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炎暑の日陰。行く手に影はあるか(2019年8月3日配信『東京新聞』-「筆洗」)

 日野、日田、日光、日向に日の出…。全国には「日」の付く地名があまたある。風や雨などを含め、気候に由来する地名は世界各国に存在しているが、わが国の特徴は、この日射に関する地名の圧倒的な多さだという。吉野正敏著『気候地名をさぐる』に教わった

▼名前に「日」を冠する国でもある。一方で、日影、日の陰、日隠(ひがくれ)といった照らないほうの日も地名にある。農耕にとっては負の要素だからか、数は比較的少ないらしい。ここ数日は、「負どころか」だろう。市街地を歩く際に、何より探し求める日陰である

▼梅雨が明けてから、連日続く猛暑の中、多くの人が建物の小さな影も拾うように歩いている。携帯する“日隠”であろう、日傘をさす男性にも、この夏は連日出会う

▼昨日もまた全国で気温35度以上の場所が続出した。熱中症が原因とみられる死者は、北海道や東北をはじめ各地で相次いでいる。気温で色分けした全国の地図を見ると、逃げ場が少ないように思える

▼少し前に記録的な日照不足や梅雨寒をうらめしく思ったばかりだが、今年は天気の変わり身が強烈だ。人は暑さと同様、気温などの変化に弱い。酷な夏である

▼それでも活動しなければならない人は多いだろう。<汝(な)が行く手片蔭(かたかげ)ありや尚(な)ほも行くや>竹下しづの女(じょ)。季語の片蔭は、炎暑の日陰。行く手に影はあるか。気をつけて進みたい夏だ。



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内容

 日本中で一番多いのは「日」のつく地名。日本と外国の地名から気象に関係あるものをとりあげ、自然との関わりについて考察。地名に隠された謎、地名にこめた人々の自然に対する願いと怖れを明らかにする。

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