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新型コロナ後遺症 軽症・無症状こそ要注意 医師警鐘(2021年2月21日配信『産経新聞』)

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コロナ後遺症の診療にあたるヒラハタクリニックの平畑光一院長(ヒラハタクリニック提供)

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 新型コロナウイルスに感染して軽症や無症状だった人が倦怠感(けんたいかん)や息苦しさ、思考力の低下といった後遺症に苦しめられている。寝たきりに近い状態となり、元の生活に戻れない深刻なケースも報告されている。専門外来を開設し、患者を見続ける医師は「特に若い世代に深刻な状況が広がっている。この現実を知ってほしい」と訴える。

 「診療時間内では全く、さばききれない」。新型コロナの後遺症外来がある「ヒラハタクリニック」(東京都渋谷区)の平畑光一院長(42)は、深いため息をつく。

 外来の受付時間は平日の午後8時までが基本だが、診療を希望する患者が多く、閉院後もオンラインでの診療が深夜から未明まで続く。患者は1日60~90人ほど。応援の医師を入れて対応しているが、患者は一向に減る気配を見せない。

 昨年3月以降、対応した患者は1000人を超える。その多くは新型コロナに感染しても軽症や無症状で済んだ20~40代の若年層だ。宿泊施設などでの療養を経て、日常生活に戻った後でさまざまな症状に悩まされるケースが目立つ。

 患者907人の症状を分析したところ、最も多いのは「倦怠感」の94%。他は気分の落ち込み(86%)▽思考力の低下(82%)▽頭痛(79%)▽息苦しさ(77%)▽体の痛み(73%)▽不眠(70%)で、「動悸(どうき)」「食欲不振」「脱毛」「嗅覚・味覚障害」も6~4割に上る。複数の症状を抱えていることもある。

 平畑氏によると、女性が男性の1・4倍ほど多いといい、自己免疫系の病気が女性に多いことも影響している可能性がある。

 また、こうした症状は当初、患者本人にも見過ごされがちで、やり過ごそうとしても症状はいつまでたっても消えず、運動などを引き金に悪化してしまうことさえある。倦怠感などが残る中で体力を戻そうとジョギングを始めたり、多忙な生活に戻ったりすると、思いもよらない症状が出ることもあるという。

 「これまで普通にやっていたことを再開した数時間後から翌日にかけて、経験したことのないような強烈なだるさに見舞われる人がいる。体に力が入らず、起き上がるのもつらいといった『寝たきりに近い状態』になってしまう人もいる」(平畑氏)。同クリニックの患者でも約350人がこうした重い後遺症が出ており、学校や仕事に行けなくなった人も少なくない。

 軽症や無症状の新型コロナ患者に後遺症が出る原因は、国内外の研究でも明らかになっていないのも大きな課題だ。平畑氏は「回復までに数カ月から数年かかり、場合によっては一生治らないことも考えられる」といい、「療養が終わっても数カ月は強い運動をしない、決して無理な生活をしないことが、症状を悪化させないために非常に重要になる」と話す。

 せきなどの症状改善には脂肪分や糖分が多い食品を控えるなど食生活を見直すことが有効とされる。脱毛や嗅覚・味覚障害の症状には亜鉛不足が影響していることも考えられるという。

 ただ、こうした後遺症の実態は広く知られているとはいえない。病院を受診しても診断名がつかず、行き場を失う患者も多い。学校や職場、家族から症状のつらさが理解されず、「仕事をさぼっている」「怠けている」などといわれ、傷つくケースもみられる。

 「新型コロナは若年層では重症化しづらいといわれるが、一度かかれば後遺症が続き、生活が一変することもあり得る。それだけ怖い病気だということを念頭に、感染対策を徹底してほしい」。平畑氏はこう呼びかけている。(三宅陽子)




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