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黒染め強要訴訟 頭髪指導は「妥当」、不登校後の対応「違法」(2021年2月16日配信『毎日新聞』)

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黒染め訴訟の判決を受け、記者会見する大阪府立懐風館高校の高橋雅彦校長(手前)、柴浩司・府教育振興室長(中央)ら=大阪市中央区で2021年2月16日午後6時23分、木葉健二撮影

 髪を黒く染めるよう教員に強要されて不登校になったとして、大阪府羽曳野市の府立懐風館高校に通っていた女性(21)が慰謝料など約220万円を求めた訴訟の判決で、大阪地裁は16日、府に33万円の賠償を命じた。横田典子裁判長は、同校が名簿から女性を削除するなどした不登校後の対応を違法と判断したが、頭髪指導については「黒染めを強要したとは評価できない」と妥当性を認めた。

 女性は2015年に入学。生まれつき髪が茶色なのに、教員から黒く染めるよう再三指導されて精神的苦痛を受け、16年9月から不登校になったと主張していた。生徒が頭髪の色を含む髪形を決める自由は、憲法で保障されているとも訴えていた。

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 判決はまず、髪の染色などを禁じた校則について、「非行を防ぐ正当な教育目的のために定められ、社会通念に照らして合理的だ」と指摘。教員が頭髪検査などから、女性の地毛を黒色だと認識していたという証言の信用性を認めた。茶髪を黒に染め戻すよう求めたことは、指導の「裁量の範囲」を逸脱しておらず、黒染めの強要とは言えないと判断した。

 一方で、女性が不登校になった後、教室に席を置かず、生徒名簿からも削除した対応を問題視。「(女性が)高校から在籍していること自体を否定され、戻るべき場所を失ったと感じた心理的打撃は相当強い」と述べ、違法と結論づけた。

 同種訴訟では、校則や生徒指導の裁量を認める判断が続いている。東京都内の私立高校でパーマを禁じた校則が妥当かが争われた訴訟で、1996年の最高裁判決は「非行防止の目的がある」と指摘し、生徒側が敗訴。奈良県生駒市立中の女子生徒が黒染めは体罰だと訴えた訴訟では、大阪地裁が「教育的指導の範囲を逸脱していない」として賠償請求を棄却し、13年、最高裁で生徒側敗訴が確定した。【伊藤遥】

校長「納得してもらう努力足りず」

 「実質的には敗訴だ」。頭髪指導の違法性を否定した判決に、女性の代理人の林慶行弁護士は不満をあらわにした。「髪の色などで、教員らの証言をそのまま事実として認定したのは疑問に感じる」と話し、控訴を検討する考えを示した。

 大阪府教委は大阪市内で記者会見。柴浩司・教育振興室長は「(不登校になった)女性を名簿に記載しなかった点は許されず、今後再発防止を徹底する」と話した。頭髪指導については、「各学校でふさわしい指導方針を定めるべきだ。生徒や保護者の要望を踏まえ、丁寧な説明と理解を求める姿勢が必要だ」と強調した。

 提訴当時、高校3年だった女性の訴えは全国で波紋を呼んだ。「ポニーテール禁止」や「下着は白色」など、人権感覚とずれた校則の見直しを求める声が各地で上がった。府教委は18年、全府立学校の4割以上となる90校が校則や内規を見直したと発表。府立懐風館高校は染色や脱色などの禁止規定に「故意による」との条件を付け加えた。

 同校の高橋雅彦校長も記者会見に同席し、「女性や保護者に納得してもらう努力が足りず、訴訟になってしまったのは反省している」と話した。【伊藤遥、藤河匠】




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