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ジェンダー平等の取り組み進む花王 性別役割分担から意識改革 カギはトップの姿勢(2021年3月8日配信『東京新聞』)

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2019年に行われた育児休職からの復職前セミナーの様子。新型コロナウイルス禍で昨年は録画を配信し、今年はオンラインで開催した=花王提供
 
 ジェンダー平等の取り組みが遅れる日本で、世界基準で評価されている企業がある。日用品メーカーの花王(東京都中央区)は、取り組みが進む各国の企業を選ぶ米ブルームバーグ社の「男女平等指数」に今年で3年連続、名を連ねた。そこに至るには、社員一人一人が働きやすい環境づくりを目指した、地道な努力の積み重ねがあった。(奥野斐)

◆セミナーで性別役割分担意識に気づき

 ジェンダー平等の実現に向け、出産後の女性が働き続けられる環境は、まず求められる課題だ。花王は2009年、育児休職後に復職する社員のための事前セミナーを開始。パートナー同伴を勧め、今は8割以上が夫や妻と参加し、時間に追われる復職後の生活を具体的にイメージしてもらう。同じ状況の社員同士がパートナーとの家事や育児の分担などを話し合ったりすることで、参加者の多くが、女性に負担が偏りがちな現状や、その背景にある「男性は仕事、女性は家事・育児」といった性別役割分担意識に気づくという。

 「最初が肝心。復職後の家庭生活やキャリア形成でパートナーとの協力関係が築けると、女性も働き続け、能力を発揮しやすい。先の管理職登用にもつながります」。花王の多様性推進担当の斎藤菜穂子部長はそう強調する。

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多様性推進担当の斎藤菜穂子部長=花王提供

 男性の育休取得率は約40%。会社は取得を当事者に促すだけでなく、管理職に「育休を取らせてあげるという視点ではダメですよ」と伝える。部内の業務を見直し、他の社員も含めて休みやすい環境をつくる好機ととらえてもらうためだ。制度面では、育児や介護で休みを取りやすいよう月単位で勤務時間を調整したり、1時間ごとに有休を取ったりできるようにした。

◆社長自ら女性社員に聞き取りも

 斎藤さんは「トップが会社の姿勢を示すこと」も重要視する。社長自ら各部署や事業所を回り、女性社員の意見を聞くこともある。昨年12月まで社長だった沢田道隆会長は、企業の女性役員比率向上を目指す「30%クラブジャパン」に参画。社外の表彰式などに出席し、メディアに取り上げられたりすることで、社員に向けた啓発効果もあるという。

 花王の19年の女性管理職比率は18・2%。目標値は女性社員の比率と同じ24・4%で、それには届かないものの15年の8・7%から着実に伸ばした。公表している19年の女性役員比率は8・3%。

◆多様な社員の活躍

 こうした積み重ねが評価され、今年も44カ国・地域の380社の中の1社に選ばれた。日本企業は14社が選ばれており、花王は3年連続となる。

 花王が「多様な社員の活躍」を掲げたのは20年以上前。シニアや障害のある人を積極的に採用し業務内容を広げたり、LGBTなど性的少数者への理解を進めることにも力を入れてきた。斎藤さんは「多様な個性・価値観を受け入れ、社員一人一人が能力を発揮できる会社を目指した結果、女性をはじめ、全ての社員が働きやすい環境になってきた」と話している。

ブルームバーグ男女平等指数 米国が拠点のビジネス・金融情報サービス企業「ブルームバーグ」が企業のジェンダー平等の取り組みや情報開示を評価する指標。柔軟な勤務形態や役職者の女性割合、性別を考慮した人事制度や支援などで評価。2016年に金融業界を対象に始まり、18年に全業界に拡大した。





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Author:gogotamu2019
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