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さいたま市に犯罪被害者支援条例(2021年3月3日配信『NHKニュース』)

犯罪被害者や遺族に対する見舞金の支給や精神的な被害の回復に向けた支援などを定めたさいたま市の条例案が、3日開かれた市議会で可決されました。

犯罪被害者の支援をめぐっては、平成16年に成立した「犯罪被害者基本法」に基づき都道府県や市区町村ごとに条例の制定が進められています。

さいたま市では去年になって動きが本格化し、学識経験者や遺族などの意見も踏まえた条例案が先月開会した市議会に提出され、今月3日、可決されました。

条例には、犯罪被害者や遺族への情報提供や、見舞金の支給、日常生活の支援、医療費や転居費用の助成など、市が行う支援の内容が盛り込まれています。

また、犯罪被害者や遺族を雇用する事業者は、支援の必要性について理解を深め、市の施策に協力するよう努めなければならないとしています。

支援の具体的な内容について、市は心の傷の回復に重点を置き、精神面に関する医療費やカウンセリング費として15万円まで助成することや、見舞金を10万円から30万円の範囲で支給することなどを、条例の要綱に盛り込む方針です。

条例案の作成に携わった横山佳純弁護士は「かなり前から条例をつくるべきだと市に伝え続けてきたので、ようやくかという思いはあるが、長期的な支援を見据えた支援内容になった点では評価できる」と話していました。

この条例は来月1日に施行される予定です。

犯罪被害者の遺族として条例案の作成に携わったさいたま市の新井貴久治さんは、7年前に長男をトラックにはねられて亡くし、自身がPTSD=心的外傷後ストレス障害を経験したということで、「精神的被害の回復の支援に重点を置くべきだという意見が条例に反映されたことは良かった」と評価しました。

一方で、「犯罪被害者や遺族は、先行きに対する不安が相当強くなる。条例ができてもすべての被害者や遺族が支援の対象になるとは限らず、今後必要に応じて見直すなど支援の歩みを止めてはいけない」と話していました。



さいたま市犯罪被害者等支援条例

(目的)
第1条
この条例は、犯罪被害者等基本法(平成16年法律第161号)の趣旨にのっとり、犯罪被害者等の支援に関し、基本理念を定め、並びに市、市民等及び事業者の責務を明らかにするとともに、犯罪被害者等の支援の基本となる事項を定め、当該支援のための施策を総合的かつ計画的に推進することにより、犯罪被害者等の権利利益の保護並びに被害の軽減及び回復を図り、もって市民の誰もが安心して暮らすことができる地域社会の実現に寄与することを目的とする。

(定義)
第2条
この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
⑴ 犯罪等 犯罪及びこれに準じる心身に有害な影響を及ぼす行為をいう。
⑵ 犯罪被害者等 犯罪等により害を被った者及びその家族又は遺族をいう。
⑶ 市民等 市内に住所を有し、勤務し、若しくは在学する者又は市内で活動を行う団体をいう。
⑷ 事業者 市内において犯罪被害者等を雇用する者その他の市内で事業活動を行う団体をいう。
⑸ 二次被害 犯罪等による直接的な被害を受けた後に、周囲の者の配慮に欠ける言動、インターネット等を通じて行われる誹謗(ひぼう)中傷、報道機関(報道を業として行う個人を含む。)による過度な取材及び報道等により、犯罪被害者等が受ける経済的な損失、精神的な苦痛、心身の不調、プライバシーの侵害その他の被害をいう。
⑹ 民間支援団体 犯罪被害者等の支援を行う民間の団体をいう。
⑺ 関係機関等 国、埼玉県、警察、犯罪被害者等の支援を行う公共的団体、民間支援団体その他の犯罪被害者等の支援に関係するものをいう。

(基本理念)
第3条
市における犯罪被害者等の支援は、次に掲げる理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、推進されなければならない。
⑴ 犯罪被害者等の支援は、犯罪被害者等の個人としての尊厳が重んじられ、その尊厳にふさわしい処遇を保障される権利が尊重されるよう、配慮して行われるべきものであること。
⑵ 犯罪被害者等の支援は、犯罪被害者等の名誉又は生活の平穏を害することのないよう配慮するとともに、二次被害等を生じさせることがないよう行われるべきものであること。
⑶ 犯罪被害者等の支援は、犯罪被害者等が平穏な生活を再び営むことができるよう必要な支援が途切れることなく行われるべきものであること。
⑷ 犯罪被害者等の支援は、被害の状況及び原因、二次被害の有無等の犯罪被害者等が置かれている状況その他の事情に応じて適切に行われるべきものであること。
⑸ 犯罪被害者等の支援は、犯罪被害者等の個人情報が適切に取り扱われるように最大限配慮して行われるべきものであること。
⑹ 犯罪被害者等の支援は、その犯罪等の種類及び性質を鑑み、犯罪被害者等のプライバシー及び心理状態に特段の配慮をするなど、適切に行われるべきものであ
ること。
⑺ 犯罪被害者等の支援は、市、関係機関等、市民等及び事業者が相互に連携し、及び協力して推進されるべきものであること。

