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後遺症(コロナ)(2021年2月8日)

コロナ後遺症 長期のケア態勢が必要だ(2021年2月8日配信『信濃毎日新聞』-「社説」)

 新型コロナウイルスに感染し、治療や療養を終えたにもかかわらず後遺症に苦しむ人が相次いでいる。

 第3波の感染者急増で、医療現場はコロナ治療に手いっぱいの状態だ。後遺症は専門外来が少なく、確立した治療法もない。病院を転々としたり、症状が悪化して職場を解雇されたりする人も出ている。

 このままでは感染が収束しても、暮らしや社会の回復に大きな影響を及ぼす。国は事態を深刻に受け止め、医療現場任せにせず、実態の調査や研究を進めて対策を急ぐべきだ。

 後遺症はさまざまだ。倦怠(けんたい)感、息苦しさ、味覚や嗅覚の障害、関節痛、思考力の低下、脱毛などが報告されている。

 40代以下の若い世代に目立ち、女性が多く、症状が長く続くのも特徴だ。コロナは軽症だったのに、寝たきりになるといった重い後遺症を抱える人もいる。

 コロナが治っていないと悩んだり、症状が長引き精神的に落ち込んだりする人も多い。コロナの治療は国費で賄われるが、後遺症は自己負担が生じる。仕事を休み続けると生活にも支障を来す。

 患者の不安を取り除く対策が必要だ。後遺症について分かっていることは何か。症状を感じたらどうすればいいか。国や自治体は積極的に情報を発信してほしい。

 コロナ治療後の受診先となることが多い開業医にも周知し、後遺症への理解を広げておきたい。

 海外でも状況は同じだ。欧米など56カ国の感染者4千人弱を対象にした調査では、半年後も何らかの症状を抱える人が3分の2を超えた。コロナが最初に流行した中国・武漢市の病院では退院患者の7割以上に上っている。

 海外の事例も参考にしながら、地域医療の中に長期でケアする態勢を整えていく必要がある。

 後遺症について政府の対応はどうなっているのか。田村憲久厚生労働相は、参院予算委で「高知大や慶応大、金沢医大でもそれぞれ研究してもらっている。得られた知見を対策につなげたい」と述べるにとどまっている。

 研究の成果を待つだけではいけない。後遺症に苦しむ人たちがどんな問題に直面しているか。自治体とともに専門の相談窓口を設けて声をすくい上げ、生活支援といった福祉面での対策にもつなげていくべきだ。

 若い世代は無症状や軽症の感染者が多く、無自覚になりかねない。後遺症の実態を知らせ、意識を高める契機にもしたい。




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Author:gogotamu2019
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