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生活苦うつ病患者に家族が「出ていけ」 コロナ禍で疲弊、冷静さ失う周囲の人たち【東尋坊の現場から】(2021年2月21日配信『福井新聞』)

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福井県坂井市の東尋坊

 2021年に入って、特に新型コロナ禍の影響により、うつ病者を取り巻く周囲の人たちが精神的に不安定になっているのではないでしょうか。身体的虐待、心理的虐待、経済的虐待を繰り返し、自殺を思い立つ状況に追い込まれた4人と出会いました。この異常な状態を実例を挙げて、皆さんに伝えたいと思います。

(1)1月中旬の昼ごろ、30代の男性が遊歩道で野良猫に興じていたため声掛けしたところ、「暗くなったら岩場から飛び込むつもりでした」と明かしました。自殺するに至った理由を尋ねると、「妻が産後のうつ病になり2人の幼児に暴力を加えるなど虐待してしまいました。児童相談所が介入することになり、妻は2人の子どもを連れて実家に戻ってしまいました。妻の両親はうつ病に対する理解ができず、離婚訴訟まで起こしてしまったことから将来が見えなくなり自殺しに来ました」と打ち明けました。話を聞いた上で男性を保護しました。

(2)1月下旬の昼ごろ、30代男性が元気なく相談所前をうろついていたため声掛けしたところ「私は未熟児として生まれ、人との交わりが出来ませんでした。精神科医の診察を受けたところ双極性うつ病、発達障害、MDHDなどの病名を付けられ、投薬を続けています。就職しても長続きせず、2カ月前に別の会社に就職しました。しかし、辛くなって無断欠勤をしたところ、母親から電話で『もう帰って来るな! お前とは親子の縁を切る…』と言われてしまい、何処へも行くところが無いため自殺しに来ました」と語りました。男性を保護し、家族に引き渡しました。

(3)2月上旬の夕暮れどき、20代歳男性が岩場の最先端に立ってじ~っと足元を眺めていたため声掛けし、相談所で話を聴きました。男性は「現在大学三回生でうつ病を患い投薬を続けています。今回コロナ禍の影響で大学もオンライン授業となり、実家で親と一緒に生活をしています。アルバイトも無く、親にお金を無心したところ『そんな金は無い、出て行け!』と言われてしまいました。私には行き先もなく、もうこれ以上親に迷惑はかけたらあかんと思い、岩場から飛び込むところでした」と語りました。男性を保護し家族に引き渡しました。

(4)2月中旬の昼ごろ、40代男性が岩場最先端に立って、飛び込む寸前であったため声掛けし相談所で話を聴きました。男性は「20年ほど前から統合失調症を患い、投薬を続けています。今までにリストカットや自殺未遂を2回ほど繰り返しています。いつも午前0時から午前6時ころまで清掃の仕事をしていますが、両手の指が痺れて痛く、両親に言っても怒られるだけで、仕事をこれ以上続けることが出来ません。今日は会社を無断欠勤し、夜中ずっと市内をうろつき、自殺するために午前8時ごろ東尋坊に着きました。飛び込む場所が見付かったため岩場に立ったところでした」と語りました。男性を保護し家族に引き渡しました。

 これらのケースは、いずれもうつ病や統合失調症の患者さんに対する周囲の無理解から自殺に追い込まれた事案であったと思われます。

 私たちは家族と電話したり面談をしたりして話を聞きましたが、いずれの親も「長年のことでもう疲れた。今回『家を出て行け』、『親子の縁を切る』などと強い言葉を発しましたが、自殺に追い込むつもりはありませんでした」と語っており、コロナ禍の影響で皆さんが精神的に疲弊し、冷静さを失ってしまっているのではと感じました。いまだコロナ禍が続いている現状において、今後もうつ病などの患者さんによる自殺が続くのではと危惧しています。今回これらの人たちと遭遇し、カウンセリングの基本である「受容し」「傾聴し」「共感する」について私も勉強させてもらいました。

  ×  ×  ×

 福井県の東尋坊で自殺を図ろうとする人たちを少しでも救おうと活動するNPO法人「心に響く文集・編集局」(茂幸雄代表)によるコラムです。

 相談窓口は電話=0776817835

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