(市の責務)
第4条
市は、基本理念にのっとり、犯罪被害者等の支援に関する施策を策定し、及び実施するものとする。
2 市は、前項の施策を円滑に実施することができるよう、関係機関等と連携し、及び協力するものとする。

(市民等の責務)
第5条
市民等は、基本理念にのっとり、犯罪被害者等が置かれている状況及び犯罪被害者等の支援の必要性についての理解を深め、犯罪被害者等を地域社会で孤立させないよう努めるとともに、市が実施する犯罪被害者等の支援に関する施策に協力するよう努めなければならない。

(事業者の責務)
第6条
事業者は、基本理念にのっとり、犯罪被害者等が置かれている状況及び犯罪被害者等の支援の必要性についての理解を深め、その事業活動を行うに当たっては二次被害等が生じることがないよう十分に配慮するとともに、市が実施する犯罪被害者等の支援に関する施策に協力するよう努めなければならない。
2 事業者は、基本理念にのっとり、犯罪被害者等の就労その他犯罪等による被害に関し、事業者に求められる手続等について十分に配慮するよう努めなければならない。

(相談、情報の提供等)
第7条
市は、犯罪被害者等が日常生活又は社会生活を円滑に営むことができるようにするため、犯罪等により害を被ったことにより直面している様々な問題について相談に応じ、必要な情報の提供及び助言並びに関係機関等との連絡調整を行うものとする。
2 市は、犯罪被害者等の支援に関する相談に応じるとともに、必要な情報の提供及び助言を総合的に行うための窓口を設置するものとする。

(見舞金の支給)
第8条
市は、犯罪被害者等が受けた被害による経済的負担の軽減を図るため、犯罪被害者等に対し、見舞金の支給を行うものとする。

(日常生活の支援)
第9条
市は、犯罪被害者等が日常生活を円滑に営むことができるようにするため、犯罪等により日常生活を営むことが困難となった犯罪被害者等に対し、日常の家事に係る支援その他必要な支援を行うものとする。

(心理的外傷からの回復に向けた支援)
第10条
市は、犯罪等により受けた心理的外傷が早期に軽減し、又は回復することができるよう犯罪被害者等に対し、医療費の助成その他必要な支援を行うものとする。

(居住の安定に向けた支援)
第11条
市は、犯罪等により従前の住居に居住することが困難となった犯罪被害者等に対し、転居に要する費用の助成その他必要な支援を行うものとする。

(安全の確保に向けた施策)
第12条
市は、犯罪被害者等が二次被害等を受けることを防止し、その安全を確保するため、犯罪被害者等に係る個人情報の適切な取扱いの確保その他必要な施策を講じるものとする。

(雇用の安定に向けた施策)
第13条
市は、犯罪被害者等の雇用の安定を図るため、犯罪被害者等が置かれている状況について、事業者の理解を深めるための措置その他必要な施策を講じるものとする。

(市内に住所を有しない犯罪等による被害者の支援)
第14条
市は、市内に住所を有しない者が市内で発生した犯罪等により害を被ったときには、その者が住所を有する地方公共団体と連携し、及び協力して、必要な情報の提供及び助言を行うものとする。

(総合的支援体制の整備)
第15条
市は、関係機関等と連携し、及び協力して、犯罪被害者等の支援を円滑に行うことができるよう、総合的な支援体制を整備するものとする。

(人材の育成)
第16条
市は、犯罪被害者等の支援の充実を図るため、犯罪被害者等の支援を行う人材を育成するための研修の実施その他必要な施策を講じるものとする。

(民間支援団体への支援)
第17条
市は、民間支援団体の活動の促進を図るため、民間支援団体に対し、市が実施する犯罪被害者等の支援に関する施策に係る情報の提供その他必要な支援を行うものとする。

(市民等及び事業者の理解の増進)
第18条
市は、犯罪被害者等が置かれている状況、二次被害等の可能性及び犯罪被害者等に対する支援の必要性について市民等及び事業者の理解を深めるため、啓発その他必要な施策を講じるものとする。

(意見の反映)
第19条
市は、市が実施する犯罪被害者等の支援に関する施策について、犯罪被害者等、有識者及び市民等からの意見を反映するよう努めるものとする。

(支援の制限)
第20条
市は、犯罪被害者等が犯罪等を誘発したときその他犯罪被害者等の支援を行うことが社会通念上適切でないと認められるときは、犯罪被害者等の支援を行わないことができる。

(委任)
第21条
この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。

附 則
 この条例は、令和3年4月1日から施行する。






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