に気付きやすくなるだろう。

 電車や人混みで、はなをすすったり、くしゃみをしたりすると、コロナを疑われ、周囲の視線が気になるという人は多い。

 最近は、かばんやマスクにつける「花粉症です」と書かれたバッジまで市販されている。早めに花粉症を抑え込むことで、こうした誤解も避けることができる。

 かゆいからといって、目や鼻をこすると、コロナに感染する危険が増すので気をつけてほしい。

 花粉症対策の基本は、花粉を寄せつけないことだ。幸い、昨シーズンと異なりマスク不足は解消されている。コロナ対策を兼ねてマスク着用を励行することが大事である。帰宅時の手洗いもコロナ予防と共通している。

 厄介なのは、コロナ対策では必須となっている換気だ。外気を取り込めば、花粉も入ってくる。空気清浄機や加湿器を活用し、花粉が漂いにくい環境を整えたい。

 こまめな掃除や洗濯も有効だろう。窓を開ける際は、網戸や薄手のカーテンを使うだけでも花粉の侵入を減らせるという。

 飛散が多い日や時間帯に外出しないことも予防策になる。時差出勤で花粉の少ない早朝に出社したり、予報をチェックして大量飛散が予測される日は在宅勤務したりするといった工夫で、対策の両立を目指してほしい。

 コロナ感染の「第3波」はピークを越えたとはいえ、首都圏を中心に、感染者数が十分に減少したとは言い難い。コロナに留意しながら、これから始まる花粉の本格的な飛散に備えたい。



花粉症(2021年3月4日配信『高知新聞』-「小社会」)

 鈍感なだけかもしれないが、いまのところ花粉症の自覚はない。近ごろ、服に付いた花粉を払ってから家に入るよう家族に言われることが増え、本格的な季節がきたなと気がつく。 

 文芸評論家の細谷正充さんもスギ花粉に苦しむ1人のようだ。本紙〈きょうの言葉〉で「同病相哀れむ」としてマスクをした人や、目を赤くした人を見ると「優しい気持ちになれる。勝手な連帯感を持ってしまうためだ」。 

 小塩海平さん著「花粉症と人類」によると、日本で花粉症の存在が世間に広く知られたのは1980年代半ば。症状に苦しんだプロ野球・西武の田淵幸一選手が引退を表明してからだという。集中力や闘争心まで奪われた田淵さんは「もう、選手にとって大敵ですよ」。発症したのは本県の春野キャンプだとか。 

 スギ花粉症の有病率は既に3割台半ばともそれ以上ともされ、いまや国民病と呼ばれるまでになった。昨年来のコロナ禍。花粉症患者がなおつらいのはくしゃみやせきに敏感な視線を浴び、エチケットも求められることか。 

 「花粉症です」「このセキうつりません」。ことしも花粉症やぜんそくを知らせる缶バッジや、マスクに押すはんこが各地で好評という。裏を返せば、人の疑いの目が気になる殺伐とした世が続いているということだろう。 

 感染症を警戒するのは当然にせよ、感染者への差別や偏見は避ける「優しい気持ち」は持ち続けたい。





コロナ禍の花粉症/感染リスク増大 一層注意を(2021年2月8日配信『河北新報』-「社説」)

 日本人の国民病とも言われる花粉症の季節がやってきた。新型コロナウイルス感染症が拡大する中で迎えることしは、地域によって昨年を上回る飛散が見込まれている。コロナの感染リスクが花粉症によって高まる可能性もあり、例年以上に慎重な対応が求められる。

 日本気象協会の予測では、ことしのスギ・ヒノキの花粉飛散量は例年比で少なめで、東北は昨年並みだが、関東甲信越は昨年の1・8倍、北陸では2・7倍とされる。仙台では今月25日ごろに飛散が始まり、来月ピークを迎える予測だが、すでに症状が出始めている人もいる。

 国内で新型コロナの感染が初めて確認されたのは昨年1月。昨年もコロナ禍に見舞われる中、花粉症の時期を迎えていたが、感染者数は今からみると、かなり少ないレベルだった。

 現在は、首都圏をはじめとした地域で政府の緊急事態宣言が出され、経路不明の市中感染が広がるなどより深刻だ。宣言は7日までの期限が1カ月延長された。

 製薬企業「ノバルティスファーマ」が1月、花粉症による「くしゃみ」などに関するアンケート結果を発表した。新型コロナ感染拡大により、「他の人のくしゃみが気になるようになった」人は8割以上。うち、相手がマスクを着けていても71%が気になるという。

 日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー学会理事長の大久保公裕日本医科大教授は「無症状の感染者が花粉症の場合、くしゃみなどで拡散リスクが高まる」と警告する。

 花粉症によるコロナ感染のリスクはそれだけではない。「目や鼻に症状が出れば、どうしても無意識に顔を触る回数が増え、手を伝って接触感染したり、させたりする」と大久保氏は指摘する。

 確かに、鼻がむずがゆくなってこすったり、マスクを外して鼻をかんだりということは頻繁になる。

 アンケートでは「目がリスクになる」という認識が相対的に低かったが、コロナの発生初期、中国・武漢で警告を出したのは眼科医で、結膜からの感染で広がったという。目をこすることもリスクだとのメッセージだ。

 コロナの感染防止策として、室内の小まめな換気が重要とされ、飲食店などでドアや窓を開放する機会は多い。そのため、室内に花粉が入り込むのもジレンマとなる。

 コロナ禍では、花粉症の症状やその対応が、感染を広げたり、自身がウイルスを取り込んだりする危険性を高めることを自覚した行動が求められる。

 一方で「花粉症は毎年のことなので、慣れてしまい、治療しないままの人が多い」と大久保氏は言う。通院などで適切な治療を受け、症状を抑えることがコロナ対策になるということも意識したい。




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