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「障がいある人との表現」松山で講演 劇団こふく劇場(宮崎)永山智行代表

立ち止まってこそ見える物語がある 

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「夢を持って頑張るしかないのは逆につらい」と語る永山智行代表=松山市緑町1丁目

 演劇の手法で対話の重要性を再認識するプログラム「障がいのある人との表現を考えるラボ」が松山市緑町1丁目のシアターねこであり、演出・劇作家で、宮崎県の劇団こふく劇場の永山智行代表が「障がい者とつくる演劇―実践例を知ろう」と題し講演を行った。観客12人とリモート見学の10人が参加。NPO法人シアターネットワークえひめ主催。永山代表は2006~16年、同県立芸術劇場演劇ディレクターを務め、07年から障害者も俳優として参加する企画「みやざき◎まあるい劇場」も行っている。要旨を紹介する。

【常に「問い」  面白いから演劇つくる 】

 学校の卒業式や入学式で校長らがスポーツ選手の活躍を紹介し、「『夢』を持てばかなう」と話をするケースが多い。裏を返せば、かなわないのは努力が足りないという自己責任の話だ。だから自分の力ではどうしようもないときには生きづらさにつながる。

 04年に障害者も舞台芸術に参加させる事業があり06年に「みやざき◎まあるい劇場」がスタートした。脳性まひ、筋ジストロフィーなどの障害者が参加していた。印象に残るのは、「落ち込んでいる友達を慰める」というテーマのエチュード(即興劇)。電動車椅子の男性が近づき手を伸ばして女優の手に重ねた。これほど美しいものはないと感じ、そのまま見せようと考えた。

 人がいること自体に大きなドラマ、物語がある。「普段通りにやろう」と決意した。「障害者が頑張りました」ではなく、お金をもらって演劇を見せるということだ。その場合、大事なのは障害者に障害者の役をさせないことだ。

 健常者でも障害者でも不条理な中に生きている。ただ、健常者は意識しないだけ。障害者は自分が望んだわけではない体を与えられており、不条理が見えやすい。そこを教えてくれるから福祉とは関係なく、常に「問い」があり面白いから演劇をつくっている。

 全国へ公演に行くときはヘルパーはついてこない。障害者は食事やトイレも時間がかかるので、健常者の側も立ち止まり、対話せざるを得ない。普段、私たちは1週間後など先のことばかり気にして、今に生きていない。立ち止まってこそ見える物語がある。

 新型コロナウイルスの時代、何を捨て、何を残すのかが問われている。既に持っている物語をどう面白がれるか。障害者と演劇をつくって感じたことだが、いわば冷蔵庫に残っている食材で一番おいしいものができたときの幸せだ。演劇には一人一人務めるべき役割がある。生きていることに祝福を与えられ、承認してもらえることが演劇の役割なのではないか。




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Author:gogotamu2019
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