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雪(すす・そそ)ぐ(2019年8月3日配信『愛媛新聞』ー「地軸」)

 「私には前歴・前科もなく、本当に真面目に生きてきたつもりです」。若い女性の、新雪を思わせる真っ白な人生に墨を落としたのは、市民を守るはずの警察だった

▲松山東署が松山市の20代の女性を誤認逮捕していた問題で、女性が手記を公表した。2枚のA4用紙に記されていた警察の対応は、あまりに不適切で、目を疑うほどだ

▲「ごめんなさいをすれば済む話」「認めないと終わらないよ」。はなから犯人と決めつけ、自白を誘うために浴びせた言葉のなんと残酷なことだろう。そもそもは、ドライブレコーダーに写っていた犯人を、女性と誤信したことが原因だ。多角的な確認も怠った。何重もの失態であり、信頼回復には、真摯(しんし)な謝罪と具体的な再発防止策の公表が欠かせまい

▲何より問題なのは、女性がどれほど潔白を主張しようとも、犯人視する警察には響かなかったということだ。同じアパートの住人が「写っていたのは自分」と認めなければ、どうなっていたのか

▲「手錠をかけられたときのショックは忘れたいのに忘れることができず、今でもつらいです」。まったく無関係の事件に長期間巻き込まれ、逮捕までされた女性の怒りや悔しさ、心細さは、察するに余りある

▲「雪ぐ」と書いて、「すすぐ」や「そそぐ」と読む。罪や汚名を取り除くとの意味で用いられる。女性の心の傷が、雪のように柔らかく、優しく、流し清められたらと、願ってやまない。




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Author:gogotamu2019
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