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見えぬ全面解除 2週間「根拠なし」 菅首相、続く苦境・緊急宣言〔深層探訪〕(2021年3月6日配信『時事通信』)

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首都圏4都県の緊急事態宣言の再延長を決め、記者会見で頭を下げる菅義偉首相=5日夜、首相官邸

 菅義偉首相は、東京、神奈川、埼玉、千葉の4都県に発令している緊急事態宣言の再延長に踏み切った。ただ、新型コロナウイルス感染の状況は一進一退を繰り返しており、2週間での全面解除は見通せない。「第4波」への懸念も漏れる中、再々延長となれば出口がさらに不透明になるのは必至で、首相の苦境は続きそうだ。

 ◇延長に急旋回

 「国民には大変申し訳ない思いだが、一層の協力を心からお願いする」。首相は5日夜の記者会見で再延長についてこう語り、深く頭を下げた。

 感染拡大抑止の「最後のカード」として首都圏に出された緊急宣言は1月8日の発令後、1カ月延長され、既に2カ月近くが経過。年初と比較して感染者数は大きく減少し、一定の効果を発揮してきたようにも見える。実際、首相は今月7日の全面解除に意欲的だった。

 潮目が変わったのは3日夕だ。首相は西村康稔経済再生担当相や田村憲久厚生労働相ら関係閣僚と官邸で協議する中で自ら「2週間程度」の延長案を提示。この後、記者団に「病床が逼迫(ひっぱく)している状況、ぎりぎりの指標もある」と指摘し、宣言の再延長方針を表明した。

 当初の考えを軌道修正した背景には、東京都の小池百合子知事らが政府に再延長を要請する動きを見せたことがある。これを察知した首相は、機先を制する形で表明。与党幹部は「知事の動きを見れば延長しない方がリスクだ」と語り、今回の首相の判断を支持する。

 ◇出口なくなる

 ただ、「2週間の再延長」とした根拠は判然としない。4都県の感染状況を示す指標は、解除の目安であるステージ3相当をクリアしているためだ。首相は会見で「2週間は感染拡大を抑え込むと同時に、状況をさらに慎重に見極めるために必要な期間」と強調したが、複数の政府高官は「根拠はない」と語り、あくまで政治判断だったと明かす。

 「延長幅」をめぐっては各方面から異論や疑問も相次いでいる。感染症などの専門家による5日の基本的対処方針等諮問委員会では、出席者から「もっと長く延期した方がいい」との意見が出された。政府関係者の一人も「2週間後に数値が悪化していたら出口がなくなる」と指摘する。

 野党からは、再延長に理解を示しつつも「(判断の)基準は何だったのか」(幹部)との声が上がった。

 ◇五輪さらにピンチに

 感染状況に改善傾向が見られなければ、夏の東京五輪・パラリンピックにも影響が及ぶのは避けられない。25日からは国内で五輪の聖火リレーが始まるが、ここに来て変異ウイルスや「第4波」への警戒が強まっており、緊急宣言の新たな期限となる21日に全面解除に至らなければ、開催を危ぶむ声が一段と高まることも予想される。

 自民党の下村博文政調会長は4日のBS番組で、海外から選手が入国できなければ「国際オリンピック委員会(IOC)も考えざるを得ない」と述べ、中止の可能性に言及した。

 新型コロナへの対応に加え、与党議員による緊急宣言中の深夜のクラブ訪問や、首相自身の長男の総務省幹部接待などの問題が相次ぎ発覚し、発足からまもなく半年の菅政権は揺れている。「国民に明るい展望も示せず、この先どうなるのか」。政府関係者は不安げにこう漏らした。




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Author:gogotamu2019
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